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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
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xx18年 9月28日

9月28日


ワッシャーを取り付けた後、そのまま逃走されても困るのでスリープモードのままオヤカタさんに預けて帰ったので、今日はちゃんと動くようになっているか確認のため再びオヤカタさんとカンナさんのところを訪れた。


スリープモードのまま電流を流しカンナさんのアームが無事動くことを確認。その他動きがスムーズではないところを点検して同じようにズレが出ているところや、歯が折れかかっているギア、抜けかけているネジなどが複数箇所あったため追加で調整と修理をしておいた。


作業後、カンナさんを起動させ修理が終わったことを伝える。カンナさんはゆっくりアームを持ち上げてゆっくりとちゃんと腕が動かせるか確認していた。


「う、動く! オヤカタ、俺の腕動くぞ!! これでまだ仕事が続けられる!!! 俺ぁまだスリープモード中で幻見てるわけじゃねぇよな??」


「ばっかやろう! まずは所長さんにお礼が先だろうが! あと腕を疑って逃げ回ったこともちゃんと詫びろ!」


「そ、そうだよな! 所長さん、腕修理してくれてありがとうよ! あと、色々すいやせんでした!!」


問題なく動く腕を見てカンナさんは感極まったように雄叫びに近いお礼と謝罪をしてくれた。それに合わせるようにカンナさんの後ろでオヤカタさんまで頭を下げてくれている。私はと言うと大きな音でキンキン言い始めた耳を軽く抑えながら「これからもお仕事頑張ってくださいね」と言ってその場を後にした。


受付で待っていたロビルさんとレストレイドさんにカンナさんの修理が終わった事と、請求書は後日送ることを伝えて帰宅しようとしたところでロビルさんに呼び止められた。


「あぁ、待っとくれアンジェくん。君、10月1日は空いとるかい? 追加で頼みたいことがあるんだがね」


と言われ、まずは「杏樹あんじゅです」と自分の名前を訂正してから、付き添いのワルドーに予定を確認してもらう。特に予定がないと返事をもらうと、


「なら、1日に君の研究所の方へ『ある機体を2体』持っていくから修理をお願いするよ。我輩のところで修理するより君のところでお願いした方が良い子たちなんでね」


ということで次の仕事依頼を受けることになった。それじゃあねと帰っていったロビルさんを見送った後である機体の詳細を聞き忘れたことに気づいたが、まぁ大丈夫だろうと私たちもそのまま帰路についた。

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