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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
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xx18年 9月24日

9月24日


ラークも調整後問題なく動けているようなので、今日は1日ゆっくりして他の子達の捜索は明日にしよう、なんて思っていたらハシバさんからすぐに来て欲しいと連絡が入った。


オヤカタさんに何かあったのかと聞いてみたがどうも違うらしく、他の機体の様子がおかしいなので見て欲しいということだった。


「今回はちゃんと修理費をもらってくださいね」


と同行したティムに釘を刺されながら指定された現場に向かうと、ハシバさんとオヤカタさんの他に3人(正確には1人と2機)が居て、今回の修理はそのうちの1人(正確には1機)だった。


ハシバさんの紹介で3人は、シー・ロビルさん(人間・今回の依頼者)とレストレイドさん(ロボット・ロビルさんの護衛の方でぱっと見は人間)とカンナさん(ロボット・修理が必要な方でオヤカタさんに似ている)であることが判明し、ティムとレストレイドさんの間でただならぬ殺気を感じながら私が呼ばれた理由を尋ねた。


「ここにいるカンナくんなんだがね、設計図の通りに修理したはずの腕が動かなくて困っとると言われてね。いろんな技術者に声をかけてみたんだが誰も腕が動かない理由がわからんで、どうしたもんかと悩んでいたら君の話を聞いたんだが、よかったら診てもらえんだろうか?」


と状況を説明してくれたのはロビルさんだった。修理の為かスリープモードのカンナさんの左アーム部分を手で持ち上げながらさらに詳しい状態を聞いた。一通り聞き終えたところでハシバさんから


「申し訳ないんですが、私は仕事に戻らせていただきます。ここは自由に使ってもらっていいんですみませんがカンナのことお願いします。うちの奴じゃないんですが、うちのオヤカタとよく一緒に仕事をしてくれるいい奴なんです。あ、親方は置いてくんで何かあったらオヤカタに聞いてください」


と言って急いで出口に向かっていった。その姿を見ながらオヤカタがボソッと、逃げやがった、と言っていたがハシバさんの気持ちはよくわかる。それぐらいティムとレストレイドさんの間の空気が絶対零度と化していた。なんでティムがこんな状態なのかはよくわからないが、依頼の説明がなければ早くここからティムを連れ出したかった。


そんな2人を全く気にせずにロビルさんは


「修理が出来んでも動かない理由がわかればええんだが、引き受けてくれるかね? もちろん原因を解明してくれたら報酬ははずませてもらうよ!」


と何故かにこやかな顔で確認をとってきた。なにやら面倒ごとのような気もするが、まずは診させてください 返事はそれからで、と言うのかやっとだった。 眠いので続きは明日分に回す。

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