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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
27/46

xx18年 9月21日

9月21日


「ねぇ、いつまで寝てるのさ? 早く起きないと置いてくけど?」

と朝5時にラークに叩き起こされ、


「モーニングティーとフレンチトーストとサラダを準備した。 しっかり食べていけ。」

とワルドーの用意してくれた朝食を食べ、


「必要な部品はこれに書いておきました。 ついでにこれらも買ってきてください。」

ティムにお使いメモを何枚か渡されて車の運転席に押し込まれた。


この時点で朝の6時である。勘弁して欲しい。

助手席に座っているラークは遠足が楽しみすぎる子供のようなテンションが隠し切れておらず、そんなラークを微笑ましそうにティムとワルドーが見守っていた。兄弟というより親子じゃね?と思いながら私は車を発進させた。


そんなこんなで、バストンに到着し途中スペアボディのせいか何度かラークを見失いそうになったので最終的には嫌がる本人を無視して抱えてお店に向かった。

すれ違い様に女性陣から「可愛い」と黄色い声?をうけたおかげか最初は機嫌の悪かったラークもお店に着く頃にはなぜか誇らしげだった。


お店に入ると、いつも見かけるあの博士は居らずカウンターに店主さんだけが座っていた。

声をかけながら欲しいパーツを書いたメモを渡すと

「おう、あんたか。 いらっしゃい、今日は何を探してるんだ?」

と顔馴染みになった店主は受け取ったメモに目を通す。

「これまた貴重なパーツが多いが1からロボットを作るつもりか? それとも抱えてるロボット用のパーツか? まぁ、奥からパーツを取り出してくるからそこのドリンクメーカーで好きな飲み物選んで待っててくれや。」

と言って店の奥に店主が消えたいった。


言われた通りにするため、一旦ラークを下ろす。

「ふぅ、やっと動けるよ。 いつまで抱えておくつもりだったのさ。」

と小言を言うラークを無視してドリンクメーカーに近づく。好きな紅茶はなかったので代わりに烏龍茶を飲もうとボタンを押したが、間違えて隣の嫌いなコーヒーのボタンを押してしまった。助けを求めて、ラークの方を見ると

「いや知らないよ、僕は飲まないからね。自分が間違えたんなら自分でどうにかしなよ、所長。」

とすごく嫌そうな顔をされた。ところで所長とは私のことか、と尋ねると、

「今更何いってるの? 昨日資料見せたでしょ。まさか読んでなかったの?だめだよ、ちゃんと読まないと。騙されて変な契約結ばされるよ、所長。」

呆れられた。


その後パーツを抱えた店主に料金を渡しお店を出たが、結局所長のことは教えてくれなかった。

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