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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
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xx18年 9月17日

9月17日

特に変わったこともなく、一日中ずっとラークの本機製作を続けた。


途中、ラークが見学したいとワルドーと一緒にやってきたのでついでに現状の設計図をみせて見た目で変えて欲しいところがあるか聞いてみた。すると、

「あんまり元の姿からは変えて欲しくないけど・・・。あ、できれば背を高くして欲しいかな。ワルドーとまではいかないけどせめてイニティウムよりは高くなりたい!」

とラークから頼まれたが、手伝ってくれていたティムから

「今からでは背を伸ばすのは無理だ。今からでも変更可能なのはボディとアイレンズのカラーにフェイスパーツくらいだ。 あと、なぜ俺より高くなりたいんだ?」

と却下されてしまった。


確かにバランスが変わってしまうし、ほぼできているボディ部分を作り変える必要が出てくるので大きく背を伸ばすのは今からだとかなり難しい。ただ少し程度なら人間でもおなじみのシークレットブーツ的なあれで背を伸ばすことはできるので、バランサーを少し調整して足裏部分に厚めのゴムを仕込む方向で調整をすることになった。まぁ、それでもティムより高くなることはないのでラークは残念そうにしていた。


ちなみにティムも聞いていたがラークが背を伸ばしたい理由は

「僕、第一世代の中で一番背が低いんだよね。僕より後に造られた他の世代も僕より背が高い連中多くてさ、なんか嫌なんだよね、背が低いの。」

とのことらしい。


そんなに嫌なのかと思わずつぶやいてしまったら聞こえていたらしく、

「君って、あれでしょ?女性の中では背が高い方じゃん。そんな君には僕の気持ちなんてわかんないさ、どうせ」

と拗ねられてしまった。これまたロボットらしくないというか妙に人間じみているというか今の時代に造られたロボットには考えられないくらい感情回路が発達しているんだなぁと感心する一方ちょっとむっときたので、残念ながらエスパーではないので他人の考えなんてわかりません、とラークに言い返しておいた。我ながら大人げないと思う。


その一部始終をみていたワルドーから

「こらラーク。そんなひねくれた言い方をするな。・・お前も、その、なんだ。確かに心は読めないだろうが相手がどのような考えを持つかは想像できるし、しても良いと思うぞ」

と、ごもっともな注意を受けてしまった。



今日分の修理を終えたあと、ラボに聞いてわかったことだが、ティムの兄弟たちはそれぞれ世代があるらしい。彼らを作った博士は一度に5体ずつ製作していたようで、5体ずつを1世代と分けて管理していたとか。

ティムも合わせると兄弟は50体いるみたいなので第1世代〜第10世代までいることになる。その全員の修理が待っていると思うと少し気が遠くなりそうだった。

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