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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
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xx18年 9月15日

9月15日

朝起きたら、ラークが目の前にいた。

「あ、起きた? 僕30分くらいここにいたんだけどさ、ちょっと警戒心薄すぎない?そんなので大丈夫なの?」

と朝一番に小言をいただいた。いや、一体何に警戒するのさ。確かに居候の身だけど・・・ あれ、そういえばここ私の屋敷なんだっけ? と寝起きの頭で考えていたら

「そういえばイニティウムが君に話があるって言ってたよ。ご飯食べ終わったら会いに行ってみてね」

と伝言を残して部屋から出て行った。


ご飯のあと、車庫にいたティムに会いにいくと

「昨日話したあの人間に連絡をしたらすぐに来てくれと頼まれた。準備ができたら向かうぞ」

と言われた。どうもあのロボットを修理できる人を探していた人物のことを言っているみたいだがどうやって連絡を取ったのか?そして準備ってなに?と疑問を持っているといつのまにか足元にいたラークに

「ほら、急ぎなよ。これから初仕事なんだからさ。 詳しいことは車の中でティムに聞きなよ」

と工具一式を渡された。初仕事とは一体何のことなのかさらに疑問を抱えたまま車に乗せられティムの運転で目的地へ向かった。

車の中でティムから目的地は下町の工場で、仕事内容は最近動けなくなった作業用ロボットの修理だと聞いた。随分いきなりだなぁと思ったままをいうと、

「実は随分前からあなたに会わせてくれと頼まれていてな。一方的に連絡先まで渡されていたんだ。ちなみに向こうには腕が素晴らしい修理屋と紹介しているからそのつもりでな」

と教えてもらった。 何を勝手なことをと文句を言っても笑ってはぐらかされた。


そんなこんなで目的地に着くと、大柄な中年男性が待っていた。挨拶と自己紹介を終わらせると男性から名刺をいただいた。

「はじめまして、ハシバといいます。えぇ、めいりさん、ですね。いやぁまさかイニティウムくんから聞いていた修理屋さんがあなたのような若い女性とは・・・ あ、失礼。てっきり修理屋と聞くとどうも男性のイメージがありまして」

と、こちらもどうリアクションを返して良いかわからない挨拶をされてしまった。コミュ力とやらがある人はこういう時どう返しているのかほんと教えてほしい。


互いの挨拶が済んだあと、早速と修理待ちのロボット所へ案内された。そこには大型で腕が動かなくなってしまったロボットが待機しており、周りの小型ロボットたちに支えられていた。

ハシバさん曰く

「こいつオヤカタっていうんです。うちの工場で100年近く働いてくれているうちの自慢のロボットなんです。それが最近いきなり腕が動かなくなってしまって。今までメンテナンスをお願いしていたところもわからないっていって修理してくれなかったんですよ」

とのことでずっとここで待機しているらしい。とりあえず腕を見てみたが、なんてことはなく細かいギアの歯が2、3箇所折れているだけだった。ただ古い型のギアなので手持ちのパーツがなく応急処置として折れた歯の部分に仮の歯をつけて、本格的な修理はパーツが揃ってからになった。腕が動かせるようになったロボットは嬉しそうに仕事に戻ろうとしていたので無理せず安静にしておくよう言い聞かせておいて工場を後にした。

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