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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
20/46

xx18年 9月14日

9月14日

昨日の会議でとんでもないことがわかったが、とりあえず出どころがわからないお金は使いたくないので手をつけず、真っ当な方法で稼ぐ方法を本日また改めて話し合った。


とりあえず昨日持って帰ってきた求人情報誌をみんなで確認してみたが、どの募集も全て人間向けで且つこの屋敷からは結構な距離がある職場ばかりだった。

お金を稼ぐのはとても大事なことだが、私たちの今の目標はラークを含めた残り48人の弟君たちの修理である。職場が遠いと修理する時間がその分減ってしまい目標達成が遠のくので求人情報誌は一旦おいておくことにした。


働きたいが近場でできれば短時間勤務という考えてみたら結構わがままな待遇を望んでしまっている。夢見すぎと言われても現実なんて見ている暇はない。100年以上前の超高性能なロボットたちと暮らして行くには色々常識とか現実から目をそらす必要だってあるはずだ、と言い訳が頭の中をぐるぐる回っていると

「そういえば、この前買い出しに行った時に機械の修理ができるところを探している人間を見かけたな」

とティムが発言。あ、そうなの?と思わず言ったが今の会議内容から何でその話になったのか私にはわからなかった。

「なぜ今その話をするんだ?」

と同じ考えを持ったんだろうワルドーが質問すると、

「実はその人間に聞かれたんだ。『君はどこで修理を受けているんだ?』とな。正直無視しても良かったが今後のご近所付き合いを円滑にするためにもうちのことを話した。うちには素晴らしい腕を持つロボット修理屋がいるとな」

となぜか胸を張って答えていた。


ワルドーとラークが驚く中、話しかけられているなら見かけたという表現は違うんじゃないかなぁとか、ロボットもご近所付き合いに気を使うんだとか、いつも間にか街の人と仲良くなっているあたりもしかして私以上にコミュ力ある?とか今思えばどうでも良い感想ばかり浮かんでいた。

そんなどうでもいい感想が浮かんでいる間に会議は進んでいたらしい。


「話をまとめるとさ、結構いるんだねロボットを修理してほしい人。その人たちをターゲットにした修理屋を始めたらいいと、そう言いたいんだねイニティウムは?」

とラークがまとめたところで我に帰った。周りは全員意義なしと答えてていたので私もつられてOKと言ってしまった。話が全然頭に入っていないので何がOKなのか自分にもさっぱりである。まぁ、彼らが問題なしと判断しているなら本当に問題ないだろう。


とりあえず、午前で会議は終了。ティムとラークは早速準備すると言って午後から出かけていき残った私たちはラークの本機の製作を続けた。

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