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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
19/46

xx18年 9月13日

9月13日

食材の買い出しに街までラークと出かけた。スペアボディは小型犬くらいの大きさなので買い物かごにラークを入れて車で向かったのだが、目ざといラークはせっかく隠していた「トマト禁止」の張り紙を見つけていた。

「なんで車の中にこんな張り紙があるのさ?」

と誰もが思うであろう疑問をぶつけられたので、もう素直にあのトマト事件をはなした。

「僕らみたいなロボットを直すくらいだからよっぽどバカか何かだと思っていたけど、さらにアホだったとはね」

と呆れられてしまった。


歩けば片道1時間の道も車を使えばすぐだった。行きつけのスーパーで食材を購入していたら前にティムと買い出しに来た時も出会ったお客さんから

「今日はあの白いロボットではないんですね? ペットロボですか?」

と聞かれた。確かに買い物かごに入れて連れて歩いてたらそう見えなくのないなぁと思う。まぁ、もちろん違うのでペットロボではなくて人型の小型ロボですよ、伝えておいた。間違えられた当の本人は少し怒ったように

「僕はペットじゃない。僕はペットじゃない!」

とお客さんがいなくなった後もブツブツ呟いていた。


帰り際に、スーパーに置いてあった求人情報誌を見つけたので少し中身をみていたら相変わらずかごの中にいるラークに

「どうしたの? まさか僕らに愛想つかして新しい仕事を探して出て行くつもり?」

とだいぶ皮肉ったことを言われた。実際つかすほどの愛想は元々私にはないと思うし、ティムとの約束もまだ果たしていないので当分は出ていけない。

とりあえずそろそろ金策しないと貯金がやばいと、情けないが事実をラークに伝えておいた。

するとラークはティムやワルドーにそのことを相談したか尋ねてきた。まだしていないと素直に答えると

「どうしてさぁ、そういう大事なことを後回しんするのさ。 ねぇ知ってる?社会人に必要なホウレンソウって。 え、知ってるの?知ってても出来てないなら同じことでしょ。 とにかく早く帰ってイニティウムたちに相談するよ。 あ、とりあえずそれは持って帰ってね」

と捲くし立てるように注意された。まさかロボットから社会人のホウレンソウを言われるとは思ってもなかったが言われていることは正論なので何も言い返せなかった。


屋敷に戻るとラークに引きずられながらティムのいる研究室まで連れていかれた。小型犬ぐらいの大きさだが流石ロボットだけあって何の苦もなさそうに私を引きずっていた。ただ引きずるのはやめてほしい。

とりあえず今いる5人(1人+3機+1システム)で金策についての対策会議を始めた。そしてとんでもない事実が判明した。どうも私が持ってきたあの手紙はこの屋敷の所有者の証でもあったらしい。ついでにこの屋敷の昔の持ち主が残したあと数年は研究に没頭できるくらいの財産も私のものらしい。

「だからアナタがここにオトズれたトキ、ワタシがキドウしたのですが、シらんかったのカ?」

とラボに言われたが、初耳でぽかんとしてしまった。

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