表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
18/46

xx18年 9月12日

9月12日

昨日1日のラークの様子をワルドーがレポートしてくれた。今までの機体と性能が違うのでぎこちないが動作の方は問題ないらしい。レポートを読んだあと、ずっと待機していたワルドーから大丈夫かと心配されたが一体何に対しての大丈夫なのだろうか?


とりあえずラークは本機が完成するまでスペアボディのままでいてもらうことになった。本人も

「なんで僕がこんな小さい能力も使えない体で過ごさないといけないのさ。 ・・・まぁ、普段入れないようなところに行けるのは悪くないけどさ」

と満更でもない様子だ。

とは言っても昨日起動したばかりなのでラークはワルドーに見てもらい、私はラボとティムと一緒にラークの本機の製作を進めた。


「昨日のラークの発言はショックだったか?」

黙々と作業していたらティムの方からそう話しかけてきた。おそらくあの発言だがとぼけて何のこと?と聞いた。ティムが、それならいい、を会話を終わらせてくれることを期待したがそうもいかず

「俺たちが世界征服用ロボットだという発言だ。あの後から貴方に元気がない」

と、言われてしまった。ティムにも心配されるくらいなのでおそらく元気がないのだろうが私には自覚はなかった。


「我々は博士の野望である世界征服のために造られた。それは事実だ。もし、貴方がそれを望むなら俺は従う。 だが・・・」

途切れ途切れの会話の中でふとティムが呟いた。私自身誓ってそんなものを目指すつもりはない。

ただ、ティムの言葉の続きが気になったので一旦否定せずに続きを促した。

ティムは少し考えた後、覚悟を決めたように作業中の手を止めてこちらへ向き直して

「だが、もし聞き入れてくれるなら・・・ 弟たちは巻き込まないでくれ。 あの子達は、どうか!」

と頭を下げてきた。


思わずビックリしてしばらく固まってしまったが、その間もティムはずっと頭を下げていた。

巻き込むな、ということはおそらく世界征服に利用するなということだろう。そもそもそんなことするつもりもそしてさせるつもりもない。それを素直に伝えたらティムは頭を少し上げて、本当か?と尋ねてきた。なぜそこまで疑われるのだろうか?本当だ、と伝えてもティムは今まで戦闘用として世界征服に使われたからなのかイマイチ納得が言っていないようだった。


とりあえずここにも書いておくが、私は世界征服なんて興味はないししたいとも思わない。そして私が修理したロボットたちにそんな危ないことをさせもしない。もしそんなことをしようものなら修理した者の責任としてそのロボットの心臓とも脳とも言えるコアと私の手で破壊する。

と伝えておいた。

それを聞いたティムは驚いた後、少し笑いながら

「それは、なんとも頼もしいな」

と呟いていた。 そのあとは今まで2人でラークの修理に集中。スペアボディのラークがごはんだよと呼びに来るまで作業を続けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ