xx18年 9月10日
9月10日
父さんから電話があった。
「今どこにいるんだ?」
と、単刀直入に聞かれてしまい返事に困ったのでとりあえず知り合いの家で居候しながらそこでアルバイトしていると答えておいた。まだなにか言いたそうだったので、仕事が忙しいと無理やり電話を切ったが後が怖い。主にワルドーのおかげでボロボロだった屋敷はだいぶ綺麗に修繕されたので住むところは今のところ困ってはいない。ご飯も今の所は問題なし。
ただ、ほんとにそろそろ金策が必要だ。
金策のことは置いておいて。
昨日無事パーツが揃ったので、ワルドーには適当な理由をつけて研究室に入らないようにお願いしスペアボディを完成させた。一から組み上げたのでちゃんと動いてくれるかどうか心配だ。製作もラボがいなければ全然できなかったと思う。ひょっとしたらこの前のお店で知り合った博士以上にロボットの知識を蓄えているかもしれない。そのラボからは
「アナタもショシンシャとはオモえないテギワのヨさですヨ」
と褒められたが、AIにもお世辞を言うことができるんだなと褒められたことよりそっちの方へ関心がいってしまった。
スペアボディの方はラボに最終確認を頼み、私は本機の方の製作を進めた。とりあえず前作った設計図通りに作ってはいるが、機能の中には一体何に使うんだと言いたくなるものも含まれている。あまり考えたくなかったがティムたちの話やラボのデータから考えて見るとひょっとしたら?と思ってしまうところがある。詳しいことは確定してから書くなら書く。不確定のまま人を疑うのはよくない。きっとロボット対しても同じだろう。
夕方ごろラボの最終確認が終わった。特に問題はないとのことなので早速コアを取りつけてスペアボディの充電を開始。フル充電になるまでは起動しないよう設定しているので問題なければ明日の朝起動できるはずである。
後のことはラボに任せ、私は晩ごはんを食べにキッチンへ向かった。
キッチンにはすでにティムとワルドーが待っていた。ご飯はすでに出来上がっていたが、私が出てくるまで待っていてくれたらしい。作ってもらっておいてあれだが、できてたなら呼んでくれればいいのに、と思わず言ってしまうと
「何があっても出てくるまで研究室に入るなと言われていたのでな。」
とワルドーが拗ねてしまった。あとからティムに聞くとどうも今朝のお願いのことでずっと拗ねていたらしい。
入るなとはお願いしたが呼ぶなとは言ってないので通信なり外から声を掛けるなりすればいいのにとは思ったが口には出さず、待たせたお詫びとご飯のお礼を言って3人で食べ始めた。
食事中、2人に明日は研究室で手伝って欲しいと伝えた。
ラークのスペアボディお披露目だが喜んでくれるだろうか?




