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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
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xx18年 9月7日

9月7日

今日は集中して作業したいからとワルドーには研究室に入らないように頼み込み、とりあえずコアの確認ができれば良いのでラークの本機に備わっている特殊機能はつけない方向にシフトチェンジしてラボと2人でスペアボディの製作を急ピッチで進めた。

これなら基本的な機能だけで良いのでだいぶ早めに用意できそうだ。


休憩中、ラボにお願いしていたあのメモリーチップの解析結果を聞いてみた。

「メモリーチップからオンセイデータをミつけました。しかし、ナンドサイセイしてもリカイデキません。ノイズがかかるのですがサイセイしますか?」

と言われたので再生してもらうと、ラボがいうようなノイズは私には聞こえずおそらく英語で喋る男性の声が入っていた。ただ何を喋っているのかはさっぱりわからず、翻訳という新たな課題が出てきただけだった。

しかし、多分英語だと私は聞いていて思ったがラボにはノイズがかかりそもそもザーっとしか聞き取れないというのは初めて聞く現象だ。ラボに不具合があるのかもしれないとも思って確認下がシステムオールグリーン、要するになんの問題もなし状態だった。


とりあえず、今のところは本人?も問題ないと言っているので休憩を終え作業を続けた。

途中で昼ごはんを食べにキッチンで向かうとやたら嬉しそうなティムと小さいが駆動音が激しいワルドーが並んで食器を洗っていた。

いつも料理を用意してくれているし2人揃っているので、いつもご飯ありがとう、というとなぜかティムから

「いや、むしろこちらこそありがとう!」

と力強くお礼を言われた。一体なんのお礼なのかさっぱりだったので、何かしたっけ?と尋ねたらワルドーがティムを遮って

「いつも弟たちを修理してくれているからな! その礼だ!!」

と普段聞かないような大声で教えてくれた。


ワルドーが無事起動した時のようなはしゃぎっぷりのティムに驚きながらも用意してくれた昼ごはんを食べ、いつもは自分でしている皿洗いも、今日は俺がやっておくからとティムがこちらの返事も待たずに変わってくれた。


ワルドーにティムが上機嫌な理由をきいてみたが

「頼むから、今は聞かないでくれ・・・」

と恥ずかしそう言われた。なにがそんなに恥ずかしいのだろうか?それに今はってことは後で教えてくれるんだろうか?と疑問を持ちながら作業に戻った。

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