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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
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xx18年 9月6日

9月6日

昨日のティムの助言?通り今日も特に用事がなければワルドーはずっと私のそばに居た。

おかげでやっぱりスペアボディの製作はほとんど進まなかった。


設計図があるとはいえ、いちから機体を作るのは初めてなのでラークの本体を作るのにかなり苦戦している。ずっとそばにいるならとワルドーにも組み立てを手伝ってもらっているが当初の予定よりだいぶ完成が遅くなりそうだ。

これは早めにスペアボディを完成させてコアの確認を急いだほうがいいかもしれない。


作業中、ワルドーに今修理しているラークがどんなロボットか聞いた。修理するロボットの情報もわからないのかと言われたが、探索型で情報収拾メインなのはちゃんと修理する前に知っているから性格とか好きなものとかを教えてと頼んだ。

正直、断られる覚悟で聞いてみたが

「ラークは、そうだな・・・。少しひねくれている、と思う。だが単に寂しがり屋なだけで、きつい物言いを気にしなければ可愛いところもあるぞ。」

と割とすんなりおしえてくれた。


その後もぽつりぽつりと、ラークが好きなものは忍者で他の兄弟とよく忍者ごっこをしていたとか、兄弟で一番かくれんぼが得意だったとか、兄弟に隠れてポエムを書いていたというそれは言わない方がいいんじゃないかという情報まで教えてくれた。

ラークのことを話しているワルドーはどことなく楽しそうで、仲が良いんだね、と言うと

「俺の次に造られたのがラークだからな。あいつの面倒は大体俺がみていたよ」

と教えてくれた。


それならティムとは? と尋ねたら

「・・・イニティウムは、あれだ。 いざと言う時は一番頼りになるな、長男だけあって。いざと言う時は・・・」

とどこか引っかかる言い方をしていた。ただ、普段を見ていたらワルドーがティムを信頼しているのは明らかなので、そっかとだけ返しておいた。


しばらく作業を続けていると今度はワルドーの方から

「そういえば、お前には兄弟はいないのか?」

と尋ねられた。残念ながら私は一人っ子だったので兄弟はいないと正直に答えておいた。ついでにティムのこと兄さんとかお兄ちゃんとか兄上とかって呼ばないの?と聞いたらこの地域では兄弟のことは名前で呼んでいて、今、兄とか姉とかとそう呼ぶのは東洋の文化を共通語が取り入れたからと教えてくれた。

今共通語喋っているんだし兄さんって呼んでみたら、と言うとピタッと動きを止め、ギギギと本当に音を立てながら

「イニティウムにそう頼まれたのか?」

と尋ねてきた。全くそんな事実はないので違うと正直に言ったがどうも信じてもらえていないようだった。

2019.1.7 ラークの名称を修正。

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