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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
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xx18年 9月5日

9月5日

なぜか修理は終わっているのにワルドーが私の側から離れようとしない。本人にまだ不具合が残っているか聞いても問題ないとしか返ってこない。研究室の中までついてくるので今日はスペアボディの製作がほとんど進まなかった。


ワルドーが集める予定のパーツは全て揃ったとのことなので屋敷にいるのは構わないのだがずっとそばに居られるのはどうも落ち着かない。暇だからついてくるのかなと考えたが現状ワルドーにお願いすることは何もない状態だった。

それとなくそばに居なくていいよといってもどうも伝わらず困っていたら、今日もパーツ集めに出ていたティムが帰ってきたとラボが教えてくれたので彼に通信を入れて助けを求めた。


数分後、買ったパーツを持ってティムが現れた。

「頼まれたパーツを持ってきた。 あぁ、済まないがワルドー。俺は彼女にパーツの説明をしなければならないから代わりにこれを買ってきてくれ。」

と、メモ書きを渡し離れる口実をつくってくれた。

それでも最初は渋っていたワルドーだったが

「ここは屋敷の中だし、俺がそばにいる。問題はない。それともお前が代わりに説明してくれるか?」

のティムの一言で渋々といった感じで出かけていった。


ワルドーが屋敷を出たのをラボが確認した後、ティムに助かったとお礼をいうと

「あまり邪険にしないでやってくれ。あいつは護衛用として造られたから護衛対象の貴方が自分の知らないところで怪我をしたことが許せなかったんだ。だからこそ今日は貴方の側から離れずに護衛しようと考えた。 ・・・まぁ、昨日貴方を襲ったのはトマトで怪我もなかったがな」

とワルドーの行動の説明をしてくれた。ついでになんとなくトマトはしばらくネタにされるなと察した。


とにかくしばらくは護衛ロボットの性から私の側から離れないだろうから勘弁してやってくれと頼まれ、俺は別の研究室の片付けをすると言ってティムは部屋から出て行った。

一連のやりとりを聞いていたラボが

「さすがレンバンだけあってイニティウムはワルドーのコトをよくワかっているのォ」

とジジくさい言葉使いで彼らが兄弟の中で一番長く一緒にいたと教えてくれた。ちなみにティムが一番最初に造られた処女作で次に造られたのがワルドーらしく、ティムが言っていた残り48人の兄弟と合わせ50人兄弟の長男と次男だそうだ。


さすがこの屋敷兼研究所の管理システムだけあって詳しいね、とラボに言うとなぜかびっくりしたように

「え? あ、そ、そうでしょウ。カレらのデータでワからないコトがあればおモウしツけクダさい」

と言ってくれた。なんで焦る必要があったんだろうか?

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