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ヴィランたちの後日譚「所長の日記」  作者: 名利 杏樹
xx18年 9月分
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xx18年 9月4日

9月4日

本日もティムとワルドーはパーツ集めで不在だった。私もラボとスペアボディの製作を続けた。

そろそろ私の貯金が尽きそうになってきたので金策が必要そうだ。うん、どうしよう。


お昼の3時ごろ、

「ずっと、サギョウしています。キュウケイしたらどうじャ?」

とラボが提案してきたのでこの前直した車で街へ出かけた。出かける前にキッチンで残りの食材を確認したら野菜がほとんどなかったのでスーパーで葉物野菜と安売りしていたトマトを買って帰った。


帰りに車の中で運転しながらトマトを食べたせいか汁が散って服を汚してしまったので車を降りて急いで屋敷の中に戻ったら玄関でちょうど帰ってきたワルドーと鉢合わせた。

「ん? 出かけていたの、か・・・って何があった!!?」

と買ってきたと思われるパーツを投げ捨てて私にかけよってきた。たしかワルドーは精密部品の担当だったはずなので投げるのはやめた方がいいと思う、と考えていたら背中を支えられしてもない怪我の確認をされた。

「襲われたのか? まさか、あいつらに?」

あいつらって誰だ?と聞こうとしたがそれより勘違いして介抱してくれているワルドーを止めることが先と落ち着くように言った。そしたら今度は

「無理をして喋るな! これだけ血が出ているんだぞ。」

と逆に静止された。いや、血じゃないです、トマトです。と言ってもどうも信じてもらえていないようだった。


そんなやりとりを続けていると

「何をしているんだ、お前たちは?」

と不思議そうにマスクをしまいながらティムが話しかけてきた。ちょうど帰ってきたらしい彼にワルドーは私が怪我をしたと伝え、私は いや、トマトだってば と訂正を入れた。

ありがたいことにティムは私のトマトで汚れたシャツを見ても冷静で

「大丈夫だ、ワルドー。血の匂いはしないし、顔色も悪くなっていない。お前が取り乱すな」

とワルドーを説得してくれた。


とりあえずワルドーたちに服が汚れた経緯、

運転しながら買ったトマトを食べる → 車が大きく揺れる → 思わずトマトを持っていた手に力が入る → トマトを握り潰す → 汁が服に飛び散る

を説明。ティムには呆れられ、ワルドーには紛らわしいことをするな!を説教された。


「ところでお前は匂いで気づかなかったのか?」

と説教が終わったあと、ティムがワルドーに確認を入れた。すると先ほどまで修羅のようだったワルドーが急におとなしくなった。明らかに様子がおかしくなったのでその場で色々聞いてみるとどうも嗅覚センサーが機能していないことが判明。

今度は私が、不具合あるなら出た時に言わんかい!とワルドーを説教することになった。そしてそのまま着替えもせずワルドーの修理に入った。修理自体は30分程度で終了したが、ティム含め他に不具合がないか調べるのに夜までかかってしまった。とりあえず他に不具合はなかった。

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