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恩恵


「神々と精霊王の祝福は終わった皆おめでとう!晴れて今から君たちは勇者のの“卵“だ」


今祭壇には法王の代わりに歴戦の戦士と分かる頬に傷のある男性が立っていた。


「それでは今から早速だが恩恵を確認してほしい。皆には悪いがあまりゆっくりしている時間はないからな」


恩恵の確認なんだそれは、どうするんだんだ俺は慌てて周りを見る。

皆手を胸に当てて瞑想している。

俺は訳が分からず祭壇の男を見ると目が合った。


ヤバイよく見るとかなり厳つくて怖そうな人だった。


「皆恩恵の確認の仕方は昨日座学で教えたが“一部“教えてなかったな。スマン!」


ちょっと待て座学ってなんだ!一部ってなんだ!間違いなく俺の事だよな!

えっ!俺がつくまでに皆教習済みなの。

ただでさえ補欠中の補欠の俺なのに更に俺だけ聞いてないの、うわっこれ完全ハミゴじゃん。マジで帰らせて欲しい


「私の自己紹介もまだの者がいたな私はアウトランド王国のレッドブル大佐だ。今回の魔王討伐作戦の指揮を任されている。君達は軍属ではないが、これからは共に戦う戦友だ。よろしく頼む」


俺を見ながら白い歯を光らせて笑う。

爽やかな笑顔なのだがライオンに微笑まれた錯覚をする。


ーやっぱり俺だけ初めてなのね


「では、話を戻す。恩恵だが、これは祝福を受けた勇者のみが受けることができる力だ。その恩恵を受けた力があるから勇者は悪しき魔王を倒す事ができる。残念ながら私の方では確認できない。皆でやり方は自由だ自分なりのやり方で力を知りたい!と願ってくれ」


“力を知りたい“それを思うだけで恩恵がわかるのか?

俺だけでなかったら、どうしようと思いながら強く俺の強さが知りたいと願う。


頭の中に文字が浮かぶ


俺は慌てて周りを見る

他なみんなも変化が合ったのか驚いてる人や笑ってる人中には泣いてる人もいる。皆それなりに面識あるのか喜びを分かち合ってる人もいる。


皆の声が聞こえる


ズゴイ俺ライトニング使えるぜ!


私回復魔法覚えたよ、


僕今まで土魔法使えなかったのに使える様になった


えっ!みんなそんなお手軽に強くなるの

俺は急いで先ほど浮かんだ文字を意識する。

文字な読めないが何故か意識すると意味は分かる。


レベル1 タナカ ハジメ

攻撃力10

守備力8

魔法ライト フラッシュ サーチ


えっ、これだけなのライト、フラッシュは最初から使えた。ライトは明かりをつける魔法で光魔法を使える人は必ず持っている魔法である。次にフラッシュは閃光を出す魔法でどちらも戦闘に使える魔法じゃない。それなのに後はサーチだけ?どう見ても戦闘に使えそうにない。

しかもレベル1どう見ても弱そうである。

ゲームなら最初の町の雑魚を倒すのに苦労するレベルで魔王なんか倒そうものなら何年かかるやら、とりあえず使ってみるか


隣にいた金髪の少し目尻が下がった柔和そうな男に向かって心の中でサーチを唱えてみた


レベル7 カガミ・レオ

攻撃力33

守備力28


へっ俺は変な声が出た。


「どうしたの?いい能力でも貰った?」


カガミ・レオと表示が出た男が話掛けてきた。


「ごめん、急で驚いて変な声出たよ」


俺は慌てて謝る


「そうだよね、僕も驚いたよ。あっ自己紹介するね名前はカガミ・レオ。よろしくね」

そう言って手を差し出してくる。

その動作が自然で嫌味がない

俺も慌てて握手する。

正直挨拶で握手するのは初めてで緊張しながら握手して名前を名乗る。


やはりサーチの魔法は名前と強さが分かる魔法だと分かった。だが、これでどう戦えと?いや、何よりレベルが同じスタートじゃない事に驚いた。


ざっと周りの人にサーチをする

皆レベル低くても5高い人なら13の人もいる、どう見ても俺が一番低い、いや低いとかの次元ではなくレベル1って最低レベルじゃん

どうしよう恥ずかしい。

活躍とか考えてないけど一目で強さが皆から丸見えって晒しもんじゃん

今までも注目浴びてるのに更に数字で分かる明確な差

何度も言うけど本当帰りたい


「レオさん、どんな恩恵受けられたんですか?」


俺は卑屈な気分になりレベルの高い相手であるレオにさんを自然につけてしまう。

多分今の俺なら同級生の友達ですら“さん“づけしてしまいそうである。


「レオでいいよ。僕はハジメと呼ぶね」


爽やかである。


こんな格下である俺なんかと対等に話してくれる良い人である

俺はかなり卑屈になっていた。


「僕はレベルが7で覚えたのは光、火、水属性の中級魔法かな。ハジメはなにを覚えたの?」


「俺は自分のレベルが分かっただけで別に何も覚えなくて逆に驚いてさ、しかもレベル1」



俺は正直に答えた。

どーせ調べられたらすぐ分かるので隠しても仕方ない。サーチの魔法は自分のレベルが分かる恩恵なのだから皆持っているだうし


「そうなんだ。でも残念がることはないよ。ハジメは皆と違って教習受けてないからね。それで遅れたかもしれないよ」


その言葉に俺は希望を覚えた

レオ君良いやつである。戦闘に行ったらレオの後ろに隠れよう


「でもレベルって皆違うんだね、相手のレベル分かると便利なんだけどね、そこまでは親切じゃないか」


「えっレオ俺のレベルわからないの?」


「う〜ん残念だけどハジメ相手に知りたいと念じても出ないかな」


どうやらサーチの魔法は全員に使える魔法じゃないみたいだ。

よかった。

これで晒し者にならなくて済んだ。

問題はこの魔法で戦えないことであるが問題ない最初から戦え気はない。

この魔法で強い敵からは逃げれば良い

そして勝てる敵と戦い誰かが魔王を倒すのを待つのだ。

俺は初めてこの戦いに希望を持つことが出来た


逃げる前提だが


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