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強制入部、副部長以外変態確定

 色々な部活を見学したがそろそろ胃が痛くなってきた。運動部はマネージャー扱いされるし、その他の部活だと子供扱い。演劇部と美術部に至っては強制的に脱がされそうになった。うん、トラウマになりそう。あんなフリフリの服とかもう見たくない

 でも料理研究部は楽しそうだった。調味料を少し分けてもらえたし、明日から暫くは色々試してみよう


[マスター・セツナは大人気ですね、主に腐女子の方々に。弟ポジション的とは流石です]

「うるさいポンコツ」

「せっちゃんは格好良いから」

[女性的にですが]

「何度も言うが僕は普通(ノーマル)だ」


 それゆり次の部活を気にして欲しい。今までで一番怪しさ抜群だ。名前からして意味不明、内容は理解不可能、部員は3人で人数足りない=新入部員が喉から手が出る程欲しいはず

 その部活の名前は〔個性部〕。活動内容はノリと娯楽と暇潰し、そして日常に大量のスパイス(タバスコ)を。偉大なる部長2年生神前片那(かんざき かたな)、副部長2年生神前沙耶(かんざき さや)、部員一号3年生音無真理亜(おとなし まりあ)


 ───ツッコミ所が多すぎる! 活動内容カオス過ぎるし、そこはほんの少しにしとけよ、というかタバスコ!? しかも2年生部長で3年生部員はまだいい。気にしないし、……だけど偉大なると一号は余分だよね!? 必要性皆無だよね!?


「せっちゃん着いたよ」

「……やっぱり入るのか?」

「うん」


 即答された。絶対何も考えてないなと一人ため息。よし、この考えなしの為に骨折ってやりますか


「すいません。部活動を見が」

「死ねドM女!」

「ははは! この程度で当たると思うな!」


 扉を開けた瞬間、いきなりカッターが飛んできた。幸い身長が低かったので当たらなかったが、平均的な身長があれば確実に胸辺りに刺さってた


「ふ、2人共落ち着いて! お客さんが着てるから!」

「追い返せ! 今は目の前のドMを全殺しにする方が優先だ!」

「片那、たかがイカサマの一度や二度笑って流さなければダメだぞ?」

「15回も目を瞑ったからな!」


 この会話中も何度もコンパス、机、模造刀、椅子、トンファー、ハサミ、etc(などなど)……様々な物が飛んでくる。咄嗟にコンパスを避け、机を掴み、模造刀を机で防ぎ、椅子をシロに破壊させ、トンファーを盾にハサミ防がなければ死んでた。うん、絶対に死んでた


[自分達の世界に入ってますね]

「せっちゃん大丈夫?」

「……」

「せっちゃん?」


 咲樹を無視して部屋の中に飛び込む。飛んでくる物は弾いたり受け流したりして回避。そしてさっきから華麗に避け続ける女性の背中目掛けて


「マジで死……ん?」

「どうし、──ぐばはっ!?」


 肘鉄を食らわせた。前方ばかりに注意していたせいで踏ん張れず、そのままフローリングに叩きつけられた女は口から艶やかな悲鳴をあげる。それを無視して女の頭を全力全開、殺意に近い怒りを持って踏みつけると徐々に動きが鈍くなり始めた


「あぎ、ありがどうございまずうぅぅ……」


 沈黙したのを確認してようやく一息。これでもう物は飛んでこないだろうと額の汗を拭う


「…………」

「……えっと?」

「……何なんだいったい?」

[踏みつけながら何度も捻りを加えるとは。流石マスター・セツナ。ドSというか鬼畜です]


 

 ◆ ◆ ◆


「なんだ、部活見学に来たのか」

「……今すぐ帰りたいですけどね」

「気持ちは分かります」


 僕の肩に手を置いて仕切りに頷く少女は副部長の沙耶先輩だ。僕と身長があまり変わらない彼女は普段から苦労しているんだろう


「楽しいそうだよせっちゃん?」

「……ポンコツ迷惑メイドにパス」

[鬼畜ナノサイズマスターにトス]

「ドM先輩にアタック」

[気絶してるので返答不可能な様です]

「というのが俺の意見だから」

「せっちゃんってS-01Fと仲良いよね」


 おかしいな。今の会話の何処に仲良し指定される要素があった?


「ところで、君達はこの部に何をしにきた?」


 不意に危険人物こと偉大なる(失笑)部長様が訪ねてきた。何を、……付き添いかな?


「ではまず都築君から頼む」

「沢山物を作りたいです!」

「可愛いから合格。次はS-01Fちゃん」

[とりあえず侍女として働こうかと]

「夜の奉仕も頼む。では如月」

「ただの付き添」

「合格。では各自楽しむように」

「待てええぇぇ!?」


 今俺の台詞だけ封殺されたよね!? というか他の2人も合格理由おかしい! というかシロは合格とすら言われてないし、言葉の意味も訳が分からないぞ!?


「俺は入部しないから! 入部するのこの2人だけだから!」

「ええい! 往生際の悪い奴だな! 私が合格と言ったら強制入部だ! 異議は認めない!」

「ふざけんな!」

「ふざけていない! 純粋にロリショタ男の娘ハーレム要員を増やしたいだけだ!」

「予想してたより遥かに最低な返答でビックリだよ!? あと俺は普通(ノーマル)だ!」


 というかそのハーレムは色々と終わってるだろ!? あとロリとショタはともかく男の娘ってなんだ!?


「説明しよう。男の娘とは女の子にしか見えない男の子の事だ。容姿的には女性だが性別と心は正真正銘の男な子。男子校では大人気間違いなし、貞操の危機も間違いなし! というか女装させた時の恥じらいっぷりは女の子には出せな」

「言わんでいい! 聞いてない! 心を読むな!」

「ちなみに、我が学校の美術部では毎年文化祭の日に薄い本が販売されるので欲しい方は予約しておこう。じゃないと5分で無くなるぞ? 内容は毎年違うのでお楽しみに!」

[ほう! それは興味深い]

「……誰か、俺の言葉を真剣に聞いてください」

「ごめんね、こんな部長で」


 その後、気が付いたら入部させられていた。自分の鞄の中に入っている入部届を破り捨てた僕は悪くない……料理研究部入りたかったな




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