峯山ジュニア(4)
コーチが4箇所に分かれて立つ。
その前に、俺たちは列を作って待っている。
中村監督は、舞台の上にあがり、全体を見渡している。
斉藤くんとコースケとは同じ列に並ぶことになった。
すぐにコーチたちが打ち込み始めた。
いきなり、強烈なボールだ!
じっと見とれているうちに、
すぐに自分の順番が回ってくる。
一発目は、問題なく返球することが出来た。
どうも、レシーブは苦手だ。
レシーブをしたら、すぐに列の後ろに戻らないと、どんどん順番が回ってくるので、休む暇はない。
5球、10球とやるうちに、どこからともなく怒声が飛び交うようになっている。
いろんな列でミスがで始めたようだ。
俺の前にいる斉藤くんもミスしてボールを弾いてしまった。
その瞬間、コーチがボールを斉藤くんに思いっきり投げつけ、すごい剣幕で怒られている。
その間、流れは止まっている。
俺は、斉藤くんには悪いが、少し休めるので助かった。
レシーブ練習が終わる頃には、全員がハアハアと肩で息をしている。
こいつは、かなりハードな練習になる。
その後、顔を真っ赤にした斉藤くんが、アタックと叫ぶと、また列が崩れ違う塊になった。
俺は、どこに並べば良いのか分からずにいると、コーチの1人が
「大地は、こっちで打て」
と指差した。
そこには、身長の高い集団が列をなして並んでいる。
コースケは、ネットの向こう側のエンドライン上に立っている。
恐らく、アタッカー以外はボール拾いだろう。
さっきと違い列は2つになった。
レフト側からと、ライト側だ。
俺は、指示されたライト側に並んだ。