日向の当たらぬ地下深く
私には、日向は似合わない。
ならば地下に潜ろう。
少女はこう考えてしまった。しかし、現実世界では、いろいろなあれこれで無理だ。ならば、VR世界だ。変な少女は、にっこり笑ってVR筐体を手に取った。
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柳千景は、日陰の人だ。肌が弱く、日焼け止めは手放せない。癖でどうしても日陰を探してしまうそんな少女だ。外にも出ずに本ばっかり読んでいる彼女がいじめられるのは当然だった。
中学3年生で引きこもりに転じ、これじゃだめだと高校デビューに賭けたものの、入学式で撃沈。勇気を振り絞り、高校には入学式から三ヶ月通ったもののやる気を無くした。
そこそこ頭は良かったから、全国トップレベルの学校に入学でき、やったテストは学年1位。模擬試験でも全国二桁を叩き出した。
頭脳を買われ、不登校となっても、学校が、夏休みなどの長期休みの登校、模擬試験全国三桁、学校のテストの学年一桁、東大合格を条件に在学を許可した。
余った時間を各種コンクール等に使用して、いろいろ賞を貰い、学校の名誉にも貢献したので、出席日数ギリギリでも許された。
学校の生徒からは幻の人とか呼ばれている。ガチで見たことがない生徒の方が多い。
そんな彼女は、常日頃から地面に潜りたいと思っていた。地下は太陽光もないし、落ち着く。太陽嫌いを拗ねらせた彼女は、変な願望を抱くようになった。いろいろあって現実世界では無理だ。ならば、新発売のVRゲーム「future world」に手を出すのは必然のことだった。