‐ 第34話 ‐ 地下三階の恐怖、再び
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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。
水族館で一日はしゃげば早く眠るだろうと思ったら、凱は興奮が収まらず眠らなかった。
土産屋で買ってやった図鑑を開いてはよく喋った。
デックスは部屋を出たところで一人晩酌をしている。良いご身分だと思ったが、三人の中で一番疲れているのはデックスだろうと思い、口出ししなかった。だから今だけは、俺が責任をもって凱を見ていなければならない。が、睡魔がそこまでやってきていた。凱が寝ないことにはこちらも眠れない。
凱はデックスがいないのをいいことに、普段デックスが眠っている簡易式ベッドの上で飛び跳ねていた。
「それ簡易式だから、あんまりやると壊れるぞ」
――バキッ――
舌の根も乾かぬうちに壊れた。
凱は派手に転び頭を打った。擦りむいた足の皮膚は直ぐに再生する。
「いってぇ~……」
再生はしても、痛みは普通の人間と同じように感じるのだろう。暫くの間痛がっていた。これは自業自得だ。
取り敢えず、デックスが戻ってくる前にベッドを何とかしなければならない。また何か嫌味を云われてしまう。
軸が折れたような嫌な音がしたものの、直すことができないか、一旦ベッドを横に立てて見てみた。すると、ベッドの下に床下収納ユニットのような扉を見つけた。何故こんな場所に……。
気になって外してみると、人一人が匍匐前進で進めるほどの隠し通路があった。そういえばRMSに来た時に、ケイトが地下は直しているところがあると云っていた気がする。いざとなったらここから逃げられるように作られたのだろうか……。
凱が興味を持つ前に、そっと扉を戻した。
―― パァン! ――
部屋のすぐ外から銃声が聞こえた。
俺も凱も突然の大きな音に体がびくりと跳ねた。誰が発砲したのだ。デックスか? 何故……。
工場での乱射悲劇が脳裏を過る。
恐る恐るドアに耳をあて、外の音を聞く。何もないことを祈ったが、その思いとは反対に一つの足音が近づいてきた。
デックス……は、こんな足音だったか? 違う……?
俺はケイトに渡された銃を強く握りしめた。デックスでなければ誰だ。まさか大鳳教か?
幸いにも覚悟とは逆に、足音は走って何処かへ行ってしまった。
何かあったに違いない。外にいたデックスは無事だろうか……。
心配になり、RMSから支給された腕時計でデックスに電話を掛けるが、デックスは出てくれない。
追い込むように、次は天井から大きな物音がした。……建物が、破壊されている。部屋がガタガタと軋み出す。
外には発砲した奴がいるかもしれない。それなら……。
俺の選択肢は一つだけ。正面から戦うよりも、未知の通路を進むことだった。




