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第31話:カイナの薬草採集講座?

 水場に到着した太一たちが見たものは、透明度の高い湖と、太一たち以外の新人冒険者たちの姿だった。


「とてもきれいな湖ですね」

「それに、冒険者が多いな!」

「僕たち以外にも、新人冒険者っていたんですね」

「若い子にはありがちだけど、冒険に夢を見ているんだろうねー。でもまあ、いろいろな職業を経験するっていうのは大事なことだから、まずはやってみようって子もいると思うわ」


 冒険者を続けるか否かは個人の判断であり、経験は大事だとカイナは語った。


「ユウトやコウタは分からないけど、タイチは商人になった方がいいかなって私は思うし、みんなもやりたいことが別で見つかったら転職してもいいんだからね」


 今の太一たちからすると転職は特に考えていないものの、カイナからすれば冒険に夢を持っている者でなければ大変な職業だと考えている。

 特に太一が計算を得意としていることを知っているので、転職を進めるのも仕方がないことかもしれない。


「まあ、そこはおいおいかな」

「だよなー」

「今は薬草採集について教えてください!」

「そう? それじゃあまずはラディナの森で採集できる薬草を説明しようかな!」


 最後は公太の言葉を受けて、カイナによる薬草講座が始まった。


「ここでは下級ポーションの素材になる薬草が採れるの。その中でもポピュラーなものがこれ、スイナ草ね」


 そう言って見せてくれたのは、四葉のクローバーが手のひらサイズになったような青々とした葉っぱだった。


「これがスイナ草なんですか?」

「そうよー」

「……でもこれ、そこら中に生えてないか?」

「だよね。僕もそれ、見た気がするんだけど」

「うふふー、そうなんだー! ここはスイナ草の群生地ってわけ!」


 スイナ草は湖の周りに多く生えている薬草であり、繁殖力も強いとされている。

 湖の周りに目を向けると、勇人が口にした通り所狭しとスイナ草が生えている。

 この場で大量に採集したとしても、一ヶ月もすれば今の状態に戻ると聞いて、太一たちは首を傾げた。


「でも、根っこから採っちゃったらもう生えないんじゃないの?」

「だよなぁ。ってことは、根っこは残して採るってことか?」

「その辺はどうなんですか、カイナさん?」

「……ん? いや、さあ?」

「「「……さあ?」」」


 まさかの『さあ?』発言に太一たちは唖然としてしまう。


「いや、だって、私は普通にボンッて抜いて終わりだったからさぁ」

「それじゃあ、カイナさんは誰に薬草採集を教えてもらったんですか?」

「……独学」

「えぇっ!? それじゃあなんで薬草採集の依頼を受けたんだよ!」

「だって! 私は最初魔獣狩りをやろうって言ったじゃん!」

「だったら薬草採集になった時点で断ってくださいよ!」

「私から声を掛けたんだから、断われないじゃないのよ~!」

「「「ダメだこりゃ!」」」


 カイナの言葉に頭を抱えてしまった太一たちだったが、そこへ救世主が現れた。


「あら? タイチ君たちじゃないの?」


 聞き覚えのある声に振り返ると、そこには見覚えのある青髪の女性が立っていた。


「「「「み、ミリーさん!」」」」

「あら? カイナもいるのね、いったいどうしたの?」

「実は――」


 そこでカイナがラディナの森にいる経緯を説明すると、ミリーははっきりとこう告げた。


「全部カイナが悪いわ」

「ですよねー! うわーん! 助けてください、ミリーさーん!」


 自分でも分かっていたのだろう、カイナは言い訳することもなく、ミリーに助けを求めた。


「カイナを助けるのはどうでもいいんだけど」

「どうでもいいんですか!?」

「タイチ君たちが間違った知識を持ってしまうのは勿体ないし、助けた私たちの責任にもなっちゃうからね、今回は三人のために助けてあげるわ」

「……ま、間違った知識って」

「あら、私が間違っているとでも?」

「いいえ! 私が間違った知識を与えないためにもよろしくお願いします!!」


 太一たちもBランク冒険者であるミリーならきちんとした知識を持っているだろうと思い、ホッと胸を撫で下ろした。


「ごめんね、三人とも」

「むしろ、俺たちの方こそお手を煩わせちゃってすみません」

「これくらいしっかりとしたやり取りがカイナにもできたらねぇ」

「うわーん! タイチの方が私より礼儀正しいなんて~!」

「いや、これくらい普通だよな?」

「そうだよね、目上の人相手だもんね」

「うわーん! ユウトとコウタを私をいじめる~!」


 何やら騒いでいるカイナは放っておき、太一たちは結局ミリーに薬草採集を教えてもらうことになった。

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