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第11話:買い物に出掛けよう

「それじゃあまずは――必要なものを買いに行きましょうか!」

「「「……はい?」」」


 冒険者登録を済ませたあと、クレアからまさかの提案をされて太一たちは驚きの声を漏らす。


「まずはこの世界での洋服を何着か買って、冒険者として必要になりそうな装備の必要よね。それに――」

「ちょっと待ってください、クレアさん!」

「俺たちこっちにきたばかりで!」

「お、お金がありません!」


 日本のお金は多少なり持っているが、こちらの世界のお金は当然ながら持っていない。いきなり買い物と言われても、持ち合わせがないのだからどうしようもないと太一たちは口にする。


「安心してちょうだい。今回の買い物のお金は冒険者ギルドから出るからね」

「……ぎ、ギルドから?」

「そうよ。冒険者ギルドが保護するのだから、それくらい当然だわ」


 当然と言われても納得しがたい太一たちは、顔を見合わせて困惑してしまう。


「まあ、タダより怖いものはないって言葉もあるくらいだし、心配になるのは当然か」

「あっ! えっと、そういうわけでは……」

「ううん、いいのよ。でも、これはタダってわけじゃないんだよ」

「えっ? そうなのか?」

「うん。これから依頼をこなしていく中で、ちゃんと返してもらうんだから」

「そうなんだ。だったらまだ、安心かも?」

「そうそう。だから今は甘えなさい! というか、甘えなきゃ何も買えないでしょう?」

「「「……仰る通りです」」」


 太一、勇人、公太がそれぞれ疑問の声を漏らすも、最終的には甘えるしかない立場であることを指摘され、三人はクレアと共に冒険者ギルドをあとにする。


「でもクレアさん、仕事中だったのにいいんですか?」

「引継ぎも済ませてきたし問題ないわ。それに、これも立派な仕事ですもの」

「ありがとうございます!」

「僕たちだけだと、お金があってもどうしようもなかったもんね」


 公太がホッとしたように呟くと、太一と勇人は何度も頷いた。

 そんな彼らに笑みを向けながら、クレアは最初の目的地へ案内する。


「まずはここね!」


 案内されたのは洋服が売られているお店で、店内に入るとそこには大小さまざまな洋服が並べられている。


「いらっしゃい! おや、クレアじゃないか」

「お久しぶりです、おじさん。今日はこの子たちに洋服を選んでほしいんです」

「ほほう? 迷い人の子供たちかい?」


 迷い人が常識だというのが分かる会話を耳にして、太一たちは驚きを隠せない。


「……迷い人って、本当に普通に現れるものなんだな」

「……もしかして、俺たちも迷い人と出会うことってあるんじゃねぇか?」

「……そうかもしれないね」


 三人が話をしている間にも、クレアは店主と一緒になって彼らの洋服を選んでおり、あっという間に何着かの洋服を運んできてしまった。


「それじゃあみんな、試着してみようか!」

「サイズが合えばどれでもいいですよ?」

「確かになぁ」

「ぼ、僕は大きいサイズだったら構わないかな」

「ダーメ! せっかく経費で買うんだから、体に合ったものを買わなきゃね!」


 経費という部分を強調したようにも聞こえたが、自分たちのお金でないことを思い出した太一たちは、そのお金を無駄にするわけにはいかないと思い試着することにした。ただ――


「うんうん、よく似合ってるね!」

「あ、ありがとうございます」

「うわー! かっこいいよ!」

「そ、そうかぁ?」

「大きすぎず、小さすぎず、いいと思うわ!」

「はは、ははは……」


 何故かクレアのテンションが高くなり、まるで着せ替え人形のようになってしまった太一たちは、洋服の購入が終わると疲労困憊になっていた。


「……これ、次は俺たちだけで、来ような?」

「……そ、そうだな。じゃないと、またこんな思い、したくねぇよ」

「……僕、疲れちゃった」


 購入した洋服に着替えた太一たちは、お店の外で待つように言われ立ち話をしていると、クレアが手ぶらで外に出てきた。


「あれ? クレアさん、洋服は?」

「えっ? 買ったわよ?」

「でも、手ぶらじゃねえ?」

「僕、怪力スキルだから持っていきますよ?」

「あぁ、大丈夫よ。魔法鞄を持っているから、そっちに入れているの」


 ディーたちも持っていた魔法鞄と聞いて、太一たちは納得顔を浮かべた。


「魔法鞄って珍しくないんですか?」

「高価なものではあるけど、珍しくはないかな。魔法鞄は冒険者だけじゃなく、ほとんどの人の必需品みたいなところがあるからね」

「へぇ、そうなんですね」


 太一が読んできたラノベでは貴重品であることが多かった魔法鞄が珍しくないと聞き、驚きの声を漏らす。


「なんだったら冒険者ギルドから貸し出しもしているし、必要だと思ったら声を掛けてちょうだいね」

「か、貸し出しですか?」

「壊したらヤバくねぇか?」

「だよね? 弁償とか、できそうもないよ?」

「うふふ、必要だと思ったらでいいわ。それに、その時にはちゃんと規約も確認してもらうからね」


 規約と聞いて、これは壊したら弁償必至だと伝わり、太一たちは苦笑いを浮かべることしかできなかった。


「それじゃあ次は……あぁ、あったわ、あのお店よ」


 話しながら歩いていたからか、次の目的地にはすぐに到着した。だが、そこは太一たちが予想していた場所とは異なるお店だった。

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