表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/135

第22話 ランク昇格

 初めての人間との戦闘を終え、少し興奮している。

 思っているよりも結構楽しめた。

 特にジルドとの戦いは気持ちよかった。

 まさか、光の剣を操り、再度攻撃してくるとは思わなかった。

 接近戦も、ジルドのスピードが思ったより早く、見てなかったら防御にまわっていたかもしてない。

 大鎌で防御するのを練習しないといけないな。

 防御するには側面で相手の剣を弾く必要がある。

 持っている部分を短く持ち直し……

 

「ソラさん、お疲れ様です。一つ伺いたいのですがいいですか?」

「ん?あー、ジルドさんお疲れ様です。いいですよ」


 戦闘のことを振り返っているとジルドから話しかけられた。


「もしも僕と本気で戦ったらどれくらいで終わりますか?」

 

 どれぐらいで終わりますかか……


「んー、難しい質問だね。たぶん、気づいたら死んでいると思う」

「……そうですか。思ったより手加減してくれたみたいですね」

「手加減はしてないつもりだけど、殺さないように頑張ったよ」


 影魔法はここでは使えない。知られるわけにはいかないからな。

 おそらく、影魔法を使えば気づかせずに一瞬で殺せるだろう。

 影からでて、霧を纏った大鎌で切り裂く。

 表世界に出た瞬間に察知して避けられる人間はおそらくいないだろう。

 避けられる人がいたとしても、初見の影魔法を攻略するのはもはや、人間の域を超えている気がする。


「でも、ジルドさんとの戦闘は楽しかったよ。今回初めて人と戦ったんだ。いい経験になったよ」

「初めて?稽古などは?」

「人間を相手にしたことはないな。この大鎌を手にしたのも最近だし」

「それは……末恐ろしいですね」

「そういえば、金髪が発動した光の剣の制御を奪って、操作したのはどういうカラクリなの?」

「カラクリというほどではないのですが、ただ、ホーリーレイの魔法を私が使えるため、光の粒子を剣に変えることができただけです。ゼロからの発動と、再構築ではスピードが違いますからね」

「なるほど。ふたりとも光魔法が使えるのか」

「少し違いますが、そんなものだと思っておいてください」

「含みのある言い方だな。まあ、いいか。元気でね」

「はい。ソラさんもお元気で」


 ジルドさんは俺に礼をし、立ち去っていく。

 護衛対象の金髪をボコボコにしてしまったが、従者の人達は大丈夫だろうか。

 まあ、悪いのはすべて金髪なんだけど、貴族の思考はわからんからな。

 処罰されないことを祈ろう。

 もし処罰されたら、交通事故にでもあったと思ってあきらめてくれ。

 交通事故にあった本人からのブラックジョークだ。

 


 俺とテトも闘技場をあとにし、金を受け取りに受付にいく。


「お、エレナさんが受付にいる」

「ソラさんお待ちしていました」


 エレナさんに連れられ、奥の部屋へと移動する。


「まず初めに伝えなければいけないことは、今回の決闘についてですね。正直やりすぎです。テトちゃんたちを殺そうと提案したのは、私たちも聞いていますので、私たちから厳重注意をいたします。ですので、闇討ちなど行わないようにお願いします。」

「わかっているよ、何かしてこない限り俺から手を出すことはないよ」

「続いては、エルク・エルドレート様の家である公爵家のことですが、今回の決闘は相手側からのものであり、ギルド監修のもとで行われたので、公に苦情をだしてくることはないと思います。ですが、公ではない手段で嫌がらせをしてくる可能性がありますので、お気をつけてください」

「めんどくさいな」

「貴族とはそういうものです。しかも、それが公爵家であればなおさらです。一八歳の公爵家の者が十歳の平民の子供に決闘挑み惨敗する。そしてその内容がなぶり辱められるというあり得ないケースなので、相当公爵家の反感を買ったと自覚してください」

「まぁー、うちの子たちに敵意を向けてくるなら、こっちで対処するよ」

「本当に自覚していますか?……もういいです。では魔物の素材の代金を支払いますね」


 エレナさんにあきれられた気がする。

 ごめんけど、そのスタンスは変えるつもりないよ。

 エレナさんは机の上に三つの袋を置く。


「詳細は必要ですか?」

「いや、いらない。わかんないし」

「わかりました。今回の合計額は一億八千万になります。一つの袋に六千万、金貨六十枚ずつはいっていますので確認してください」


 一応確認し影収納に入れる。


「それと今回の決闘でBランクに昇格です」

「あれ?Bランク?どうゆうこと?」

「Cランクの試験は現役のBランクの人との試験です。今回、相手方はDランクのパーティで相手としては不足していますが、あらかじめ、Aランクの方に試験監督として決闘を審査していただいておりました。その結果、合格だと判断されたのでCランクに昇格となりました」

「うん。それはわかった。で、なんでBなの?」

「Aランクパーティーの複数が、自分たちより強い相手を審査する必要がない。とのことで依頼達成数などで問題がなければ、試験免除であげていいだろうという結論を出しました」

「なるほど」

「それに加え、ソロAランクであるギルドマスターが合格と判断したため昇格しました」

「通常のBランク試験は何なの?」

「戦闘試験ですね。Aランクパーティー二組が合格と判断する。かつ支部を問わず、ギルドマスター一名が合格と判断すれば昇格となります」

「戦闘ばっかりだな。ちなみにAランクになるには?」

「三つの支部のギルドマスターの推薦証が必要ですね」

「推薦してもらえばいいのか」

「はい、そうなります。ですが、依頼達成数、失敗率、人柄、貴族との関わり方など総合的に判断し、推薦するかどうかお決めになるので、支部によって基準はまちまちです」

「なるほどね。まあ、急いでないし。なりたくなったら目指すよ」

「それでいいと思います。ソラ様は特に早すぎますので。それに十歳なのですからもっと他にも興味を持ってもいいと思いますよ」

「そうだね。ありがとうエレナさん」


 そう言って俺とテトはギルドを出る。  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ