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山麓に潜む怪異  作者: エバーフレッシュ
1/4

1日目

私たちは、旅行に来ている。場所は川と湖の隣接する大きなコテージに1週間ほど滞在する予定だ。モチベーションは上々、キャンピングカーにはもとより戻る気はない。今回の旅行は、外界の情報を断ち、其々の協力によって成功させることを一番の念頭に置いている。必要ならば食料調達もやぶさかではない。

 「木竹!いつまでそこにいるんだ、早く入って来いよ!今から場所取りだ!」

 「ああ、今行く。」

高ぶる感情を抑えるように素っ気ない返事をかましてコテージに入った。

 「悪い、遅くなった。まずは、自己紹介からだ。美濃と芹北見は初対面だろ」

 「おう!じゃあ、俺から美濃だ!よろしく高校は木竹と同じ、今は建設業に携わってる重労働は任せてくれ!」

「うん!私は芹北見!せりってよんでね」


初対面のわりに2人とも上手く話せている。1つ不安が解消された。明日から樹海の散策もあるため、全体の協力体制は盤石でなくては危険が伴う。ここからは、新しいことの連続だろう。みんなこの環境に上手く適応できるだろうか、もちろん私もその例外ではない。

「おい、そろそろ昼だ、釣りにでも行くか」

 「だな、みんな!2手に分かれて食事の準備をはじめるぞ!」

 「木竹、いつになくテンションが高いじゃねーか!岬芝、お前もエンジンかけねーと遅れっと!」

 「馬鹿言え、そんな調子で最後まで持つのか?今回の旅行は長いんだ。すぐに追いつくよお前らこそ後半ガス欠ってのは勘弁してくれよ!」

一理ある。初日の勢いがあるのはいいが、後半の行事に覇気がなければ最高の旅行ではない。私は今回の旅行を全員に楽しんでもらいたいと思っている。その為には、自らが楽しむだけでは足りない。ただ旅行はもう始まっている。その先を言う必要は、、、



初日にして大漁だ。ここまで釣れるとは思っていなかった。

 「そろそろ帰るか。」

 「こんなに釣りが上手くいくとは思わなかったなー」

 「何があってこんなに魚が集まったんだ?」

会話もほどほどにコテージについた。

   「ごはーーん」

飯が炊けたみたいだ。タイミングはかなりいい。


 「あー、かなりうまかった」

 「ええ、そっちの釣りも上手くいったみたいね。」

 「だが釜萢!てめーのうどんはどこぞのスーパーで買った安もんだな!」

 「そういうなよ、園滝と芹北見だって大したことしてないんだ」

 「部屋の掃除をしたのは私たちじゃない。それにカレーもご飯も」

「そうだよ!私たちかなり頑張ったんだから」

 「ま、まあ。そんなことよりこのコテージ、ワンランク上なんだそれぞれ一人ずつ部屋があることに加え、キッチン、天裏、和室、吹き抜けもあるんだ」

 「そりゃすげーな!見にいくか!」


 「各自、部屋に荷物をまとめたな!」

 「これは、まずいな」

 「え?」

 「この旅行が終わるころには各部屋メイクの差が出るぞ。」

 「怖いなー 神妙な空気ださないでよ。」

 「一つ空き部屋がある。とりあえずそこをゴミ置き場にするか。」

 「あったっけ?」

 「ゴミ捨て場なら外にあったよ。」

 「そうか、じゃあ空き部屋の利用方法はまた考えるか。」

 「だなー」

そうしているうちに、とうに日は落ち、夜が更けた。まず一日目だ。カーテンもなしに外の景色を淡く照らす。内側から見れば、光源のごとし芝生も遠近感のつかない木々、流れが見えそうな星空もすべて同調しているように見える。しかし、外側から見れば、このコテージは異質なものかもしれない。夜になって気づいたのなら、昼になんの違和感も感じなかったなら、、、この旅の行方を案じ床についた。


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