6話なんだろう、背中が……
大変お待たせしました!
本当に遅くなって申し訳ないです。
「……う!……ア坊!」
耳元で誰かの声が聞こえるが、まだ寝ていたいので聞かなかったことにして、2度寝しよう。
「ついたぞシア坊! ダメだ、全然起きねぇ。よし、誰か棍棒もってこい!」
「おっおおおお起きました! おはようございます!」
背中にびっしょりと冷や汗をかきながら、馬車の中で正座をし、カイルさんに挨拶をする。
「ようやく起きやがったか。相当疲れてたみてぇだな。」
「そうみたいです。申し訳ない。」
「いや、いいんだ。それより、そのドラゴンなんだが、まずは冒険者ギルドで使い魔登録してもらうんだが、構わねぇか?」
カイルさんが確認をしてくる。そう言うってことは、なにかデメリットがあるのだろうか。
「登録すること自体は大丈夫ですが、なにかあるんですか?」
「いや、登録するのに金がいるんだ。」
まぁ、当然だろう。冒険者登録するのにも金がいるんだ。その相棒となる魔物にももちろんお金入るだろう。
「大体どれくらいの料金なんですか?」
「銅貨5枚ってところだな。ゴブリン一体で銀貨1枚、銅貨5枚だからな。」
それなら心配はいらないだろう。
「良かったな、スーリ、これでお前も正式に僕の仲間だ。」
「キュイ!」
僕の言葉を理解したのか、僕の膝の上で羽を広げて嬉しそうに鳴いていた。
*****
「さて、とりあえず冒険者ギルドに行こうか。カイルさん、ここまでありがとうございました!」
「あぁ、気にすんなって。あと、さっきも言ったが、敬語で話すなよ?」
「あっ……」
完全に忘れていた。とは言っても、カイルさんの見た目が見た目だから敬語抜きで話すとかやりにくいんだよね。
「それじゃ。またな、シア坊」
「あ、あぁ、それじゃあまた。」
何とか敬語を使わずに挨拶は出来た。いっその事、話し方を変えてみよう。一人称も僕より、俺の方がいいよな。
「ギルドはこっちだよな。行くぞ、スーリ。」
「キュ〜」
街を歩いていると、スーリが珍しいのか、街の人がこっちをマジマジと見つめてくる。
城から追い出されたこともあって、あまり目立ちたくないのだが、仕方がないだろう。いくら幼竜とは言えども、スーリはドラゴンだ。カイルさんがあそこまでびっくりしていたくらいだ、街の人が見つめてくるのは、どうしようもないだろう。
でもまぁ、目立つよなぁ。
*****
街の人達に見つめられながら歩くこと5分、ギルドに到着した。
ギルドでも相変わらず目立つ。というか、冒険者の何人かは自分の武器を手に取り、警戒していた。
「すまん、こいつの使い魔登録をしたいんだが、大丈夫か?」
ギルドの一番近くのカウンターにいた人に話しかける。
「………」
なぜだろうか、反応がない。これはあのセリフを言うしかないのだろうか。
「返事がないただのしかばねのようだ。」
「生きていますよ!勝手に殺さないでください!」
良かった、生きていたみたいだ。
「あっ、申し訳ありません!それで、ご要件は?」
「こいつの使い魔登録をお願いしたい。」
どうやらスーリに驚きすぎて聞こえていなかったらしい。
「キュイ?」
もっとも、スーリはなぜ驚かれているのか分かってないみたいだが。
「ギルドカードはお持ちですか?」
「ん?あぁ、持ってるぞ。」
そう言ってポケットからギルドカードを出す。
実は、ギルドに登録した時に受付のおばさんに渡されていた。
冒険者には、ランクが存在する。Fから始まり、Sまである。実際はSSSがあるらしいが、今いる冒険者の中にSSSは居ないらしい。
「登録料として、銅貨5枚いただきますが、よろしいでしょうか?」
「あぁ、それなんだが、さっきゴブリンを討伐してきたんでな、それを換金して払おうと思っている。」
そう言いながら、ポーチからゴブリンの耳を5つ取り出し、カウンターに並べる。
「ゴブリンの耳5つですね。銀貨7枚と、銅貨5枚になります。ここから、登録料を引いて、銀貨7枚ですね。」
「ちょっと待ってくれ、今日、ギルドから装備を借りたんだが。」
「その事でしたら、ギルド長からシア様に差し上げると言われておりますので、料金は結構です。」
なんと、まさかのギルドから無料で装備を貰ってしまった。まぁ、装備を買う金が浮いたので、いいことだろう。今度ギルド長にあったら礼を言っておこう。
「それでは、使い魔の証として、使い魔の…」
「あぁ、こいつはスーリだ。」
「それでは、スーリ様には使い魔の首輪をして頂きます。」
そう言って受付嬢は綺麗な細工を施された金の首輪を渡してきた。
「サイズ、大丈夫か?これ。」
「その事でしたら、使い魔の大きさによって首輪の大きさが変わりますので問題ないですよ。」
受付嬢が教えてくれた。
試しにスーリに着けてみる。
「キュイィ!」
うん。喜んでいるようだ。嬉しそうに頬ずりをしてきた。
スーリは白いからな、金が良く似合う。
「さてと、そろそろ宿を探さないとな。」
「それでしたら、ギルドを出て右の路地の奥にある、『カラスの宿』をお使いください。少し古いですが、安くていい宿ですよ!」
ギルドの受付はおすすめの宿も教えてくれるのか。
「ありがとう。そこにするよ。」
それじゃ、今日は疲れたし、さっさと寝ますか。
*****
今日、冒険者達が仕事を終えてギルドで酒を飲んでいる時間に16歳くらいの男の子が来た。
口調はぶっきらぼうだったが、他の冒険者と違って丁寧で、感謝をしてくれた。あと、何より見た目がタイプだった。
「ねぇ、サーリン、どうしたの?さっきから考え事して。もしかして、さっきの男の子のこと考えてる?」
そう言って仕事仲間であり、幼馴染のマリナは顔を覗き込んできた。
「ふぇ?いやいや、まさかそんなわけないじゃない。」
「えー。でも顔が赤いわよ?まぁ仕方がないわよねぇ。彼、イケメンだったしねぇ。」
「そ、そんなんじゃないってば!」
マリナから離れつつ仕事をしようとするが、なぜだろう、仕事が進まない。
*****
「ハクショイ! なんだろ。風邪か?」
「キュ?」