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異世界転移で幸せになりたい〜幸運スキルで思うがまま〜  作者: 舞衣
1章 ルーブルス王国編
5/6

第5話 冒険者になれた日

大変長らくお待たせしました!

ようやく、ようやく書き終えることが出来ました!

投稿間隔が開きすぎて、僕自身前話の内容を忘れているレベルでしたが、なんとか頑張りました。

「と、言うわけで僕は今平原に来ています!」


1人ではしゃいでみたが、隣に誰もいないどころか、平原にさえ誰もいないので、かなり虚しい。


「·····はぁ…。とりあえず、ゴブリン探すか。確か、あそこの森の中にいるんだっけ?」


この世界の地理について少し説明しておこうと思う。


まず、この世界はふたつの大陸に別れている。北大陸と南大陸だ。

北大陸の東側に、ルーブルス王国。北側に、シナンテ王国、西側にヤマーサ和国、南側にナルナ帝国、中央に、アダナル神聖国。他にも小国はあるが、大きい国はこの5つとなる。

南大陸は魔人領となっており、人族が踏み入ったことは無いと言う。

今回の依頼で向かうのは、ルーブルス王国の北西にある、【ルーブルス平原】の先の、シナンテ王国との国境付近にある、【ガサゴの森】となっている。

この森には、ゴブリン系、ウルフ系の比較的弱い部類の魔物が湧くらしい。

ちなみに、平原にはスライムしか湧かない。


「森、遠いな。まぁのんびり歩きますかね。幸い、スライムもいないし。これなら襲われる心配もないからね。」


「おーい!兄ちゃん!」

「·····ん?」

「そこの若い兄ちゃんだよ!」


声のする方を振り向くと、髭を生やしたスキンヘッドのいかにも盗ぞ·····冒険者っていうような見た目をした男にに声をかけられていた。


「どうかしましたか?」

「いやな、兄ちゃん。お前、入口から歩いてきてんだろ?」


スキンヘッドの冒険者はそんなことを聞いてきた。

当たり前のことをなぜ聞いてくるのか疑問に思いながら、質問に答える。


「えぇ、歩いてガサゴの森まで向かう途中です。」

「大変だろ?ここら辺にゃスライムしかいねぇし。馬車に乗った方が楽だろう。」

「·····え?」


今この人馬車って言ったよね。馬車があるなんて聞いてないんだけど。


「馬車、あるんですか?」

「なんだお前さん。知らなかったのか?ギルドに言えば馬車を貸し出してくれるぜ?」

「そ、そうだったんですか……。」


少し落ち込むが、早い段階で教えて貰えたとポジティブに考え、前を向く。


「わざわざありがとうございます!今からギルドに借りに行きます!」

「いや、いいんだ。それよりも、今から戻るのも手間だし、ここで知り合ったのも何かの縁だ。俺の馬車に乗ってけ。」

「え?いいんですか?」


スキンヘッドさんの一言に困惑してしまう。


「あぁ、俺もガサゴの森に行くからな。ちょうどいいだろ。」

「ありがとうございます!」

「同じ冒険者どうし、助け合わねぇとな!」


この人、めっちゃいい人やん。最初見た時に、盗賊とか思ってしまってごめんなさい。


「そうだ、まだ名前を言ってなかったな、俺はカイルってんだ。よろしくな!」

「あ、シアです!よろしくお願いします!」

「それとよ、敬語は使わねぇほうがいい。他の冒険者に舐められる。あと、パーティを組む時、敬語を使ってると自分のパーティの親玉がバレちまうからな。」

「なるほど·····わかり·····わかった。」


その後もカイルさんに冒険者のことについて教えて貰いながら、ガサゴの森へ馬を走らせた。

カイルさん曰く、冒険者に上下関係は基本無いらしい。ランク制度はあるが、あくまでも強さを示すものなので、ランクが上の相手に指示されても、拒否してもいいらしい。ただ、緊急依頼時はランクが上の人の指示に従うようだ。

ちなみに、ランクはE〜SSSまであるらしい。

E〜Cまでが、下位冒険者、B〜SSSが上位冒険者と言う認識だ。

とは言っても、ほとんどの冒険者がCか、Bランクらしい。Aランク冒険者はほとんど居ない。Sランクの冒険者はこの世界に5人、それそれ以上は居ないらしい。

カイルさんに教えられたことを頭の中でまとめていると、馬車の揺れが止まった。どうやら、ガサゴの森に到着したようだ。


「シア坊、着いたぜ。」


カイルさんから呼ばれたので扉を開け、外を見てみると、高さが10m以上はありそうな木が目に入る。


「うわぁ。たっか。」


驚きすぎて語彙力のない感想を言ってしまった。


「ははは、ここに来たやつは皆そうやって言うんだ。何だこの木、高すぎだろってな。」

「そりゃあそう言いますよ。外見たらいきなり高い木があるんですもん。」


おっと。木に圧倒されてる場合じゃない。そろそろ討伐していかないと宿代を稼げなくなる。


「カイルさん、本当にありがとうございました!」

「おう!帰りはそこの建物で馬車を借りれるからな!あと、例え弱い魔物だろうと、絶対に油断はするなよ。」


カイルさんが、しっかりと注意をしてくれる。本当にいい人だなぁ。


「はい!それじゃ、行ってきます!」


そう言って僕は森の中へ入る。


────────────────────────────────────────


「さて、ゴブリンはどこかなぁ……。」


森に入った僕は、草が踏まれて出来た道をまっすぐ進んでいた。


──ガサガサッ!


森を歩いて10分程した所で目の前の草が不自然に揺れた。


「おわっ!ようやく魔物のお出ましかな?」


──ガサガサッ!ガサガサッ!


「キュイ〜」

「·····へ?」


草から出てきたのは白い小さなドラゴンだった。しかも、なぜか攻撃を仕掛けてくる気配がない。


「キュ〜、キュ〜ウ」

「いやいやいや。なんでこの森にドラゴンなんているんだ?この森ってゴブリン系とウルフ系しか居ないはずだろ?」


目の前の白いドラゴンは僕のことを見つめている。めっちゃかわいい。お持ち帰りしてなでたい。


「いやダメだ、落ち着け僕。とりあえずこの場を離れよう。そうしよう。」


そのまま僕は森の奥へ進む。

ドラゴンは悲しそうな、寂しそうな表情をしていたが、気にしないことにする。


「はぁ。心が痛いなぁ。次会った時は連れて帰るか。」


──ガサガサッ!


ドラゴンのことを考えていると目の前の草が揺れ、ゴブリンが現れる。魔物が現れる時は草が揺れるのがお決まりなのだろうか?


「ギギャギャギャア!」

「わぁ。なんかほんとにゴブリンって見た目してるな。」


色は少し暗い緑で、左手に棍棒を持ち、醜い顔を、獲物が来たと言わんばかりに醜く歪めた表情をしていた。左手に棍棒を持っているから左利きなのだろうか?


「さてと、頑張るか!」


その瞬間、ゴブリンが走り出してくる。それに対し右に避け、左手をゴブリンの腹の位置に構え、思い切り突き出す。ゴブリンは咄嗟に止まろうとするが、勢いよく走っていたため、急に止まることが出来ず、腹に拳をめり込ませる。拳全体にあまり気持ちがいいとは言えない感触が広がるが、気にせずに右手に持った短剣を振り抜く。読まれていたのか、ゴブリンは身を屈め、短剣を避け、棍棒をめちゃくちゃに振り回す。


「さすがに今のステータスだと一撃食らうだけでも危ないよなぁ。」


そう言いながら、後ろに下がり、攻撃範囲から抜け出す。


「おらどうした雑魚ゴブ!一撃も当たってないぞ!」

「ギギャア!」


ついでに煽ってみたが、失敗だったかもしれない。さっきより動きが良くなってしまった。


「まぁこれを狩る方が楽しいよな!」


あれ?いつの間に僕は戦闘狂になってしまったんだろう。これ初戦闘なんだけど。


「ま、気にしてても仕方ないよね!実際異世界で戦うのって憧れてたし!」


僕はそのままゴブリンに突っ込む。ゴブリンも突っ込んでくるが、僕の方が速い。すれ違いざまに、ゴブリンの腹を短剣で切り払う。


「ギャアアアア!」


断末魔が人だよ!普通にギャアー!って言ってるよ!


「·····まぁ、なんとか討伐完了だね。初戦闘の割に上手く立ち回れたかな?」


そのままゴブリンの死体に近付き、討伐証明部位の耳を切り取る。


「うわぁ……、グロっ。こりゃグロ耐性ない子が見てたら吐くぞ。」


ゴブリンの耳を取り終えた僕は、さらに進む。

途中、ゴブリンにも5体ほど遭遇したが、どれも一体ずつだったので難なく勝利した。


「さて、そろそろ暗くなるし帰るか。」


そう思い、後ろを振り向くと、ガサガサと草が揺れる。

また魔物かと思い、剣を構える。


「キュッ!」


出てきたのは森の入口付近で出会ったドラゴンだった。


「お前、ついてきてたのか?」

「キュウ」


言葉がわかるのか、鳴きながら頷くドラゴン。


「どうしようか、とりあえず、懐いてるみたいだし連れて帰るか?」


ドラゴンが仲間になりたそうにこちらを見ている!

まるでドラ○エだな。


「ただなぁ。僕テイム出来るスキルを持ってないぞ?」

「キュ?」

「ま、いいや。それは今後考えていこう。」


そして僕と、ドラゴンは森の入口に向かっていく。


────────────────────────────────────────


「馬車の貸し出し所まで来たんだけど、君、どうしよう。」

「キュ〜?」

「·····まぁいいや。僕の使い魔だって言ったらなんとかなるでしょ!」


ドラゴンの事は使い魔と言い張ることにして、貸し出し所のドアを開ける。


「おじゃましまーすって、カイルさん!?どうしてこんな所に!」


なんとそこに居たのは僕を森まで運んでくれたカイルさんだった。


「キュウ?」


そういや君はまだカイルさんと会ったこと無かったね。


「おう!シアぼ…う?な、なななな何でドラゴンがこんな所にいやがんだ!お前ら!討伐の準備だ!」


カイルさんはドラゴンを討伐しようと、周りの冒険者達を集める。


「ま、待ってください!この子は僕の使い魔なんです!」


僕は慌ててカイルさんを止める。


「·····は?」

「ですから、この子は僕が森で見つけて、そのまま連れてきたんですよ。」

「このドラゴンを?ガサゴの森でか?」


カイルさんと周りの冒険者達は唖然としていた。

本来、ガサゴの森にはゴブリン系、ウルフ系しか生息していないため、ドラゴンが見つかることはないのだが、その森の中に幼いとはいえ、ドラゴンが見つかったのだ。驚かない方がおかしいというものだろう。


「·····その、カイルさん。どうしてあなたがここに?」


僕はここに来てから疑問だったことを尋ねてみる。


「あ、あぁ、俺はバサラの街のギルド長をやってんだ。そんで、仕事を部下に任せっきりにする訳にもいかねぇから、こうして俺自ら馬を走らせてるって訳だ。」

「とか言いつつカイルさん、書類仕事は副ギルド長に任せっきりじゃねぇか!」

「うっせ!」


はははは!と建物内に冒険者達の笑い声が響く。

てか今カイルさんなんて言った?ギルド長?


「えぇぇぇえええ!!カ、カカカカカイルさん、ギルド長だったんですか?」

「あれ?言ってなかったか?」

「聞いてないですよ!」


してやったりと笑うカイルさんに少しムカッときた僕は、カイルさんのスネを軽く蹴る。


「いってっ!まぁ、許してくれや。」

「·····はぁ。分かりました。」


大きくため息を吐きながら、カイルさんの方を見る。


「あ、そうだ。カイルさん、この子なんですけど、馬車に入れても大丈夫ですか?」


僕の腕の中で丸くなっていたドラゴンを指しながら、カイルさんに尋ねてみる。


「そうだなぁ。危害を加えないなら問題ないな。」

「だ、そうだ。大丈夫だよな?」

「キュイ!」


ドラゴンは強く頷いてくれた。そろそろ名前決めなきゃ不便だよな。


「よし、名前を決めよう!」

「なんだ?まだ決めてなかったのか?」

「はい。すっかり忘れてました!」


さて、どうしようか。


▶スーリ

ハク

まさのり


おい最後!なんで日本ぽいんだよ!この子竜だから!翼あるし、ドラゴン○ールの○龍みたいな龍じゃないよ!


「んー。ハク、は在り来りだよな。よし、スーリにしよう!よろしくな!スーリ!」

「キュ!」


うん。スーリも気に入ってくれたようでよかった。


「スーリか、いい名前じゃねぇか。良かったな。」

「キュキュウ〜!」

「さてと、そろそろ馬車を出しますかね。」

「そうですね。お願いします!」


はぁ。ようやく帰れる。疲れたし、早く寝たいな。


「初戦闘、どうだった?」

「なんと言うか、すごい楽しかったです。疲れましたけど…。」

「そうか!楽しかったか!お前、さてはバトルジャンキーだな?」


カイルさんは笑いながら聞いてきた。そんなカイルさんに苦笑いしながら答える。


「かも、しれませんね。」

「初戦闘で楽しいなんて言うやつはバトルジャンキーくらいだ。お前さんにはその素質があるんだろうよ。」

「そんな素質いりませんよ!」


馬車に揺れながら、バサラの街へ向かう。

色々あったが、なんとか冒険者として生きていけそうだと思いながら、深い眠りについていた。

シア「( ˘ω˘ ) スヤァ…」

スーリ「( ˘ω˘ ) スヤァ…」

カイル「(´-ω-`)))コックリコックリ」


ようやく主人公を冒険させることが出来ました!

強敵はいつだそう?

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