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最後の夜
家に帰ると叔母さんがただならぬ雰囲気だった。
「優ちゃん、ちょっといい?」
叔母さんがリビングで呼んだ。私の両親は死んでいると聞かされている
なので小さい頃から親戚の家を転々としていた
「ごめんね…優ちゃん、この馬鹿がサラ金に手を出してね…借金が出来てるの…、優ちゃんに言うのもなんだけどこの家売ることにしたの。」
そこまで言われると叔母さんが私に何を言おうとしているかが分かった
[出て行ってくれ]
「…明日出ていきますね、早い方がいいでしょう」
「優ちゃん、実はね一応住み込みで働ける場所をピックアップしてるんだけど」
なるほど、その給料を自分らによこせというわけか
「大丈夫ですよ、私もう高校生ですし、おやすみなさい」
私は自分の部屋に戻り明日出ていく準備を始めた
「また、家失っちゃったな…」
私は独り言を呟いた
「えっと、スマホでしょ、お金に、着替えでしょ、………まあ、このくらいか」
私は荷物をまとめるとこの家での最後の夜を過ごした