轍 ~歩んできた道~
【看護師】になりたい!
そう思って看護学部を受験して、看護学生になって今まで必死に歩んできました。
ナイチンゲール誓書から始まった看護学生としてのキャンパスライフ。
病院実習に一喜一憂しました。
看護学生ということで、患者様のご家族に「免許も持たない学生にウチの子の処置する気なの?ベテラン看護師と交代しなさいよ!免許取ってから出直してこい」と言われたこともありました。
演習実習で挫折もありました。
居残りしてできるようになるまで練習したこともあります。泣きながら頑張ったことは今では恥ずかしい思い出のひとつ。
病院実習では、これでもか!というくらい辛いことも何度かありました。
何人もの担当患者様を看取りました。必修実習とは言え数日の間に4名の方を看取るのは心が折れそうでした。ご家族の方に「最期を菜須さんに担当してもらえて喜んでるとおもうわよ。ありがとう。立派な看護師になってね」と言ってくださった方もいました。
看護実習生を育ててくださる患者様、患者様のご家族の皆様、指導看護師の皆様。
先輩方の背中を見て、早く追い付きたい。先輩のようになりたい。そう思って必死に付いてきたそんな時間が懐かしく思えるようになっていました。
気づいたら最高学年になっていました。
就職活動、卒業論文、病院実習、看護師国家試験過去問題集の取り組み。
会社説明会に参加も始まりました。実際に自分の目で見て働きたいと思える病院を探す。
実際に、会社説明会に参加して病棟見学をして違和感を感じた病院。
会社説明会で病棟見学なのに、質問攻撃を受けた病院。即戦力を求めているのか?と思えるほどの質問内容に答えられた実習生、答えられなかった実習生様々でした。会社説明会とは思えない事もありました。これが社会に出るということなんだなぁ。と思いました。
まだまだ続く単位のかかる病院実習。4日後に迫った実習は未知な世界【在宅看護】。
ナースコールも無い。
延命も望まれていない。
住み慣れた自宅で最期を迎えたい。
学生の立場で行えることは数少ない。指導してくださる看護師さんについてしっかり学びたいと思います。
憧れだった【白衣の天使】が、手の届きそうな位置まで来ることができました。まだまだしなくてはいけないことがたくさんありますが、ひとつづつ乗り越えていきたいと思っています。
歩んできた道を振り返るとよつ葉の後ろには轍ができているのかな?
歩みを止めることなく、留まることなく前だけを向いて歩みを進めていきたい。
未来に出逢うであろう、よつ葉の担当患者様に「この人が担当で良かった」と思ってもらえるように今を頑張る。
後悔しないために……。