手記1
「地球、、泥の惑星という意味だな、、、まさかこんな綺麗なところがあるとは、、、」見慣れない生物はそう言葉を漏らした。
見ているのはグレードバリアリーフ、勿論その場にいるわけではない、見ているのは上空、宇宙空間からだった。それも、怪しげな宇宙船に乗って、、、周りには同じようなのが10数隻、地球を囲むように並んでいる。
見慣れない生物はさらに続けた、
「もうすぐ見れなくなるんだろうな、、、、」
数時間前、こんな会話が同じ場所を流れていた。
「総攻撃は予定を24時間遅らせる。」
「なぜです?向こうが降伏しないのですよ?」
「考えてみろ、地球人は勤勉だと聞く。彼らが我が星にとってどれほど重要だろう。」
「降伏するまで待つのですか?」
「24時間期限を延ばすだけだ。」
「しかし、、、」
「黙れ、もう決まったことだ。」
彼らは自分たちの惑星を戦争で破壊し、その修復のための奴隷や資源を探しに地球までたどり着いたのだ。
「どうせ24時間遅らせても結果は変わらないだろう。」
誰もがそう思っていた。すでに地球防衛軍の主要施設は破壊し、脱出しようとする者もことごとく破壊してきた自信からだった。
あと総攻撃まで24時間10分・・・
そんな時、船内に見慣れない生物が現れた。いや、金属で出来ているようで地球ではロボットと言われているものかもしれない。しかし、少なくともそれが地球防衛軍のものであることは間違いなかった。
そのロボットは密かに、しかし我々にも聞こえるようこうつぶやいた。
「ヴァルキリー、参上」
なぜだ、どこにも侵入した形跡がない、じゃあ瞬間移動?いや、そんな技術、ましてやこんな長距離移動できる技術が地球にあるとは思え。。。
そこで思考が途切れ、さっきまで眺めていた真っ暗な空間の中にいた。船はというと、粉々に砕けていたのだ。
周りの船も同じように砕けていく。とっさにロボット、ヴァルキリーと関連がついた。
奴が船を破壊している、そしてどこの惑星の生物も宇宙空間では生きていけない。
この瞬間、船を失った我々は地球に負けたのだと、、、
地球への総攻撃開始まで、残り23時間59秒のことだった。