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side.Syo…


お待たせしました



翔太さんサイドです



今回はすごく甘いと思います



楽しんでいただけると嬉しいです



「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛〜…」




「…何だあれ」

「見ての通り翔太だけど」

「いやそういうことじゃなくて」

「いや、だから夏音ちゃんとの初デートに悩む篠原翔太クン22歳だってば」

「そうなのか!?」

「そうそう♪つい最近付き合い始めたんだってさ」

「でもなんで悩むんだ?ちょくちょく二人で遊んでなかったか?」

「デートと遊ぶのは違うだろ〜♪」

「祐哉…ご機嫌だな」

「だって面白いじゃん♪」

「俺、祐哉だけにはぜってえ弱味とか握られたくねぇ…」

「俺も…」

「あ、大丈夫大丈夫。もう既に全員分の弱味握ってるから☆」

「「い゛!?」」

「にしてもうちの翔太クンはほんとヘタレだね、人一倍ステージ度胸はあるくせに」

「それは同感」

「右に同じく」

「夏音ちゃんに呆れられないといいけど☆」

「なんでそこで☆がつく」




…こんにちは。さっきから言われ放題の翔太です…。一応バンドマンです…ヴォーカルやってます…

はいそうなんです…。今度の土曜日、なつと初デートなんですが…。恥ずかしい話、彼女とデートって何をすればいいのか分かりません…

経験豊富そうな祐哉に聞くってのもアリなんですが…

…チラリ

「話ぐらいは聞くよ?★」

はい笑顔が黒いです。ついでに星も黒いです。いじる気まんまんですね

和彦はぜってえ頼りになんねえし…

涼は参考になりそうにないし…

…なんで俺の周りはこんなヤツばっかりなんだ!?





そうこうしてるうちに…

「あ、翔太さん」

はい当日です。デート本番ですね

…だあー…遊ぶってんならどこがいいとか何すればいいって分かるんだけどな〜…

「翔太さん?」

「あ、ああ悪い」

「?行きましょう?」

「ああ」

とりあえず行き先は動物園になっている。最近パンダが新しく来たのを、前になつが見たいって言ってたし

…楽しんでくれるといいけど

隣を歩くなつをちらりと見る

ばちっ

びっくりした。なつもこっち見てた。目が合うとにこっと笑ってくれた。つい笑い返すと、なつも笑い返してくれた

……楽しいデートになるといいな




動物園までは電車だ。結構空いていたので、二人揃って座れた

「座れて良かったですね」

「ああ、土曜日だからもう少し混むかと思ってたんだけど」

「まあ真っ昼間ですからね」

「まあな」

会話が途切れてしまった

……き、気まずい…!

「ふわ…」

すると、なつが欠伸をした

「眠いか?」

「あ…ちょっとだけ」

「寝ててもいいぞ?着いたら起こしてやるから」

「…いやです」

「?なんで?」

「…」

なつが黙りこんでしまったので、不思議に思って顔を覗きこむと

「〜…ッ」

顔を真っ赤にしていた

「ど、どした?」

びっくりして訊ねると、さらに赤くなって俯いた

「…て……と……に…」

「え?悪い、なんて?」

俯いたまま言ったからよく聞き取れなかった

「…だって…せっかく翔太さんと、デート…なのに…」

なつは消え入りそうな声でそう言うと、さらに真っ赤になってそっぽを向いてしまった

「…」

…ヤバいかわいい

自分の顔が赤くなっているのが分かる。口に手を当てて、慌ててそっぽを向くけど、頬がゆるゆると緩んでしまうのが分かる

…なつも楽しみにしててくれた、と思ってもいいのかな

だとしたら………嬉しい




電車に揺られること小一時間。その後バスに揺られて15分。やっと目的地の動物園に着いた

園のゲートをくぐると、まず大きなゾウ達が出迎えてくれた

「「おお〜…」」

久しぶりに来たけど、やっぱり動物園ってのはいくつになっても楽しい

「翔太さん!!ゾウですよ!!おっきいですね!!」

それはなつも同じようで、はしゃぎ気味だ

「翔太さん!!他の動物も見に行きましょう!!」

なつは頬を紅潮させながら、俺の手を引っ張って小走りに歩き出した




キリン、ライオン、コアラ、クマ、トラ、サイ…。次々とたくさんの動物達を見てまわる

そうしていると、お腹が減ってきた。それはなつも同じだったようで、園内のレストランに入った

2人で料理を頼み、デザートの時間になった

「翔太さんのそれ、美味しそうですね〜」

「これ?」

なつがフォークで指しているのは、俺の目の前にあるチョコのブラウニー。そう言うなつの前には、レアチーズケーキが置かれている

「食べてみる?」

俺はそう言って、自分のフォークにブラウニーを少しのせて差し出した

「わ、いいんですか?じゃ、いただきます」

ぱくっ

…………今、俺無意識だったけどさ、これ…いわゆる『あーん』だよな…?

なつも無意識だったのか、気づいてみるみるうちに真っ赤になった。たぶん俺も赤い

「…あ、あの、じゃあ私のも…どうぞ…」

そう言ってなつは真っ赤なまま、自分のケーキのお皿を俺のほうへ滑らせた

「…食べさせて」

…は?

自分の口から出た言葉に、自分の耳を疑った

何言ってんだ俺ーーーーー!!いや、つい、こう無意識というかさ!!なんか真っ赤ななつかわいーなーって思って…ってうわあああああああああ!!!!

なつはお皿を差し出した体勢のまま固まっている。その顔はさっきより真っ赤で、耳まで赤い

「え、と…その…」

「待った!!今のなし!!なしで!!てか忘れて!!」

ダメだ、ヤバい。今俺絶対顔赤い

恥ずかしさのあまりテーブルに突っ伏した。ひんやりとしたテーブルの温度が火照った頬に気持ちいい

「あ、あの…翔太さ…」

なつの声に顔を上げると、なつはさっきの俺と同じように、ケーキをフォークにのせて俺に差し出していた

「え?」

「え、と…その…あ、あーん…」

なつは真っ赤な顔で、消え入りそうな声で言った。その手が微かに震えているのが分かる

…それ反則

そういうなつがかわいくて抱き締めたくなるのを堪えつつ、差し出されたフォークに口をつける

ケーキはすごく甘かった




その後も、いろんな動物を見てまわり、最後の動物まで来た

最後はなつが1番楽しみにしていたパンダだった

「おー…」

檻にはりつくようにして、目を輝かせるなつ

傾きかけた日が、パンダを照らしていて、パンダの白い毛皮は淡いオレンジ色に見えた。その光はなつも同じように照らしていて、なつとパンダは1つの絵みたいだった

なつとパンダを見つめていると、なつがぱっと振り返った

夕日が照らしたなつの微笑みがすごくきれいで、目を逸らせなかった。心臓が猛スピードで走り始めた。こないだ書いた新曲のテンポよりずっと速い

その速さを誤魔化すように、なつの隣に立ってパンダを見つめた

「…今日は楽しかったです」

隣に立ったなつが、パンダを見つめながら呟くように言った

「うん」

「…すごく楽しかったです」

「うん」

少し間があいた

「…翔太さんと、離れたくない…です…」

驚いて弾かれたようになつを見ると、なつもこっちを見ていた

「…今日が終わっちゃうのがイヤです。もっと翔太さんと一緒にいたいです。……帰りたくない、です」

少し水の張ったなつの瞳が、夕日に照らされてきらきらと光っていた





隣で眠るなつの顔を盗み見る

もしもしなつさん、無防備過ぎじゃないですか

俺だって男なんですよ

…まあ、いっか

少なくとも今はすごく幸せだ

なつの安心したような寝顔に心の中で語りかける

…俺もね、なつと離れたくなかった。今日が終わっちゃうのがすごくイヤだったし、もっとなつと一緒にいたいって思ってた

…できることなら、今日はなつをさらいたかった。でもそれを俺の気持ちだけでやったら、なつを傷つけると思ってた

でもなつは帰りたくないって言った。それイコール今日はさらってってもいいのかなって思った

結局さらっちゃったんだけどね

ぎゅうっとなつを抱き寄せると、俺の大好きななつの匂いが鼻をくすぐった

ほんと大好き

…離れたくないって言ったのなつだからね

もしなつが嫌がっても、俺はずっとなつのそばにいるから

起きたら1番に言いたい




『大好きだよ』ってね



楽しんでいただけたでしょうか!?



次はどうしようか少し迷ってます


また更新は遅いと思いますが気長にお願いいたします



次も頑張りますのでよろしくお願いします



おまけ

祐哉さんから翔太さんへ一言

「据え膳食わぬは男の恥だ!!」

…だそうです

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