表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/30

1 お約束の事件

小説を読んでいて急に思いついて書きたくなったので投稿しました。

はっきりいって、設定が一発芸だけなのでどこまでつづくかわかりませんが、よろしく。

 目を覚ますと回りは真っ白な世界だった。頭を振りながら現状を把握しようとしたが、本当に視界は360度真っ白で何もない。

 直前に覚えているのは、部屋の中を歩いていたら突然視界が真っ白になって爆発音が響いたことだけ。誰かの実験が失敗したのかもしれない。


 すると、いきなり幼女が目の前に現れた。ビックリするほど整った容姿をしている。俺は思わず尋ねた。

「あんた誰。ここはどこ?」

「うむ、ここは狭間の世界じゃ。そしてわらわは、まあ神様じゃな」


 神様いるんかい!狭間って何だよ。俺は急速に嫌な予感が走るのを感じた。幼女神様はにやりと笑いながら

「そうじゃ、お主が思ってるとおりここは、現世と来世の間じゃな。つまりお主は死んでいるというわけだ」

「で、あなたが天国か地獄か判定してくれるわけですか」


 一応、神様だからな。見かけはどうあれ下手に出る。


「うむ、普通はそうなんじゃが、実はの、本来お主はまだまだ寿命があったのじゃがわらわが間違って爆発に巻き込んでしまっての。わらわもうっかりすることがあるわい」笑いながら言い切った。

「うっかりですむかい!」思わず突っ込んでしまったが、幼女は笑っていたので思わず胸をなでおろす。


「すまんのう。そこでだな、ほれ、元の世界には戻せぬが、代わりに他の世界へ行かせることは出来るぞ。まあ、このまま死後の世界へ行くのもいいがの」

 お約束キター。はいはい俺はガキのころこの手のお話が大好きだったのだ。しかし異世界トリップまじであるのか。なんか胸がワクワクする。

 ま、現世に未練がないといったら嘘になるが、深夜まで実験漬けだし出会いはないし、あんまりいい思い出ないな俺。よし、俺は異世界に行ってハーレム王になる!


「ほう、意外と落ち込んでおらんようだの。なかなか肝が据わっておるの。でじゃ、転生にするか転移にするか決めてもらおうかの」

「ちょっと待て、話を勝手に進めているが、そもそもどんな世界に行くのか教えてくれ」

 異世界といっても色々ある。人がいない世界や魔物が溢れてる世界、滅び行く世界じゃ困る。出来れば俺が望む世界にして欲しい。そして俺はこの見かけ幼女に敬語を使うのを止めた。


「世界の選択は出来ぬが、ちゃんと人間はおる。お主のところとはいささか違っておるが文明も発達しておる。心配するほどではないの」幼女はケラケラ笑いながら説明をした。


「そうか、世界の話は後でするとして、転生と転移の違いを教えてくれないか」

「転生はその世界で生まれ変わることだ。もちろんお主の記憶と能力はそのまま引き継いでおくがな。

 転移は今のこの姿のまま異世界に移動することになるの。

 転生のメリットとしては、異世界での立場がはっきりすることじゃな。また言葉も赤ん坊から生まれてくることから容易に取得できるの。

 一方、転移は今のままの姿でそのまま即活動できることじゃな。その代わり異邦人であるから身分はないし、言葉の取得もお主が言語の天才でない限り苦しいのお」


 糞!どっちもデメリットがあるのか。しかし、今更赤ん坊なんてやり直してられるか。おしめやおっぱいなんてどんなMプレイだよ。それに貴族にでも生まれればいいが、貧乏人にでも生まれたら目も当てられない。俺のこの現代世界の知識なんて役に立つかわからんではないか。


「転移一択だな」

「わらわは転生をお勧めするがのう。しっかりと生活の地盤を作ることが出来るでのう。それに常識も身に付く」

「いいや、転移だ。考えても見ろ。乳幼児の死亡率は高い可能性が大きい。転生してすぐに死んだら話にならん。」

「ほう、なかなか考えておるのう」幼女は見直したという顔で俺を見つめた。


「当然だ、せっかくのチャンスをすぐ棒に振りたくない。俺は昔から熟考するタイプなんだ」

 そうだ、せっかく相手のミスで異世界トリップするのだ。危険性は減らして条件をつけたほうがいい。

 昔から俺は物語を読んでいて、主人公たちが異世界にほいほい赴くのが不思議だった。どんな世界でどんな環境が待っているか確かめないで行くなんて無謀すぎる。


「そもそも、この俺の容姿、髪や目の色は平凡だとは思うが大丈夫だろうな。異世界で不審に思われないよな」

 異世界に行って、いきなり魔界の住人だと思われたり、逆に天界の英雄と思われては困る。無難が一番だ。駄目なら色を変える工夫が必要だ。

「今度行く世界ではさほど珍しくない容姿じゃな。地域によって偏りはあるが、お主のようなのは世界中どこにでもみかけるわい」

 幼女は目を細めた。俺は一安心して、じっくりと情報を得ることにする。


「さて、異世界の詳細な情報を教えてもらおうか」

「それがな、わらわも忙しいのでお主ばかり相手にしてられんのじゃ」

「そ、それはないだろ!」

 それでは、アホな主人公たちと同じ立場になってしまう!思わず俺は幼女神様を締め上げた。

「わ、わかった。手を離せ。不敬な奴じゃな。じゃあ、もう少し要望を聞いてやろう。どんな国に行きたいのかの」

「それは平和な国に頼む」転移していきなり戦闘に巻き込まれては困る。まずは事態を把握してそれから身の振り方を考えるにも平和であることが一番だ。


「なるほどのう。それでは半世紀ほど戦のない国にしようかの。海に囲まれているから治安も良いし、国の富もこの世界の中では高いほうじゃ」

「それは有難い。後、俺の持っている技能や身体能力は高めにしてくれないか」

「まあ、よかろう。現状の3倍ほどにしてやろう。それから転移する国の言葉の翻訳魔法をかけてやろう。これで、その国の言葉について、話すことと読むことには支障がなくなるの」

 それはありがたい。だが、俺はもう一歩突っ込むことにした。


「ありがとう。ところで、その世界では言語は一つだけなのか」

「いいや、結構な数があるの」

「では、国を移動したときに困らないように他の言語も取得させてくれ」

 そう言うと神様は困ったような顔をした。

「ほう、なかなか先を読んでおるのう。しかし、無制限に言語を取得させるのはチートになってしまうのう。

 なら後一つ翻訳魔法をかけてやろう。この世界ではかなり一般的に使われていて、更に各国の上流階級は使えるという優れものの言語じゃ」

 幼女神様は満面の笑みで言ったが、俺は少し引っかかった。あまりにも旨い話には裏があるのではないか。


「聞いていいか。一般的に使われているのは俺が行く国の近くか。そして、行く国の上層部の連中は流暢にその言語を操れるのか」

 すると、幼女はチッとした顔をして言い放った。

「ふむ、よく使われているのは遠くの大陸じゃの。お主の行く国では上層部でもまともに使える奴は少ないの。まして、一般人なら・・・じゃな」

 やっぱりトラップ仕込んでいるじゃねえか。


「他には」

「なら、隣国の言語で世界で一番話されている言語はどうじゃ?」

「・・・まさか、その隣国の人口が世界一とかいう落ちはないよな」

「・・・・・・・頭が回りすぎるのも考え物じゃな。確かに世界どころかお主の行く国でもしゃべれる者は少ないわい」

 ため息をつきやがったよ、この幼女。俺を騙す気まんまんじゃないかよ!

 何か良い言語はないか。ほら神聖言語とか世界共通で使われる言語とかないのか。ブラヒム語のような。


「世界共通語はないのか」と言った俺を幼女は諦めたような顔でじっと見つめやがった。それから急に面白そうな顔をして答えた。

「あるの。国際機関公認だの。お主の行く国にも協会があるの。しかし、お主良くそんなこと考え付くのお」

「俺にとっては死活問題だ。じゃ、それを頼む」


「わかった。しかし、本当に時間がないわい。餞別代りに向こうの金を後で渡しておこう。節約して暮らせば半年ほどは衣食に困ることはなかろう」

 ま、能力さえ高めてくれればなんとかなるが、当座の金を貰えるのはありがたい。俺がまた交渉するかと思って時間を節約するために渡したのか。


「ま、まて。ところで俺が行くのは王国なのか?」

 これは大事だ。貴族が横行して何かあったらすぐ無礼討ちとかは困る。

「いい加減にせい。時間がないんじゃ。まあ、お主の行く国は一種の帝国じゃ。皇帝がおるからのう。

 後は好奇心旺盛なお主のために、彼の地でも違和感がない魔道具を与えておくわ。それに聞くがいい。ギャラ君というのじゃ」

 幼女神様は俺に手のひらに載るほどの薄っぺらいが妙に重い板を渡して、いきなり取り出した杖を振るおうとした。

「待ってくれ、都会の近くの人目のない場所へ移送してくれ、森の中を1週間も彷徨うのは嫌だ!魔獣がでるかもしれないし」俺は叫んだ。


「注文が多い奴よの。それも計算に入れておくので、行くがよい!もう二度と会うこともなかろうが元気でな」

 幼女が杖をかざすと眩い(まぶしい)光が溢れて俺は一瞬にして世界を転移した。



 光が収まった場所は森の中だった。あんの野郎、さっそく約束を破りやがった!


 しかし、道の上だったので安堵して傾斜が下るほうへ歩いていった。幸い転移するところは誰にも見られなかったようだ。


 しばらく歩くと、森の出口が見えた。幼女神様は約束を守ってくれたのかと安心して、森を出ようとすると向こうから2人組が歩いてくるのが見えた。見慣れない服装にさすが異世界と思って顔を見た瞬間、全身に震えが起こって足が硬直した。


 あの髪、あの目、断じて普通の人間なんかじゃない!どう見てもあれは魔性の存在!

 あの幼女俺をとんでもないところへ送り込みやがった!


思わせぶりなところで終わりです。


構想は出来ていますが、

次回更新はいつかわかりませんがよろしく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ