第11話 頼んだ記憶のない推しグッズ、請求書と共に着弾
ども!
東雲明です。
昨日は特にエッセイに書くほどの大事件もなく、平和に一日が終わったので更新はお休みしました。
ネタがない=平和。
オタクにとって平和とは、金も記憶も削られていない状態を指します。
……が。
本日、その平和は段ボール一箱で粉砕されました。
さて、私、三日ぶりに実家から自分のマンションへ帰還しました。
親のご飯と親の洗濯と親の優しさに甘えきった三日間を終え、現実という名の自宅へ戻るオタク。
玄関を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは――
見覚えのない段ボール。
一瞬、時が止まりました。
脳内に流れるのは「え?」の二文字。
いや、待って。
私、最近通販してない。
してないはず。
してない……よね?
なぜなら私は今、自制期間中のオタク。
金欠民。
イベントも控えてるし、ここは耐えのターンだと自分に言い聞かせていた。
ちゃんとルールも決めてた。
「今回は缶バッジ10個まで」
この“まで”が守れないのがオタクなんだけど、
それでも「10個だけなら実質無料」みたいな理論で、ギリ理性を保っていたんです。
なのに。
この段ボール。
サイズ感が明らかにおかしい。
缶バッジ10個の箱じゃない。
絶対に違う。
アクスタ案件の厚みしてる。
「あ……」
そう、私。
少女小説作家とか名乗ってますが、
実態は推しの供給で情緒を保っているドルオタです。
供給が来れば喜び、供給が止まれば死にます。
一瞬だけ、都合のいい幻想が頭をよぎりました。
「え、もしかして彼氏からのプレゼント?」
いや、推しグッズを?
この量を?
事前連絡なしで?
……うん、ないな。
現実を直視するため、私は震える手でスマホを取り出しました。
まずは通販サイト。
注文履歴を開く。
――発送済み。支払い済み。
「は?????」
支払い済み??
私、いつ??
どのタイミングで???
脳内、完全にオタク特有のパニック状態。
ガチャ結果爆死したときと同じ心拍数。
メールを遡る。
……ありました。
木曜日。
発送完了のお知らせ。
さらに追い打ち。
運送会社からのLINE。
「お荷物をお届けしました」
全部、届いてた。
通知も、履歴も、証拠も、完璧に揃ってる。
なのに、肝心の記憶だけが欠落。
これが何か分かりますか。
オタク特有の“無意識課金”です。
深夜テンション。
推しが可愛すぎた。
限定。
残りわずか。
今買わないと後悔するやつ。
――このコンボが決まると、オタクは意識を失います。
目が覚めたときには、支払いが完了している。
もうこれは呪い。
もしくは仕様。
ここで私は悟りました。
通販したときは、
・何月何日
・何を
・何個
・いくら
これを紙に書け。
スマホのメモ?
信用ならん。
スクショ?
後で見返さない。
紙です。
冷蔵庫に貼るレベルでやれ。
そう自分に説教しながら、
私は段ボールの前に座りました。
始まる、
テンション上げきれない開封大会。
中身は可愛い。
推しは尊い。
全部優勝。
でも同時に、
「これ、私のお金……」
「記憶と引き換えに手に入れた供給……」
という感情も湧いてくる。
喜びと後悔が同時に存在する。
それがオタク。
結論。
私は今日も元気に推しに貢ぎ、
記憶を飛ばし、
請求書と向き合って生きています。
ではまた。
不定期更新の徒然日記でした。




