一足先に冒険者
「ねぇキャロちゃん、本当に行くの~?後で怒られないかな~?」
「大丈夫よ、ちゃんと手紙も書いて、机に置いておいたし、少し遅くても問題ないわ」
「...そうだよね、じゃれっつご~」
これはハクヤとアイラが摸擬戦をやっている時、こっそりその場を抜け出したキャロとシャロのちょっとした、お話...
「ところで、キャロちゃんはどこに行くか決まっているの~?」
「あれ、言ってなかったかしら?目指すはここ王都の冒険者ギルドよ!」
「え、それって大丈夫なの?私達まだ子供だよ、怒られるかも」
「大丈夫だわ、怒られたら帰ればいいだけじゃない。それじゃ、いくわよ」
「ちょ、ちょっと待ってよ~」
姉キャロに、ちょっと強引につれてかれる妹シャロ。この2人は幼い頃からそうだった。少し強引で唐突に物事をを決めるキャロ。そんな姉に引っ張られ、いろいろな無茶に付き合うシャロ。だけどシャロは、そんなキャロの事を尊敬し羨ましく思っている。
一方キャロは基本的には、特に何も考えず自分のやりたい事をしようとする。だが必ず周囲や家族に迷惑がかからないように、配慮もしている。だけど時々失敗して怒られることもある、根はとてもいい子なのだ。
「それにしても、やっぱり王都は建物一つ一つが大きいわ、レサルの町も冒険者ギルドはそこそこ大きかったけど、それと同じぐらいの建物がいっぱいだわ」
「そうだね~特にお城なんて、レサルのギルドを何個分かわからないぐらい高いし大きいよね~」
2人は回りを見ながら冒険者ギルドに向かう、前住んでたエンド村はどちらかと言えば田舎で、特に大きな建物もなくレサルの町も、王都に比べると大きい建物が多いとはいえない、そんな環境で育った2人だから、周りに見える建物にワクワクしながら進んでいった。
家を出てしばらく歩き、冒険者ギルドの前に着く2人、あまりの大きさに驚きと興奮を隠しきれなった。
「ねぇ、大きすぎないかしら?ここ本当に冒険者ギルドよね?」
「えぇーと、そのはずだけど凄く大きいね、一体中はどうなっているんだろうね~」
あまりの大きさに入る事をためらっている2人、入り口付近で立っていると後ろから声をかけられた。
「そこのお穣ちゃん達、冒険者ギルドに何か用事かい?」
振り向くと身長が二人の倍ぐらいありそうで、赤い髪と顎鬚が印象的で後ろに大剣を背負っている男がいた。
「ダメだぞ、ここはお穣ちゃんたちが来るような場所じゃないぞ」
言葉は多少強いが、それでも気遣うように笑顔を向ける男。そんな男を一度見て、キャロとシャロは次に互いの顔を見て、また男に向き直る。
「あの!私達、将来冒険者になりたくてギルドを見に来たわ!見学させてほしいの」
「えぇ~と私もお願いします」
「なんと、将来冒険者志望の子達だったのか...うーん」
2人のいきなりの発言に男が驚き、何かを考え始めた。
少し考えた男は見学を了承して、2人を連れてギルドの中に入っていった。
ギルドは四階建てで、一階は総合受付と酒場になっている、男は2人を連れて酒場の席に座った。
そんな男を見てギルドの中にいた冒険者達はヒソヒソ話し始めていたが、特に気にも留めていない。
「おじさん!おじさんはクエスト受けないのかしら?」
「お、おじさんって...まぁたしかに、わしはもうおじさんだが...人を待っていてな、来たら何か受けるかもしれないな」
キャロにおじさんと言われた男は少し悲しそうな表情をしたが、すぐ顔をキャロ達のほうに向けて話し始めた。
「わしはグラハム、お穣ちゃん達、名前は?」
「私は、キャロよ」
「私は、シャロで~す」
「ほう、キャロとシャロかお穣ちゃん達は双子かい?」
「「うん」」
「そうか、ところで二人のりょうし「その2人からはなれなさーい」」
グラハムが何か聞こうとした時、ギルド入り口から1人の女性がグラハムに殴りかかった、何が起きたのかわからず呆けている、キャロとシャロ、2人をグラハムから離そうとグラハムに殴りかかる女性、その拳を軽々受け止めるグラハム、〔またいつものが始まったよ〕みたいな目で見ている周りの冒険者、その場は混沌となっていった。
しばらく女性が攻撃を続けるも、グラハムは全て受け止め。女性は殴るのを諦め、キャロとシャロの前で屈み目線を合わせて話し始める。
「あなた達、大丈夫?この人にひどい事とかされてない?」
「なにも、しとらんよ」
「お爺ちゃんは、黙って!私は2人に聞いてるんだから、何かされてたら言っていいよ、お姉ちゃんが懲らしめるから」
「いえ、私達は何もされてないわ」
「ほんとですよ~」
キャロとシャロは事の経緯を女性に事情を説明した。
「なるほど、ギルド見学にきたのね、声をかけられお爺ちゃんにお願いして中に入ったと」
「だからいったじゃろ、わしは何もしていないって」
「そうね、ごめんなさい」
「あの、グラハムさんの事お爺ちゃんって言ってるけど、お姉さんはグラハムさんの孫って事かしら?」
「うん、あってるわよ。私はフォルテ、そこのグラハムの孫娘よ、よろしくキャロちゃんシャロちゃん」
フォルテと名乗った女性をよく見ると、長く綺麗な赤髪でなんとなくグラハムに似ているとキャロとシャロも感じ取った。
しばらくして、フォルテとグラハムは、クエストボードの前まで行きクエストを見る。それにキャロ達も付いていって依頼を見始めた。
「ところでクエストって一体どんなのがあるのかしら?」
「そうだな、ほとんどのクエストにはランクが付いており、10段階とランクとは関係ないクエストが存在する。基本的にはGからSSSで冒険者は自分のランクのクエストと、その一つ上のクエストまでが受けられる、まぁ例外は沢山あるがな」
「今回受けるのは、ランクに関係ないクエストにする予定よ、ランクに関係ないクエストは、冒険者じゃない人も受けられるクエストだから」
「?冒険者じゃない人もクエストを受けるんですか~」
「まぁ、冒険者もタダでなれるわけじゃないからね、報酬金はランクつきクエストに比べてしまうと、ないにも等しいんだけど」
「へぇ、クエストにもいろいろあるのね、凄く勉強になるわ」
グラハムとフォルテは、キャロ達にいろいろ教えながらクエストを見ている、そしてフォルテがクエストボードから一つのクエスト用紙を取ってきた。
「ねぇ、お爺ちゃんこのクエストどう?」
「ふむ、近くの森の薬草採取か、これなら森の奥には行かないし、魔物と遭遇する危険もない、いいかもと思うぞ」
「じゃ、これ受けてきちゃうね」
クエスト用紙を持ってフォルテはカウンターに行き手続きを済ませる。その間にグラハムがいろいろ準備をする。
「じゃ2人とも、クエストが受けられたら行くから準備をするのじゃ」
「え、私達も行っていいの?」
「行っていいのですか~」
「見学って事だからな、その為に簡単なクエストにしたし、それに往復で1時間も掛からないから、日が落ちる前には、帰せるし大丈夫だろ」
「「ありがとうございます」」
「3人とも、行くよー」
「元気で何より、クエストも受けれたようだし、行くとするか」
こうして、キャロとシャロはギルドで出会った、グラハムとフォルテに連れてってもらい。森に行く事になった
キャロ「頑張るわよ!」
シャロ「頑張ろ~」




