オーラとルリの秘密
「まさかルリが魔人だったなんてなぁ」
ルリが落ち着きを取り戻して、彼女を見ながらうっかり言葉が零れてしまった。
魔族とは、いつか会ってみたいと思っていたけど、こんなに早く会えるとは思っていなかった。
「やっぱりハクヤ君は怖いとか思ったりする?」
俺の言葉が聞こえてしまったのか、ルリは少し不安そうな顔をしながら聞いてきた。
「いや、怖いとかは思ってないんだ。だけど初めてルリを見たときから何かを感じていて、今思えばそれが父さんとかの言ってた、オーラだったのかなって」
「そう...なんだ」
そういってルリは何か思う事があるのか、下を向いてしまう。
そんなルリを見てシャロが近くに寄り、声をかける
「ルリちゃん急にどうしたの~」
「あ、シャロちゃん。私結構だまってた?」
「べつに~、だけど難しそうな顔してたよ~」
「そ、そんな顔してた?」
「うん、こんな感じ~」
そういってシャロは自分の顔でルリの顔を真似しようとした。両手で自分の顔をおさえて、面白いな顔になってるシャロ。マネというか、あれはただの変顔な気がするけど。
「わ、私そんな顔してないよ、してないよね?」
「まぁ、シャロのまねは大げさだけど、難しそうな顔はしてたぞ」
「そん...かな?」
「ハクヤにぃ達脱線しかけてるわ。結局ルリちゃんは何を考えてたの」
「うんそれなんだけど、種族特有のオーラって何だろうと思って」
「それなら僕とミリアが説明しよう」
「そうね、その辺の事は私達のほうが詳しいと思うし」
ルリの言葉を聴き今まで静かに聴いていた父さんと母さんが話し始めた。
「まずは、そもそもオーラとは何かその話をしよう。生き物にはそれぞれそれを象徴するオーラというものが存在するんだよ。ここでひとつ質問、今この世界にはいくつの種族が居るでしょう?ハクヤ答えて」
「え、いきなり。えっと人属、魔族、獣族、精霊族、龍族、亜人族の6種族だと思うけど、あってるよね父さん?」
「うん、それであってるよ、それで今ハクヤが言った6種族全ての生き物がオーラを持ってる。まぁ基本的にオーラはあるだけであまり意味はないんだけどね」
「私とフィンは冒険者をやっていた頃、いろんな種族の人たちと接してきたんだけど、オーラはそもそもあまり大きくなくて一般人はもちろん冒険者でもほとんどの人がオーラを見ることはできなかったわ」
「だけど、例外もあって自分以外の種族に限られるんだけど、オーラは見えなくても、感じる事ができる人はたまにいる、たぶんハクヤは例外に当てはまったんだろだろ」
そう言って父さんは俺のほうを見た。
そう言われると、腑に落ちる事がある。ルリを見た時から不思議な気配のような、それを感じ取っていた。俺が感じていたのはオーラだったのだと納得する。
これは転生者だからなのか、それとも気がつかないうちに身についたのかは、不明だけど
「父さん、どうやったらオーラが見えるようになるの?」
「スキルを取得すれば見えるようになるんだけど、いまいち取得条件がわからないんだよね」
「私達は気がついたら見えるようになっていたし、そもそも見える人が少ないからオーラを見るスキルの取得条件の情報が出回ってないのよ」
「まぁ、ハクヤは感じる事もできるっぽいし、いつか見えるようにになるかもね」
「あの、二人に質問いいですか」
一通りオーラの説明が終わったところで、ルリが父さん達に話しかけた。
「わかる範囲でなら答えるよ」
「ありがとうございます、それで質問なんですが、オーラを消す方法とかってあったりしますか?」
ルリの質問を聞き父さんは顔をしかめた、どうやら父さんはわからないっぽい。
「うーん、オーラを消す方法かぁ、僕はあまりオーラの性質とかには詳しくないからねわからないんだ、基本的に僕はオーラは感覚で使うからね、ミリア何か知ってる」
「そうね、まず自分のオーラをしっかりと認識するところからかしらね、これにはさっき話したスキルがないとダメだからまずはスキルを取得するのが大前提ね」
「そう、ですか。わかりました。がんばってスキルを取得しようと思います」
「どうしてルリちゃんはオーラを消したいの~」
「みんなは私が魔人だと知っても怖がらなかったけど、魔人を嫌ってる人にオーラを見られて、ばれたりしたら何されるかわからないから、隠したいなと思ったんだけど、簡単にはいきそうにないね」
「さっきお父さんも言ったけど、今の時代、魔族嫌いを言いふらして、何かしてくる人も少ないと思うわ、それでも、もしルリちゃんが何かされそうになってら、私達が守るわ!」
「そうだよ~」
「...ありがとう」
キャロとシャロの言葉を聴き、またルリが涙目になってしまった。
ルリの過去に何があったかは知らないけど俺もできる限り守ってあげたいと心の中で思った。
その後も父さんと母さんはオーラについてわかっている事をいろいろ話してくれた。
話を聞いてる最中に玄関のほうで声が聞こえた。
「ミリア、誰か来る予定なんかあったっけ?」
「なかったと思うけど...誰だろう」
「俺が見てくるよ、ちょっと待ってて、怪しそうなら追い返すから」
「なら、頼んだ」
俺は声のする玄関に向かった。
玄関を開けると、若い女の人が立っていた。なぜかその人からはルリと同じ感じのオーラを感じた。
「あの、どちらさまですか」
「いきなりごめんなさい、私はアイラと言います、ここにルリっていう女の子いませんか?」
「いますけど、アイラさんはルリの知り合いですか?」
「私、ルリの母です」
「え!ルリのお母ですか!?」
ルリの母と名乗ったアイラさんをもう一度見たが、どう見てもお姉さんって感じしかしなかった。見た目的にこの若さで母と名乗られても困惑しかしない。
だけど嘘をついてる感じはしなかったから、リビングに案内した。
リビングに入ってルリがその女性を見たとき物凄く驚いた顔をしていた。
「お母さん!なんで、この場所がわかったの、私言ってなかったと思うけど」
「それは、娘の居場所ぐらい簡単にわかるわよ、だってあなたの母ですもの」
「いや、〈索敵〉でこの場所が分かったんでしょ」
「久しぶりね、アイラ。ルリさんが貴女の子供だったなんて、だから似た気配を感じたのね」
「それはこっちのセリフよ、いつの間に子供3人もできたわけ?」
中良さそうに話す父さんと母さんとアイラさん、それを見て、俺たち子供組みは驚くことに精一杯だった。
「でもこれで、ひとつ納得したことがある」
「父さん、何かわからない事でもあったの?」
「ルリさんからは、種族特有のオーラ、つまり魔族のオーラが見えるって言ったよね」
「うん、それで俺やキャロ、シャロよりも早く魔人だって気がついたんでしょ」
「そうなんだけど、魔人のオーラ以外にルリさんからは魔王の気配近いものを感じたんだ、それがずっと不思議だったんだけど、アイラの娘って事で納得したよ」
「え?魔王の気配?」
「そう、魔王の気配。アイラが今の魔王で、その血を継いでるルリさんからその気配を感じるのは当たり前の事なんだよ」
その話を聞いてその日何度目かわからない、驚きの声を発した俺であった
ハクヤ「魔族のオーラと魔王の気配???」
フィン「オーラはあくまで種族特有のもの、気配というのは、その人物が持つ特別な性質に作用するんだよ」
ミリア「まだその気配は弱いから、普通の人は気が付かないけどね」




