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いきなりの窮地!

神様に転生させてもらい、意識が覚醒して、異世界に転生した喜びに浸る間もなく、死の恐怖に怯える事になった。



転生したばっかりで、体は赤ん坊。思考能力だけは生きていた頃と変わらない。そんな俺が、おそらく今いるのは森で、俺の見える限りでは大自然を思わせる緑と黒い煙だった。


(なんで、俺はこんな所にいるんだ?見える煙と周囲に漂う不愉快な匂い、何が起きてるんだ?)


どれだけ嫌な気配を感じても、この体ではどうしようもない。ただ俺には神様からもらったスキル〈肉体離脱〉(ファントム)がある。使えるか分からないけど、試してみる事にした。


(頼む、何とかなってくれ〈肉体離脱〉(ファントム)


心の内で念じてみれば、浮遊感とともに視界に変化が訪れる。先ほどまでは上の景色しか見えなかったが、浮遊して上から全体を確認した。そして絶望した。


(俺、死ぬんじゃね?)


上から見た景色は、複数の人間の死体と壊れた馬車そして、アニメとかで見た事あるような緑の皮膚が特徴てきな、()()()()()ゴブリンの群れだった。奇跡的なことに俺の体がある籠は馬車の陰でゴブリンからは、見えていない場所、それでも見つかるのは時間の問題だろう。


(まじか、この状況どうすればいい、いくらすごい能力があってもこの体じゃ無理だろ)


何度も思うが俺の体は赤ん坊だ。現状スキルが使える事はわかっているから、<完全鑑定>でゴブリンの状態から弱点まで理解できるけど戦えない俺には意味がない、〈魔法創作〉(マジッククリエイト)で魔法を作れても、魔法を使えるかはわからない。この状況に俺はかなり相当焦っていた。


(何とかしてこの場を乗り切れないだろうか、俺の命を削れば何とか魔法一発ぐらい撃てるか?、いやそもそも魔法を覚えてないし〈魔法創作〉(マジッククリエイト)で覚えるにしてもどれだけ時間がかかるか分からない。どのぐらい命削れば魔法打てるだろうか...そもそも命削っても魔力が出るかわからないし、どうすればいいんだこの状況!!)


思考で辺りが見えなくなっていた俺の意識は、少し遠い場所から聞こえる爆発音で戻る。改めて見直せば何かが周囲の被害を気にせず、この場所まで向かってきていた。初めは強力な魔物かとも思ったけど、この場所に来たのは、見た目軽装の男性だった。その男性はゴブリンを瞬く間に一掃して。周囲を見回した。


「全く、どうなってるんだ?採取のために来たら魔物が異常発生してるし、ゴブリンジェネラルまでいる。この人達はこの異常事態の被害者か?間に合わなくて申し訳ないな」


何かを言った男性は手を合わせて黙祷する。しばらくして男性は辺りを確認し直して場所の方歩き始める。そのタイミングで俺も周囲の安全を確認して、自分の体に戻った。


「馬車の陰に何かあるような...嘘だろ赤ん坊が居るじゃないか、さすがに置いていくわけにもいかないし...連れて帰るか。ん?籠に何か書かれてる{ハクヤ}。なるほどこの子の名前かな」


籠ごと俺を持ち上げた男性は、おそらく辺りを整理し死体を燃やしてどこかに移動した。

しばらくして男性は立ち止まる。建物は見えていたからおそらく町なのかもしれない。そんな事思っていたら、男性が何かをたたく音が聞こえた。

扉が開く音がして、視線をそちらに向ければ、一人の女性が立っていた。


「フィンおかえりなさい、森で大きな音が聞こえたけど何かあったの?...フィンその赤ん坊はどうしたの?」


「ただいまミリアそれが聞いてくれよ、森に入ったら以上派生したと思われる魔物と遭遇して、討伐はしたんだけど、被害者がいて、その中の生き残りにこの赤ん坊がいたわけ。さすがに置いてけないから連れて帰ってきたよ。それで相談なんだがこの赤ん坊僕達で育てない?この周囲に孤児院ないし、何処かに置いてくるのもさすがに可哀そうだから、だめかいミリア?」


「...わかったわ、その子を2人で育てましょうか、その子名前は?」


「ありがとうミリア、名前はハクヤってこの籠に書かれていたよ」


「ハクヤね。それにしてもかわいい赤ちゃん。これからよろしくね」


この2人は俺の事を育ててくれるらしい。始まりは危ない状況からでも、良い人そうな人達に拾われて安堵した。父さんはフィン、母さんはミリア、その名前を心の内で何度も繰り返し言ってみる。母さんじゃ頭を優しく撫でながら微笑んでいた。この世界にきていきなりのピンチから父さんに拾われ安全そうな場所で暮らせる。ここまでの情報を脳内でまとめたぐらいで、急な睡魔に襲われ、俺はゆっくり眠りにつくのだった。

前作との変更点は、そもそも転移した段階でハクヤが異世界の言葉を理解している事です。

これは、所謂転移・転生ボーナスで、この世界と地球では言語は全く違いますが、そこで不自由させないために神様が補正を与えている感じです。


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