ルリが家に遊びにきました
「じゃあ、迎えに行ってくる」
「行ってらっしゃい、気をつけてね」
試験が終わった3日後、俺は約束通り宿屋までルリを迎えに行った。
初めてルリを見た時から自分の中で渦巻く何か、それが何か今だ自分の中で何かわかっていない。けど今は遊べる事が何よりうれしいと思っている。
気分が高まっていた俺は、スキップしながら宿屋に向かった、道中でいろんな人に見られた気がしたが、全く気にしない。
宿屋に着くとすでにルリが待っていた。
「おはよう、待たせたか?」
「おはよう、全然待ってないよ」
「そっかじゃあ、行こうか。ついて来て案内するよ」
「わかった、今日はよろしくね」
家戻る途中にいろいろお店に寄り、食べ物や飲み物を買って行った。
家につく頃には、2人で両手いっぱい分の荷物を買っていたが、まぁ〈ディメンションバック〉を使ったから荷物は持ってない。
「ただいま」
「おじゃまします」
ルリが恐る恐る、家の中に入ってくる。
その声を聞いて母さんが玄関までやってきた。
「いらっしゃい、貴女がルリさんね。はじめまして私はミリアよ、ハクヤ達から話は聞いてるわ、キャロちゃん達はリビングで待っているから、行きましょう」
ルリは母さんに連れられて、リビングに向かう。俺もその後をついて行き中に入った。リビングではソファで寛ぐ父さんと、昼食の準備をしている2人がいた。
ルリに気が付くと、父さんが立ち上がり話しかけに来た。
「はじめましてルリさん、僕はフィンだよ。ハクヤ達の父さんだ、よろしく」
「は、はじめましてルリです。今日はありがとうございます」
「あ、ルリちゃん。いらっしゃい」
「いらっしゃ~い」
キャロとシャロは準備が終わったのか、ルリを歓迎している。挨拶も早々に席に着き昼食の食べ始めた。
朝迎えに行ったはずなのに、気が付けばお昼前ぐらいで、俺とルリがかなりゆっくり帰ってきた事がわかる。
楽しく買い物していたら、時間を忘れていたようだ。
「家に呼んでもらって。お昼ご飯まで用意してもらってありがとうございます」
ある程度食べ終わった頃合いを見て、ルリが母さんに頭を下げた。ルリの前にあった物はすべて食べられていて、味の感想を言わなくても美味しかったのがわかる。
「そんなかしこまれなくていいのに、今日は来てくれてありがとね」
「お母さんのご飯美味しかったでしょ」
「とてもおいしかった!」
片づけを皆でして、テーブルを囲み談笑。これからの学校生活がどうなるとか、俺達が今までしてきた事とか、その話の流れで俺はルリの事について質問してみた。
「そういえば、ルリってどこの出身なの?」
「あ、えっとそれは…」
「あれ聞かないほうがいい質問だった?」
俺が出身について聞いた途端ルリの表情が少し曇った。質問としては普通の質問だと思うけど
少し間が開いて、ルリはこちらの表情を窺いながら口を開いた。
「私の出身聞いても驚かない?」
「ん?まぁ驚かないと思うけどそんな遠いところなの?」
「遠いよ、だってあたしの出身は…魔国だからそして私魔人なんだ」
「「え」」
ルリの出身を聞いて驚きの声を上げたのは、キャロとシャロだった。俺は唖然としていた。
父さんと母さんはそれを聞いても平然としていた。
「フィンさんとミリアさんは驚かないんですか、私が魔国出身だった事に、普通ハクヤ君達みたいな反応されるんですけど」
「まぁ、僕はルリさんが魔人なのは見た瞬間にわかったから、そっちの出身でもあまり驚かないかなぁ」
「私も魔人なのはわかってたし驚かないよ」
「どうしてわかったんですか!?私言ってませんでしたよね?」
「種族特有のオーラが見えてからかね」
「私もフィンも色んな所を旅もしたからね、オーラとかで大体の種族はわかるのよ」
ルリが魔人だった事には驚いた、でもそれと同じぐらいにオーラという言葉が気になった。父さん達から聞いた事もないし、資料で見た事もない。そんな〈鑑定〉以外にもわかる方法があるなんて
「私のこと、怖くないですか?私魔人ですよ?」
俺達を見るルリの体は少し震えていた。
そんなルリを見て俺達は顔を見合わせた。
「私はルリちゃんが魔人でも、別に怖くないわ、だって友達だし何もされてないもの」
「魔人でも、私は気にしないよ~」
「俺も気にしないよ、それに魔人には前から興味があったから。色々教えてよ」
「見ての通り、ルリさんが魔人でも私達は誰も怖がらないわよ」
「それに魔人が恐れられていたのは昔の話で、今の時代にそんな事で迫害なんてしてる国なんてあれば、滅ぼされてもおかしくないからね」
父さんが言葉を言い終わるときには、ルリが涙を流していた。
泣きながらルリは「ありがとう」と言っていた。
もしかしたら、ルリは過去に魔人ってだけで悲しい思いをした事があるのかもしれない。安易に踏み込んだことに少し反省する。
ここでこの話は終わると思っていた、だけどこの後にルリに教えられるもう一つの事実に、また俺とシャロとキャロは、唖然とする事になるのだった。
だが
ルリ「受け入れられてよかった」




