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プロローグ

神妃の家出

神界の最上層にて神界最大級の祭典が行われようとしていた。

永らく不在だった神界を支える柱である理に座す神王が決まり、戴冠式とパレードが行われるのだ。


神界の最上層の更に上に位置する理


最上層、上層、中層、下層、最下層の五層に別れる神界


神界の直ぐ下に位置し、三世を監視する役目を担う天界。


肉体を持つ実体が住まう三世。


生者しか居ない現世

現世の隣にある生者と死んでいない者が居る写世

現世の裏側に有る生きていない者しか居ない幽世。


三世の下層部から繋がっている獄界。


獄界によって閉ざされている深淵。


全ての世界が今日を祝おうとしていた。

そんな目出度い日に神界の中心部の都市から遠ざかる者達がいた。


「神妃様。お待ちください神妃様!」


紺と青の色味を持つ美しい姿をした羽を持つ鳥の様な物が先を行く人形に声をあらげている。


「神妃様!セイラン様!」


鳥の様な物が必死に呼び掛けると先を行く白い人形が振り向く。

白く輝く青銀の髪に銀の瞳が振り返った際、現世に有る太陽の如く輝く理からの光を受けて艶めく。

神界においても類を見ない輝きを纏いながらも、その表情は不機嫌を物語っていた。


「その名前で呼ぶな。五天」


声色は低く目線で殺意を乗せる様な鋭い眼光を受けても、五天と呼ばれた鳥の様な物は狼狽えることなくセイランに追い付いた。


「私めは五天の青紺で御座います。セイラン様。」


セイランに追い付いたからか青紺は叫ぶ様な声量を落として語りかける。


「セイラン様。何故この様な所に居られるのですか。今日は貴方の夫君が全ての世界を支える理の柱である神王と成られる祝いの日。貴方様も神妃として神王様を支える日を心待ちにしていたでは有りませんか。それなのに、前夜祭の大禊の宴を中座し、一天の壱夜様や世話役の私めにも何も仰らず、部屋に籠られたかと思えばこの騒ぎです。旅装束等に着替えられて何処へ行かれるつもりですか。」


心底心配しておりますと言いたげな青紺の話しをうんざりする様な態度でセイランは聞いていた。


「私めは貴方様から名を授かった時から、それこそ神妃に成る前から貴方様の世話役として永らく愛でて頂き、果てには眷属にして頂き末代まで、否、魂滅までお仕えすると決めております。その私にも黙って何処かに行かれる等、いったいどうされたのですか?」


話している最中も心配で顔色が悪くなり遂には泣きそうになった青紺を見て、セイランは観念したかの様にため息をついた。


「わかった。わかったよ。俺が悪かった。お前に泣かれるのは弱いんだ。」


セイランは仕方がないと言いたげな表情で青紺に着いてこいと言う。

西の平原の末端を歩きながら青紺はセイランから信じられない話しを聞く。


「簡単だ。今の神王は俺を愛した彼奴じゃないからさ。」


神妃 セイラン

激怒状態

式典を放り出し家出を敢行

あんな奴知るか


五天 青紺

セイランが神妃になる前から世話役として侍る

セイランが名付け親

何処までもお供致します


一天 壱夜

数天達の纏め役

神妃を血眼で捜索中


神王

理に認められた(登録された)三界を治める新たな秩序

セイラン曰く脱け殻の別人

せかい は すみきった まま よどんでいく


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