進化は誤用だ
吾輩はぬこ様である。
そう、あれは忘れもしない10歳だか11歳だかになったころ、初めての妻を亡くし、初めての子供も歳をとり自分よりも先にみんな亡くなったころだったような、そんなころ。うん、よく覚えてない。
と言うのも、日々弱る体に記憶の前後もはっきりしなくなってきていたのだが。
ある日突然、生まれ変わりと言っても過言ではないほどに突然それが変わったのである。
それまでは本能が中心で記憶もそこまで明瞭ではなかったが、その日を境に霧が晴れたように、はっきりと記憶に残るようになり、死を待つばかりだった老いた体も、元の機能どころか明らかに高い性能を発揮した。特殊な能力を得たのもその時だ。
さらには、どこの世界のものとも知れぬ知識と叡智(メタ+ギャグ属性)を得たことで、飼い主と共にこの街を発展させて来れたと言える。
そうあの時、吾輩は進化。ノンノンノン。違う。
そうあの時、吾輩は変態を遂げたのである。さらに正しくは不完全変態である。
生物の世界では、同個体が別の形に変わることを変態。蛹を介すものを完全変態。そうでないものを不完全変態と呼ぶのは中学生で習う一般教養である。
他にも結晶系が変わることも変態と表現する。なろう御用達の鉄鋼鍛治なんかでも、マルテンサイト変態やオーステナイト変態がフェラいと変態の一種として知られているのである。あなをかし。
さらに言えば、変態には文字通り、形・態を変えると言う意味があるので、変身や変形を変態に置き換えても日本語としてはそこまでおかしくはないのである。
例えば、
ラスボスが変態を遂げる。
別形態に変態する。
ロボットが変態する。
など、特に問題なく使えるのである。
では、他にも言い換えてみよう。
服を脱いで変態する。
あれっ。
ヒーローが全身タイツで変態だ。
あれっ。うーん、間違ってない気もする。
変態願望を満たすためにコスプレする。
馬鹿な。
魔法少女に変態する。作品によってはおっさんが魔法少女に変態する
嘘だ、そんなはずは。
3D変態おもちゃ
・・・・
合体変態ロボ
・・・
ニホンゴはムズカシイデスネ・・・
・・・・まあ、そのなんだ。吾輩は猫から進化・変態して今なのである。
ただ、残念なことは時期が遅かったため、先に妻や子供に先立たれたことが、早ければもっと長生きさせて、同じように長生きできたやも知れないのに。それに、今のようになる前の記憶はモヤがかかったようにはっきりしないので、あまり妻や子供の記憶がないのである。これも、悔やんでも悔やみ切れないことである。悲しくはない。なにせ、よく覚えてないから。でも、覚えてないことがなによりも寂しい。
・・・・
さて、今の吾輩は
叡智を極めた変態にゃんにゃんである。
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