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男尻はあるのに女尻はない件

「あっ、危なーい」

「ヒヒーン」


「馬鹿野郎、死にてえのか」

「何事か!この馬車をどなたのものと知っての狼藉か!」

「・・・・ぼっ、ボクは死にましぇーーん」

「はあ?急に何を?」

「あなたのことが、あなたのことがちゅっ、ひでぶ!」

「は?飛んだ?」

「いやーーーー。」


うん?何か轢いた?しょうがない道に立ち止まってる奴が悪い。

「いやーー、死なないでーーー、言った端から」

「みっ、みどりと青色の狸が、がくっ」

えっ?幻術による変態が何やらおかしいな。

そして、何より吾輩が悪いみたいじゃないか。よし、あいつの手を念力で動かして。

“犯人はヤス”

ふっ、これで完璧なアリバイ工作だぜ。あっ、そんなことより急がねば。

「何があったの?」

「いえ、急にあの者が馬車の前に飛び出したかと思ったら、今度は空を飛びまして」

「えっ?轢いたの?」

「いえ、馬車は手前で止まったのですが、その後に」

「・・・・で、相手は大丈夫なの?」


「死なないでーー」

「・・・おっ、オッパイ」

「・・・だっ、大丈夫なようね。当たってないのでしょう。・・・じゃあもう行きましょう」


さて、本日は祭りだ。祭りだ。食べ物一杯配るから貰いに行くんだ。

「今日は祭りだ。ほーれ」

よっしゃーーー。干物ゲット!

何故干物が配られてるかって?それはね、神(吾輩)に捧げるためさ。街にいる猫にばら撒くのよ。そうなるように昔に洗の・・・もとい監修したのだよ。


よし、これで何枚目だ?

「呼ばれて飛び出て「にゃにゃにゃにーーん(よんでなーーーい)」」

くっ、油断した。

「祭りよ、祭り。そう、私は血祭りが好きよ」

流石、番長ぱねえっす。

「にゃんにゃん(ねえねえ)、にゃんにゃんにゃにゃんにゃ?(タイトルで男尻って書いてるけど、岸和田ではそんなの祀ってるの?)」

「あれは本当は山車(ダシ)の一種、地車(だんじり)を引く祭りよ。けっして、オナラじゃないのよオナラじゃないのよ祭りじゃないわよ、街全体がハッテン場ではないわ。旧和泉国ほぼ全域で行われているけど、大阪市より北の旧摂津国の地域だとほとんどやらないわ。」


そうか、岸和田では地車引いて男尻が走り回ってるのか。河内弁で“ナニ抜かしてケツ狩っとんねん我!”と怒られかねない!


とりあえず、そんなことは置いといて、だんじりとか泉州人は一日千秋の思いで待ち焦がれてるけど、全国的にはどうでもいいレベルのものだし。

「にゃんにゃん(領主館が一番美味いの配ってるはずだから行くぞ)」

「「「にゃーー!(どら焼きーー!)」」」

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