冒険者と言う名の日雇い労働者
吾輩はぬこ様である。
今日は冒険者組合にやって来たのである。
さて、冒険者とは言うものの設定上、魔物と戦うことがあるとはいえ、はっきり言えば日雇い労働者である。
日雇い労働者と言えば、大阪万博で大量に大阪に集めたものの万博終了後仕事が激減し、あいりん地区として職安と炊き出しを糧にホームレスを量産した悪名高きあれである。
そして、あのホームレス大量生産の反省を踏まえ、打ち出されたのが一億総中流及び終身雇用である。その始まりは団塊の就職とほぼ同時に始まり、団塊世代の引退と共に、団塊サラリーマン経団連の手により終了した。本気でぺんぺん草すら生えないね。改革を謳いゲバ棒片手に反政府運動で遊んだ連中が上の世代におんぶに抱っこで、自分達が権力握ったあとは大企業と言う大企業の経営を傾け、工場と技術の大半を他国に売り渡し、下の世代に残したものは先の暗い社会の上に、未だに社会保障による搾取を続ける・・・改めて時系列で並べると本気で酷いな。
自宅介護が嫌で下の世代に安月給でさせ始めたのも、概ね団塊世代が親の介護ぶん投げた頃だとか。
閑話休題
さて、日雇い労働者である冒険者であるが、よく考えて欲しい。あいりんの日雇い労働者が武器を持っている状況を。どう考えても、治安悪化しかしない。真っ当に市民のために、害獣駆除に明け暮れると思うかな。そう、やるわけねえ。酒飲んで路上で寝てるあのおっさんらが。
そもそも、害獣駆除など専門知識と土地勘それも山林の地理に詳しくなければできない専門職である。いきなり素人や土地感のないのものが行ったところで、成果は上がらないどころか、最悪遭難して仕事の邪魔にしかならないのだ。
では、この世界の冒険者はどうなのか。・・・・残念ながら作者が匙を投げたのである。そう、ファンタジーだし、面白ければいいじゃないか。と言うことで上記を無視して、害獣駆除するテンプレ冒険者組合でいいじゃないか。
作者の知能の限界である。
「おう、帝国の勇者様がいつまでこんな仕事のない街にいるんだよ。猫神様がいる我が街は創設以来、凶悪な魔獣になんて襲われたことはないし、数少ない仕事を奪われたら、俺たちおまんまの食い上げだぜ。」
「はは。すみません。」
「冗談、冗談。俺たちの実力じゃ、勇者様と仕事がかち合うことなんてねえよ。今日も今日とて街の力仕事がほとんどだからな。」
そう、9割方仕事は街中の力仕事である。そう技能も知識もいらない日雇い仕事は力仕事か単純作業ばかりなのである。
作者もあの潰れた某有名日雇い派遣会社の仕事で一度経験があるが、荷物トラックから下ろしたり、運んだりで筋肉痛でくたばった。
大変だなーー。吾輩なんて、24時間昼寝に忙しくてそんな暇はないのだが。大体、日雇い労働者が行き着く先はホームレスだと、歴史が証明している。
ファンタジーの冒険者組合を想像してる諸君。昭和のあいりんの職安をさらに汚くしたところを想像してみよう。やだ、急に近寄りたくない。
風呂に入っていないおっさんが日銭や炊き出し目当てに集まり、路上で寝食を行い、道は非合法の露店とそこに集まる酒臭いおっさんで埋まり、広間は段ボールが立ち並ぶ。そして、酷い時には警察官と火炎瓶でやりあう。作者は高校の頃、あそこで麻薬売ってるけど手を出すなよ。と教師に注意を受けた。あの町に中世ファンタジー要素を足したのが冒険者組合周りだ。
中世ヨーロッパ風と戦後20年過ぎた日本の闇はどちらが強いのだろうか。
と想像すると、一切あこがれないね。まあ、吾輩は猫だから関係ないのだ。
さてさて、とりあえず掲示板の仕事を見てみよう。
『倉庫内作業 募集』
『木材運搬の手伝い』
『彼女募集しています』
『収穫の手伝い 二週間』
『馬車の積み下ろし作業』
『道路拡張工事 工員募集』
『下水道清掃』
『お父さん 探しています』
『猫の捕獲』
『オーク肉買取』
『公園の草むしり』
『エルダービースト退治』
『おじいちゃん 晩御飯は昨日食べたでしょ。』
『事務員募集』
『韓国式マッサージ 4980円』
『話し相手になってくれませんか』
『ぶもー。(やらないか)』
『xyz 護衛募集』
やだ、夢も希望もない。ファンタジー要素がオーク肉しかない。実際、害獣が常に町の外に溢れててたまるか。日本の中世で言えば日本狼であるが、退治しても誰も金くれない。領主が金払うかって言うと自分の組織で退治する。
では街道護衛があるのか。山賊はそもそも地方豪族の兼任事業だから、退治対象になるのは余程だし、当然国軍や領主軍が出兵する。食い詰め者や敗残兵に至っては農民の臨時ボーナス。
さあ、みんな早くトラックの前に飛び出して、ファンタジー世界に飛び込むんだ。カモンベイベー、家紋米兵。
本日の吾輩は、天性の招き猫である。
作者のイメージの冒険者はカードワースからだから、フェアリーテイル式かな。




