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魔王だ。魔王だ。魔王だーー。

逃げろや。逃げろ。走れや走れ。


ふう。城門の外まで逃げたぜ。ほとぼり覚めたら、街に帰ろ。

「はあはあ、追いついたぞ。」


げっ、勇者に追いつかれた。人間の割に足速いな。

「はあはあ、魔王め。呪いを解け。」

「ニャー(吾輩は知らない。)」

「知らないじゃない。サラがお前が呪いの張本人だと、特定したぞ。」

「ニャーニャー。(本気で知らないんだよな。)」


「はあはあ、追いついた。猫もタケシも速すぎ。」

「ニャー(やだ。タケシ君ってば、早いの。)」

「ニーナ。サラは・・・すぐには無理そうだな。二人でなんとか時間を稼ぐぞ。」

「ニャーニャー。(タケシ君、お待ち候。)」

「なんだ。命ごいか。」

「ニャ(揃うまで待とうか。)」

「・・・なんか、さっきから調子が狂うな。だが、サラが揃うまで戦わずに済むなら好都合だしな。」


吾輩は魔王である。うーん、口から卵は吐けないしな。

「ニャニャニャニャー(ふっふっふ、勇者よ。吾輩の味方になれば世界の半分をお前にやろう。)」

「馬鹿にするな。そんなもの欲しくない。僕は勇者だぞ。」

「ニャニャニャ。(たとえ吾輩を倒しても第二第三の吾輩が。)」

「うん。さっきから・・・あの、前世日本人だったりしません。」

「ニャ(さあ。前世とか知らないけど。)」

「実は、転生者とか。」

「にゃにゃにゃ。(さあ、とりあえず吾輩は変態した普通のニャンコだけど。)」

「いや、変態は普通じゃないから。」

「ニャ。ニャニャ。(何を言うか。世界で一番検索される日本語一番が変態なくらい普通の言葉である。)」

「あの、絶対日本人ですよね。」

「ニャニャニャン。(大体、毛無に進化して行った上に、万年発情期とか言う赤道付近の生き物が、わざわざ寒い地域に引っ越すとか変態以外の何者だ。人類みんな変態だ。そう、赤道付近だと紫外線に長時間当たるから、肌黒くて当たり前だから、全然黒人出していいよ。)」

「あの、最低でも地球人ですよね。」

違うと言ってるのに。こんなきゃわいいニャンコが人間なわけないじゃないですか。

「はあはあはあ、みんな速すぎ。」

「ニャー(やだ、タケシ君速すぎて候。)」

「あの、やめてもらえません。」

「ニャー。(タケシなのに、さぶろう。)」

「完全に日本人ですよね。間違いないですよね。」

「はあはあ、タケシ。強化魔法をかけますね。」

「えっ。あっ、ああ。」


「ニャ。(さあ、ばっちこーい。)」

「やりにくい。」

「ニャ。(美女二人とやりにくいの。)」

「やめろ。二人とはそんな関係じゃない。」

「ニャ。(速いからかな。)」

「タケシ、早く攻撃を。」

「あ、ああ。旋光の一撃(チュウニビヨウニガテ)

「ニャー(やったか。)」

ふう、砂埃が辛いぞ。あとで水で流さないと。

「てめえがフラグ立ててんじゃねえー。」

「うそ、タケシの最強の攻撃が全く効かないなんて。」

「くっ、なんのダメージもないなんて、ここは私に任せて二人は逃げて。」

「ニャニャニャニャ(知らなかったのか。魔王からは逃げられないのだよ。)」

「・・・・」

「私が時間を稼ぐから、早く。」

「ニャニャ(別に倒してしまってもいいのだろう。)」


「・・・・お前、絶対日本人だよな。」

「あの、さっきからタケシは魔王の猫と何話してるの。」

「えっ、みんな通じてないの。」

「ニャニャニャン。(残念ながら、変態じゃないと通じないよ。)」

「えっ、何それ。」

「ニャニャン。(猫語喋ってるだけだけど、変態同士だとなんでか通じるんだ。)」

「いや、俺別に変態じゃ。」

「ニャンニャン。(そもそも、現地語じゃないのに通じてるし、こっちの世界に来る時に変態してるんじゃない。)」

「あの猫と話出来ているんですか。」

「いや、勇者召喚の時に言語変換できてるから、そのせいかな。」

「ニャーニャー。(チーレム狙ってる変態が何言ってるのか。)」

「やめろ。二人とはそう言うのじゃないって。」

「ニャニャン。ニャニャ。(ははーん。さては童貞だな。)」

「どっ、童貞ちゃうわ。」

「ニャニャニャ。(童貞と同定。)」

「経験豊富だぞ。」

「えっ、タケシ。」

「いや、初めてだから。まだ誰にも手を出してないから。」

「よかったー。」

「えっ、なんの話ですか。」


ええー。つまんない。修羅場は。

「ニャニャニャ。(大体、100万円くらい貯金して、フィリピンに行けば、100分の1校長くらいは出来るのに、やらない時点で金銭の問題じゃなくて、倫理観の問題だから。ハーレムなんて、実は欲しいわけじゃないんだからやめときなさい。)」

あっ、勇者君凹んだ。そない、血涙流して怒らんでも。

「・・・・絶対日本人ですよね。あと校長を単位にするのやめてくれません。」


1000人の女性を・・・創作にせよ多すぎ。

なのに、現実さんときたら。

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