猫様、彷徨い歩く
マルチにハマって、作者を引きずり込もうとする身内のせいで不眠症。あんなのまともに数学出来たらやらねえわ。と思ったら、小学生算数やばい大人が普通にいるんだ。
みんな、勉強頑張るんだぞ。大人もちゃんと数字は計算するんだぞ。苦手だったら得意な知り合いの言うことちゃんと聞くんだぞ。
吾輩はぬこ様である
今日は飼い主の膝で寝ようと思う。見つからない様な不安な気もするが、そんな筈はない。ヘイグル君がいる筈だ。おっ、いた。
うーん、こんな顔だったっけ。うーん、でもヘイグル君な気がする。隣の猫は誰だ。浮気か。
・・・・・
あれ、この猫吾輩の細君ではないか。
「なーーー。」
こんな顔だったっけ。こんな声だったっけ。いや、でも細君だ。細君や、怖い夢を見たのだよ。誰もいなくなったんだ。君も、ヘイグル君も死んでしまっているんだ。そう、君との子供もみんなだ。
吾輩は君やヘイグル君といられるだけで、あとは食欲と睡眠さえとれれば幸せなんだ。
そうだ。そうだ。なあ、子供達を探そう。何処に行ったんだろう。いや、この街に来る時に置いてきたんだっけ。
なあ、ヘイグル君。ヘイグル君!何処に行ったの。あれ、今までそこにいたのに。ヘイグル君。
細君。ヘイグル君は。ああ、そうか。子供達を探すんだったね。ヘイグル君も一緒に探そう。
ええッと、子供達の名前はなんだったっけ。確かヘイグル君が付けたんだったよね。吾輩や君が付ける前に。ジュリアス、ユリウス、シーサー、ジュリー、ユリア、ジュリアだ。あれ、あってるよね。
ふむ、とりあえず探しに行こう。
えっと、ここを曲がると、あれこんなところに出たっけ。いや、この先に確か吾輩が育った屋敷が。ヘイグル君の実家が。そうだ、そうだ。あの屋敷に子供達がいるんだったね。早く行こう。
いたぞ。あれ、子猫だったっけ。いや、でもこの子達だ。そうだ、ヤンチャなユリウスとユリア。猫見知りなジュリアス。逆に誰にでもついていくシーサー。一人で自由気ままに動き回るジュリー。いつも吾輩の後ろをついて回るジュリア。
ほら、細君や。見てくれ。可愛いだろ。
あれ。細君何処行った。細君。
「「「ニャー。」」」
ああ、遊ぼう。今日は久々に遊ぼう。何十年振り、いや何百年振りだろう。今日はめいいっぱい遊ぼう。
・・・・
ふう、疲れた疲れた。なあ、みんな吾輩は今日はすごく幸せだ。なのに、何故か泣きたくなるのだよ。君たちや細君やヘイグル君に会えてすごく幸せなのに、何故かすごく辛いんだよ。
そっそうだ。細君とヘイグル君を探そう。なっ。こっちから行こう。ついてきてくれ。
そうそう、最近ユリアと同じ名前の子に会ってね。吾輩柄にもなく助けちゃったよ。今は教会に住んでるんだ。ユリアにも合わせたいな。
「たまーー。」
アリスだ。アリスだ。最近、吾輩によく会いに来てくれる子なんだ。
あれ、子供達は何処行った。ついて来てたのに。
「たまーー。はい、今日も持って来たよ。」
「ニャー。(今日、飼い主と妻と子供達に会えたんだ。アリスにも合わせたいな。)」
「そう、よかったね。たま。ねっ、ジョシー。」
「よかったですわね。猫神様。」
でも、急にいなくなったんだ。みんな、いなくなったんだ。
吾輩・・・もう、ちゃんとみんなの顔も声も覚えてないんだ。だから、夢なのに夢なのに。顔が違うんだ。違うのにみんななんだ。声なんて覚えてないから、みんな喋らないんだ。わかってるんだ。夢なんだ。
でも、でも会いたいから、吾輩もう一回探しに行くんだ。もっともっと会いたいから、一緒にいたいから。
「たま。」「ジョセフィーヌ。」
だから、呼ばないで欲しいんだな。目が覚めちゃうから、起きたくないから。もうすぐ目が覚めるから。まだ、探せてないんだ。みんなを。
「たま。」
・・・
「たま。大丈夫。たま。」
「なーーー。」
「たま、起こしてごめんね。辛そうだったから。」
もう一度、寝たら同じ夢・・・見れないんだ。
「たま。よしよし。」
「にゃーーー。」
「よしよし。」
アリス、いい夢だったんだ。でも、途中でみんないなくなったんだ。それでもいい夢だったんだ。
本日の吾輩は、
探しものは見つからないニャンコ
である。
夢でもし会えたら素敵なことだし、探しものは夢の中に探しに行くし、駅のホームでも踏切前でも探すのが夢だ。
一回出た人探すと二度と見つからないんだよね。
作者もトラウマになってる女の子よく見るけど、もう顔も一致しないし、夢の中で一言も発しないのに、まだ探してるわ。妻や子供と死別とかなると、一生こうなんだろうな。




