過去とのお別れと新たな自分へ
半年程経ち、わたしとアークルの結婚式の日が来た。
そしてシフォラとサリルザくんの結婚式も同時に行われた。
「お姉ちゃんに化粧してもらうのも最後かな?」
「そうかもね。それじゃあ、一つ、お話ししてあげるよ」
「何の話?」
わたしはシフォラがサリルザくんと会う前の時の話をすることにした。
「シフォラがわたしの恩人だって話」
「うん、聞きたい」
「わたしね、昔はシフォラのこと嫌いだったの」
「え!?」
わたしの爆弾発言にシフォラは驚きを隠せなかったようだ。
それもそうだ。
こんなにシフォラを溺愛しているわたしが、昔シフォラのことを嫌いだったなんて言ったら、誰だって驚くだろう。
「お父様とお母様を取られた気がして、ね。でもシフォラがわたしと一緒に居てくれるようになって、お父様やお母様と一緒にいる方が楽しいはずなのに」
シフォラが産まれて、二歳くらいまで、お父様お母様がシフォラに付きっきりで、わたしだけ仲間外れにされてた気がした。
それで拗ねたりしていた時に、シフォラが来てくれて、まだあまり言葉も喋れないのに、頑張ってわたしを励ましてくれた。
そして常にわたしと一緒に居てくれるようになった。
「それで、まあ物心付く前だから、分からずにやってたんだろうけど。でも、それでも嬉しかったんだよね」
「……そんなことで?」
だよね、そう思うよね。
でも、違うんだ。
「シフォラや他の人からしたら、そんなこと、だと思うでしょ。でもわたしからしたらそれはとても救われることで、幸せなことで、嬉しいことだったの」
他の人からしたら、とても些細なことで、誰だってできること。
でもそんなことでも、わたしは嬉しかったんだ。
「それだけでここまでしてくれてたの」
「うん、そうだよ。でもそれも今日で終わり」
「えっ、何で?」
わたしの過去を終わらせるため。
そしてバトンを繋ぐ。
「もうわたしじゃないんだよ。次はサリルザくんの番。ただ偶には会いにくるよ」
「お姉ちゃん……」
「はいっ! 完成っ!」
わたしは話しながらシフォラに化粧していて、それが話が終わるのと同時に完成した。
「シフォラ、ありがとね」
そうしてわたしはシフォラが居る部屋を出た。
そこでバッタリサリルザくんと会った。
「サリルザくん、これからシフォラを宜しくね」
「はいっ!」
わたしのお願いにサリルザくんは元気良く返事をしてくれた。
そのままわたしはアークルが居る部屋へと移動した。
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「ソフィラ、綺麗だね」
「ありがと、アークル」
アークルがわたしの花嫁姿を褒めてくれた。
今ではシフォラに褒められるのと同じくらいアークルに褒められるのも嬉しい。
あの出来事からちょこちょこアークルとデートするようになり、今まででは知らなかった一面を知って嬉しく感じるようになっていった。
その度にわたしはアークルのことが好きだと感じるようになった。
「アークル、今までありがとね」
「ソフィラ、ここはありがとうも良いけど、宜しくの方がもっと嬉しいよ」
「そうだね。これからも宜しくね!」
わたしは飛び切りの笑顔で、今後のお願いをした。
その後、無事に結婚式は終わり、わたしとアークルは再び二人きりになった。
「ソフィラ、好きだ」
「わたしも好き、アークルのことが世界で一番っ!」
わたしは結婚式で誓いのキスをし確信した。
もう変わったことに。
わたしは、この世で一番好きなのが、アークルだってことに。
そしてわたしとアークルは、二人きりでこっそりと、優しいキスを交わした。
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シフォラを溺愛していたわたしに溺愛してくれていたアークル。
わたしはシフォラへの愛よりアークルへの愛を選んだ。
二人でシフォラを幸せにして、わたしはアークルと幸せになれた。
これはそんな、とても幸せな物語。




