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第一話 うまれかわり

第一話 うまれかわり

ん、

声が聞こえる。

ギリギリ生き延びたか。

いや、心臓を刺されたのだ。

確実に死んだ。

治癒魔法でも心臓は治せない。


目が覚めた。

眩しい。

ベットに寝ていた。


俺は横になろうとした。

息がしにくかった。

ん、

柵があった。

なんじゃこりゃ。

俺は囚人か魔獣にでもなったのか。

手で触ろうとした。

あ、そういうことね。


若い男と女がよくわからない言葉を話している。

いいやつそうだ。

私の方が年寄りだろうな。

ま、今は私が一番若いが。


確実だ。

私はなんかの手違いで、転生したみたいだ。

根拠はある。


一つは、魔法や剣がない。

大体、私のいた世界では、剣は魔除けとなるとされていた。

各家庭に一個あった。

それがない。


二つは、見慣れない言葉や服だからだ。

上下がしっかり分かれている服を着ていた。

僕らの世界では、一枚の布で上下を隠していたからだ。


さすが、私の体は小さく、起きるのも長くないようだ。

眠気がきた。

寝た。


―――――――――――――――――――――――


ニ年後


少し状況を報告しよう。


今は2012年。

場所は福岡。

若い夫婦と私が家族のようだ。


転生理由は不明。

だけど、一つわかった。


魔法が使える。

この世界でも、魔法が使えるみたいだ。

これはかなり大きい武器だ。

きっとこれから生きるには困らなくなるだろう。


私のいた世界と違い、食事はスーパーなるところから食材を得て、平べったい板の上で焼いているみたいだ。


家は二階建て。

幸せのマイホームってとこですか。


僕も日本語はかなり喋れるようになった。

僕のいた世界の言語とかなり似ていたからすぐに覚えた。


「お母さん、外で遊んできてもいいですか?」

「いいわよ、俊介」


ちなみに僕の名は浅井 俊介らしい。



外には女の子がいた。

可愛いの可愛いの。

僕の家の隣に住んでいた。

ロングな髪、丸っぽい顔に、白いワンピースを着ている。

大人になったら、いやーな男にヤられること間違いない。

僕は特段、この子に性的意識や好意はなかったけど、隣人同士仲良くしたいじゃん。

そんな感じでよく遊んでいる。


「一緒にあーそぼ、茜」

「いいわよ、俊介」


家は少し高台にある。

坂道を降りると、そこにかなり広い公園がある。


滑り台なるものや、ブランコなるものがあった。

僕は飽きずに毎日それで遊んだ。

渡邉 茜なる子は、ずっと砂で遊ぶから、強引にブランコや滑り台に誘って遊んだ。


それにしても、平和すぎるな、この世界。

あの子はどうしてるのだろう。

一緒に死んだあの子。

争いもない幸せな国。

こんな世界があるなんて、信じられない。

いや、信じたい!!


水が綺麗。

皆が食事に困らず、隣同士仲良く暮らす。

空はいつも青い。

争いもない。

喧嘩もない。

治安も良い。

なんていい国だ。


――――――――――――――――――


一年後、

「ねー、茜、見てみて!」

僕は魔法を使って遊んでいる。

ブランコも滑り台も一年すれば飽きた。

そして、今は魔法で遊ぼうとした。

冬の寒い公園。

手が震えている。


「ウォーターヒット!!」

すると、手から水の大きな球体ができた。

大体、自分の身長くらい。

そして、水の球は、木にぶつかった。


懐かしい。

あの頃の感覚が身に染みる。

茜は目を輝かせていた。

急に怖くなった。

こいつは一年たっても、砂遊びに飽きなかったやつやぞ。


「あの……」

「どうしたの、茜?」

茜と俺は見つめあった。

「魔法を教えて!!」

茜は今までで一番大きな声で言った。


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