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仲良し家族、まとめて突然!異世界ライフ  作者: ぷい16
花菜香・風雅の留学と大戦
99/249

ザッテリーニ連邦国、宣戦布告

 二郎たちは翌日、



「まぁ、戦地とは配置が変わるかも知れませんが」



 キャンプ地を案内された。


 案内と共に、各部隊の長所、短所も聞けて、勉強になった。


 (みな)、何かしら作業をしているのだが、サガンガのある部隊はテーブルにはお茶、椅子に座って何もしていないように見える。



「彼らは何をしているんですか?」


「あぁ、彼らは遠見の魔法で敵軍を監視しているんです。サガンガ王国は、治安維持で遠見の魔法を使っているらしく、唯一魔道士団で毎日、実用で遠見の魔法を使っているそうなんです。経験が段違いですね」


「あぁ、俺も宮廷魔法師団に常勤していた頃にやったなぁ」



 昨日、”敵の軍の食料などの軍備品の補給ルートが分かっています。あなたは以前に教えた便利魔法が使えます。あなたならどうしますか?”という問いがあった。その、”補給ルートが分かっています”という部分や、軍隊本体の動きなどを遠見の魔法で観察し、敵軍の行動をつぶさに観察する役割を担うのが彼らなのだそうな。この戦いで、なくてはならない仕事である。



「敵が自分たちの行動が丸見えだったと分かったら、とても戦おうと思わないですよね。油断はできませんがアソウ魔道士団総長のお(かげ)でザッテリーニ連邦国より我々はかなり有利ですよ。ニャハハハハ」



 便利魔法群、便利すぎるだろと花菜香(はなか)風雅(ふうが)は思った。それが、今、その魔法がアハントルト王立魔法学校を(かい)して民間にも流れようとしているのである。



 一通り見終わって、昼食後、3人は幹部用の天幕へ呼ばれた。


 ジリアン騎士団総長と(かおる)は、想定されるケースを数通り予想して、こちらがどう打って出るかを3人に説明した。


 すると途中で(かおる)(すみ)に離れていく。まるでスマホに着信があったときのように。そして、



「アハントルト王国の魔道士から念話があったわ。ザッテリーニ連邦国から使者がやって来て正式に宣戦布告してきたそうよ。今、念話を通して各国に情報共有しているみたい」



 これで戦争が確定した。



/*


 一方、各国の王は、


*/


「国王、アハントルト王国魔道士から念話がありました。ザッテリーニ連邦国からアハントルト王国に対して宣戦布告があった模様です!」


「では、至急4カ国国王会談の場をセッティングさせろ。準備ができたら向かう」


「はっ」



 そして1時間後、アバン・ルイジアンヌ サガンガ王国国王、ジンジョルノ・ザビエル タンザナティア王国国王、エレンハイム・アントワリッチ ジルベチア王国国王、ドナートヴィッチ・アルキバン アハントルト王国国王がサガンガ王国王城に一堂に会した。



「これが宣戦布告文だ。読み上げる」



 宣戦布告文の内容は、かいつまんで言うと、”アハントルト王国なる小国は我が大国、ザッテリーニ連邦国が、武力を(もっ)て我が配下にしてやる。ありがたく思え。アハントルト王国を手中に収めたあとは、タンザナティア王国、サガンガ王国、ジルベチア王国を傘下に収め、それらの王族は根絶やしにするが貴族や国民は富ませてやる。ありがたく思え”というとんでもない自分勝手な内容であった。



「ザッテリーニ連邦国の傘下に入ればどこも干上(ひあ)がってしまう。豊かになるとは思えん。大嘘つきだな」


「全く」


「しかしこちらも見くびられたものだな。相手は戦争に勝つ気でいるぞ」


「笑止」


「まぁ、これで戦争を宣言されたからこちらも返り討ちに()わせる大義名分ができた。ナイツ騎士団総長から上がっていた出兵の願い、許可せざるを()んと思うが、反対の者はおるか?」


「「「異議なし」」」


「それでは出兵許可を出そう」



 国王4人は、それぞれ西方諸島連合軍に出兵許可を出す指令書を書くのであった。


 4通の出兵許可証と、連名で、”ザッテリーニ連邦国の領土、取れるものなら取れるだけ取ってこい”という内容の共同文書、計5通を魔道士に預け、



「すぐにナイツ騎士団総長に届よ」


「はっ!」



 5通の文書はナイツ騎士団総長の()る幹部用の天幕へ、すぐさま届けられるのであった。



/*


 一方ザッテリーニ連邦国の使者は


*/


 ザッテリーニ連邦国の使者は、ドナートヴィッチ・アルキバン アハントルト王国国王の返答文を(たずさ)え、一路ザッテリーニ連邦国の侵攻軍本体を目指していた。


 侵攻軍の将軍に口頭でアハントルト王国国王が宣戦布告を受け入れ、迎え撃つことを伝えるため、そしてそれが終わると首都、ザリガエックの王城へ出向き、大統領に返答文を渡すのが彼の仕事である。


 アハントルト王国王都からザリガエックまでは遠い。使者なので、かなりの駿馬(しゅんめ)を使わせてもらったものの、侵攻軍との合流まで4日、首都ザリガエックまでさらに4日かかるだろうと使者は帰路の行程を考える。


 しかし、アハントルト王国王都から、馬を走らせること1時間、信じられないことが起こった。一瞬、何か闇に包まれたかと思うと、気付いたら侵攻軍と合流していたのである。何はともあれ仕事である。



「私はヘントリック・ザーナウ。伝令を伝えにやって来ました。ミカエル・ブランドル将軍にお取り次ぎ下さい」



 と、侵攻軍の兵に取り次ぎを願い出た。


 使者は無事、ブランドル将軍に面会でき、アハントルト王国が対抗してくると伝えると、



「ふん。恐れをなして降伏すれば良いものを。分かった。それではそなたの務めを果たすように」


「はっ。それでは失礼します」



 伝令は一路ザッテリーニ連邦国の首都、ザリガエックに進路を取った。


 そして、馬を走らせること1時間。またもや一瞬、何か闇に包まれたかと思うと、気付いたらザリガエックに到着していたのである。何はともあれ仕事である。


 王城に入り、名前を告げ、大統領に報告と返答文を渡すのが彼の仕事である。



「あい分かった。アハントルト王国は抵抗してくるということだな。こしゃくな。侵攻軍に伝令を飛ばせ!何があってもアハントルト王国を打ち倒せ!」


「はっ!直ちに!」



 ザリガエックの王城から別の伝令が、侵攻軍に向けて走り出すのであった。



「しかし、そち、ザーナウと言ったか?やけに早く伝えに来たな?」


「私も何故こんなに早く到着できたのか、不思議です」



 何はともあれ伝令の仕事は果たした。激務だったため今からまとまった休みがもらえる。休みに何をするか思いをはせる伝令であった。

お読み下さりありがとうございます。


地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。

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