アハントルト王国からの褒賞
「ジロウ・アソウには次の褒賞を下賜する」
ここはアハントルト王国アバストロフ城の謁見の間。先のクーデターで王族側につく貴族から軍を集めることによって、反乱軍を鎮圧することに貢献したとして、国王から褒美を賜る式典の最中である。
「我が娘、ミランダ・アルキバンをそちの嫁に出す」
何故こうも王様は俺に娘を嫁がせたがるのかと二郎は思った。ここはお断りをせねば。
「私は既婚者ですがいいのですか?」
「そちの国では嫁は1人だけという決まりでもあるのか?」
「いえ、すでに5人嫁が居ります」
「では良いではないか」
お断り失敗。後で家でもめるぞ。
「では次に、侯爵位に領地、王都に屋敷を下賜する」
二郎はサガンガ王国の貴族だ。よそで貴族になったらマズいだろう。
「私はサガンガ王国で公爵位を賜っております。よその国の貴族がこの国でも爵位を得るのは問題かと」
「そちはタンザナティア王国と、ジルベチア王国で名誉伯爵の地位にあると聞く。一つ増えたとて問題なかろう。なに、領地は代官に任せ、そちは法衣貴族のように振る舞えば良かろう。子に継げる爵位は持っていて困らぬであろう?」
サガンガ王国で問題になりそうだが断り続けるわけにもいかない。仕方ない。もらっておくか。
「謹んでお受け致します」
二郎はそう言うしかないのであった。
「では明日、ジロウ・アソウとミランダ・アルキバンの結婚式を執り行う。披露宴はまた後日に改めて。ジロウ君もそのつもりで」
「はい」
褒賞の授与は終わった。それから二郎は関係各所に事情説明に回るのであった。
次の日、麻宗一家に、サガンガ国王夫妻、バーンクリット公爵夫妻、タンザナティア国王夫妻、ジルベチア国王夫妻出席のもと、ジロウ・アソウとミランダ・アルキバンの結婚式は滞りなく執り行われた。
麻宗家一家に、サガンガ国王夫妻、バーンクリット公爵夫妻を国に返した後、タンザナティア国王夫妻、ジルベチア国王夫妻とアハントルト国王夫妻は会談中であった。会談の終わりを待ってタンザナティア国王夫妻とジルベチア国王夫妻を国元へ送り届けるのであった。
最後に、ミランダの荷物をゲートでサガンガの麻宗邸へ運び、家族を集めて、
「改めて。今日から家族となりました、ミランダさんです」
「今日からお世話になりますミランダです。よろしくお願いします」
そして各々自己紹介をする。
自己紹介も終わり、解散する。二郎はミランダの部屋の片付けを手伝うのであった。
次の日は二郎も薫も宮廷魔道士としての仕事がある日だった。途中でアバン王から呼び出しがあったので、とある会議室へ出向くと、アバン王とリチャードお義父様がいた。
「おぉ、よく来た、ジロウ君、薫君。まぁ、かけたまえ」
「「はい」」
話はこうであった。二郎は、サガンガでは侯爵、タンザナティアでは名誉伯爵、ジルベチアでは名誉伯爵、で、今度新たにアハントルト王国で侯爵の位に就いた。しかし、宮廷魔道士の任で暇無し。サガンガの領地も完全に代官任せになっている。そこで、宮廷魔道士を非常勤にして、その空いた分貴族としての仕事をしてはどうかという話であった。
二郎と薫は、少し相談をし、
「分りました。後任に引き継ぎし次第、非常勤になります」
「非常勤とはいえ、宮廷魔道士に席をおく身。今後ともよろしく頼むよ」
「ご配慮ありがとうございます」
非常勤になるということは、副長を降りるということ。二郎と薫は、新たに副長として、ユリアン・ギルベルトを指名し、二郎が引き継ぎをして、ユリアンに任せられるようになった。
そこで、とある日の朝礼で、
「今までユリアン君に副長の引き継ぎをしていましたが、任せられるようになりましたので、私、ジロウ・アソウは副長を辞し非常勤に、そして、新たにユリアン君を副長にすることになりました。これまでありがとうございました。来る頻度は落ちますが、籍が抜けたわけではないのでまた来ます。今後ともよろしくお願いします」
挨拶が終わり、その日はそれそれ仕事をするのであった。
次の日から、アハントルト王国アバストロフ城にて、結婚披露宴の打ち合わせを行なった。そのとき、
「正式にはまた呼ぶが、うちのカンデラルをタンザナティア王国へやってミリアラ第1王女と結婚させ、うちのカメルラをジルベチア王国へやってジューディス王子と結婚させることにしたから、結婚式や披露宴ではよろしく」
という爆弾発言を聞くことになるのであった。
お読み下さりありがとうございます。
地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。




