ザガンガ王国に戻って来ました
「ただいま」
『お世話になります』
ザガンガ王国王都の麻宗邸。そこに二郎とエテラーシアさんが戻って来た。
「二郎さん、こちらの方は?」
「エテラーシア・ザビエルさんといってタンザナティア王国の王女で、その… 婚約させられました」
「「はぁ?」」
ミネルバとカッテリーナに、タンザナティア王国の王都、ビライガに向かっている途中、馬車が襲われており、馬車を守るべく助太刀してついでに姫に治癒の魔法を使ったこと、王城へ泊まっていくように言われて次の日褒美としてエテラーシアと婚約し、名誉伯爵の爵位をもらったことをかいつまんで説明した。
「私たちのような扱いよね」
「反論もしづらいわよね」
ミネルバもカッテリーナも、身に覚えがあるからか、反論しづらそうにしている。
「と、いうわけで、これからここで住むわけだから、部屋を割り当ててっと」
ミネルバとカッテリーナが使っているのと同じくらいの大きさの部屋が空いていたので、そちらにアイテムボックスに入れておいたエテラーシアさんの私物を出し、エテラーシアさんの指示でメイドに片付けさせる。
部屋が片付くと、ミネルバとカッテリーナを呼んで、
「ザガンガ王国とタンザナティア王国では言葉が違います。3人にはそれぞれ言葉を覚えてもらいたいと思います」
3人はきょとんとしている。
「そりゃ私たちは妊娠していてあまり動き回れないけれども」
「仕方ないですね」
「こちらの言葉が分らなければ生活できません。よろしくお願いします」
ミネルバとカッテリーナは渋々と、エテラーシアさんは生活がかかっているのでお願いという形で了承してもらった。
エテラーシアさんをミネルバとカッテリーナに任せて、二郎は登城した。
「で、あの後、どうなったのよ?」
二郎は薫に、褒美としてエテラーシアと婚約し、名誉伯爵の爵位をもらったこと、二週間後には来て欲しいと言われたことをかいつまんで説明した。
「はぁ?猫の子じゃないのよ?何でお姫様をホイホイともらってくるのよ!」
「あっちのジンジョルノ国王にすごまれて、断るに断れなかったんだ…」
二郎は遠い目をした。
「分ったわよ。家族が増えるのね。アバン国王にはあんたからちゃんと報告しておくのよ」
「分ってるよ」
二郎は国王に面会予約を入れ、遅まきながら、宮廷魔道士の仕事をし始めた。
「ところで、アサトラス地方への視察、どうなった?」
「延期よ延期。タンザナティア王国の件が持ち上がってそれどころじゃないでしょ?」
「まぁ、そうなるか」
仕事を終え、二郎は王と話すため、会議室へと向かった。
部屋にはアバン国王と、リチャードお義父様が待っていた。
二郎は2人に、褒美としてエテラーシアと婚約し、名誉伯爵の爵位をもらったこと、2週間後には来て欲しいと言われたことをかいつまんで説明した。
「2週間後か。それまでにこちらも使者を決めておかねばならんな」
「コミュニケーションの魔法を使える者か、使える者を同伴させて下さい。あちらは言葉が違いますので」
「しかし二郎君、ホイホイと姫をもらうのもどうかと思うが、他所の国の爵位を気軽にもらうのもいかんぞ」
二郎はこってりと絞られ、帰宅するのであった。
そして、薫の次の休みの日、ラガダー地方に居る商人、アラバーニ・パテントスを訪ねた。
「商品が売れて、こちらの品物も買えましたので、そろそろ国に戻ろうと思っております」
「タニエ村か、ガーロイアまでなら送っていけるけど、どうする?」
「すぐに荷物をまとめます。ガーロイアまでお願いします」
商人たちは急いで荷物をまとめ始めた。
「ほぉ、あの森の中を通らずに、一瞬で…」
「この魔法は、ジンジョルノ王からしばらく伏せておくようにとお達しがあったから、むやみに話さないようにね」
パテントス商会の商隊をゲートでガーロイアの外れまで送り届けた薫は、そう言って口止めした。
二郎の帰宅後、エテラーシアさんから、
「父から念話がありまして、二郎さんに、今日にでも会いたいそうです」
二郎は、薫とエテラーシアさんを連れて、タンザナティア王国の首都、ビライガまで、そこから徒歩で城へ入った。
「おぉ、待っておったぞ二郎君」
とある会議室に入った二郎は、ジンジョルノ国王にそう言われた。
「実は、使者を送る前に、そちらの国王に会っておきたいと思ってな」
実に無茶振りである。こうして二郎は、ザガンガ王国国王と、タンザナティア王国国王の会談のセッティングをすることになったのであった。
お読み下さりありがとうございます。
地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。




