結婚披露宴
ミネルバとカッテリーナの妊娠が発覚して数日後、二郎と2人の結婚披露宴の日がやって来た。
外では演出用の電源を確保するため、発電機がトラックの上でエンジン音を響かせている。
二郎は控え室に居た。白いカッターシャツに濃い青色のスーツ姿だ。
着替え終わって待っていると、薫、花菜香、風雅が入ってきた。
「私たちは着替え終わったわ。二郎、頑張ってね♪」
「よし。任せとけ」
ミネルバとカッテリーナの着替えが終わったと連絡が入った。来賓客も全員席に着いたらしい。
二郎は花菜香の手を繋ぎ、会場前の扉で待機していた。二郎たちの後ろには、薫と手を繋いだ風雅が待機している。
「それではお待たせしました。新郎新婦の入場です。盛大な拍手でお迎え下さい」
司会のアナウンスがあり、映画館並みに配置されたスピーカーから、メンデルスゾーンの「結婚行進曲」が流れ、扉が開き、ドライアイスの煙が床から流れ込んできた。会場は照明を暗くしている。華やかにレーザー光線が会場を照らす中、二郎にはスポットライトが当たっていた。
二郎たちは真ん中のレッドカーペットの上を進み、花菜香をひな壇の中段の席に座らせ、来賓客に一礼して花嫁を待つ。
続いて花嫁のミネルバとカッテリーナが、王様に手を引かれてやって来た。
ミネルバもカッテリーナも、ボリュームというタイプのスカート部分に生地多めの豪華なウェディングドレス姿だった。ミネルバが薄いピンク、カッテリーナが薄いグリーンの衣装であった。
ミネルバとカッテリーナの手を、王様から二郎へバトンタッチされ、ひな壇上段へ。二郎、ミネルバ、カッテリーナは立ったまま、
「これよりジロウ・オカツカと、ミネルバ・ルイジアンヌ、カッテリーナ・ルイジアンヌ の結婚披露宴を行ないたいと思います」
司会のアナウンスがあり、二郎、ミネルバ、カッテリーナは一礼して着席する。会場は徐々に明るくなってきて、
「それでは新郎、ジロウ・オカツカの略歴をご紹介致します」
司会から、二郎、薫、ミネルバ、カッテリーナの順に略歴が紹介される。
略歴を話している間、二郎の後ろ、舞台正面の背景に、本人が、大きくプロジェクターで映し出される。
その間、料理が各テーブルに配膳される。
薫の略歴のときが、来賓客の驚きが大きかったようだ。
略歴の終わりで、ちょうど配膳が終わったようだ。
司会にカメラがパンして、
「それでは、料理が各テーブルに回った頃だと思います。グラスをお取りいただき、ご起立下さい」
来賓客、主催側、全員が起立し、
「3人の結婚を祝して」
全員がグラスを高らかに掲げ、
「乾杯!」
「「「「「「乾杯!」」」」」」
隣席の者とグラスを鳴らせ合い、
「なお、先ほどミネルバ、カッテリーナ、両新婦のご懐妊が判明しました。これを祝しまして、今一度、音頭を取らせていただきます。乾杯!」
「「「「「「乾杯!」」」」」」
妊娠の知らせをしたら、一部の女性が青ざめた。大丈夫か?
「それではご着席下さい」
会場には穏やかなクラシックが流れ始め、
「それではお食事をお召し上がり下さい」
会場の緊張が緩んで、皆、食事に手を伸ばし始める。舞台のプロジェクターでは、映画が流れ始め、司会は活動弁士と化し、食事時の場つなぎをする。
食事も、コース料理となっており、前菜、スープ、魚料理と順々に出てくる。皆、静かに話しながら舌鼓を打つ。
デザートまで食べ終わった後、
「新郎、新婦がお色直しを致します」
二郎、ミネルバ、カッテリーナは、レッドカーペットを通り、退出し、控え室で着替えをする。
ミネルバ、カッテリーナの着替え終了の合図があり、二郎は扉前で待つ。ミネルバとカッテリーナがやって来た。ミネルバは赤の、カッテリーナはグリーンのダンス用衣装だ。
「お色直しも終わったようです。新郎新婦の再入場です。盛大にお迎え下さい」
再び扉が開き、3人手を繋ぎながら再入場する。
会場は、今まであったテーブルと椅子が片付けられ、壁際両サイドに飲み物のグラスが並べられ、真ん中は大きく開けられていた。
3人は、ひな壇上部へ行き着席し、
「それではただ今からダンスタイムと致します。ミュージック、スタート!」
会場に、地球のダンスミュージックが流れ出す。最初は戸惑っていた来賓客たちも、リズムが分ったら、各々踊り出す。
「1曲いかがですか?」
ミネルバに誘われたので、二郎とミネルバも踊り出す。
カッテリーナとも薫とも踊った。
頃合いを見計らって、男爵一家から徐々に退出が始まる。もうそろそろこの披露宴もお開きの時間だ。
「前も言ったかも知れんが、改めて頼む。エリアリアーナをよろしくな」
薫の父、リチャードお義父様がそう言い残し、退出する。そして、最後にアバン国王がやって来て、
「二郎君、ミネルバとカッテリーナをよろしく頼むな」
国王一家が退出し、お開きとなるのであった。
お読み下さりありがとうございます。
地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。




