王女の嫁入り先として
話のストックがあるので今日は景気づけに二本立てにします。次話はは二時間後。
*変更
ミネルバとカッテリーナの結婚相手、「一方他国の貴族社会には適齢期の人間が居ないのだそうだ。」を削除しました。
「また呼び出してすまんな」
二郎と薫が呼ばれて行った部屋に待っていたのはアバン国王と、リチャードお義父様だった。
「実は二人というか、麻宗家にお願いがあるんだ」
そう切り出したリチャードお義父様は、話を続ける。
アバン国王の娘、長女ミネルバと次女カッテリーナだが、はっきり言って、嫁入り先が無いらしい。何でも、国内の貴族の子女は、様々な貴族のパーティーで皆顔なじみだが、2人のお眼鏡に叶う者は居ないのだそうだ。そこで、二郎にこの2人をもらって欲しいという。
「何だかいきなり大きな話ですね。本当に他に当てがなかったんですか?」
「当てがあったらわざわざ恥を忍んでこんな話はせん」
どうやら2人には本当に当てが無いらしい。
「薫は第一夫人から外しませんよ」と言ったら、国王から、「それは構わん。どの貴族も文句は言わんだろう」と返された。
この2人を妻に迎えたら、必ず1人ずつは男の娘を産ませて欲しい。これは王命だと脅された。まぁ、他の問題が全部片付いたら別にそれは構わないのだが。
「一度この話は持ち帰らせて考えたいと思います」
「そうだな。急いで結論を出すとろくな事が無い。よく家族で話し合ってくれ」
その場で結論は出さず、その日は退出することになった。
「お父様不倫?愛人を持つの?」
「公式に妻に迎えるから愛人でも不倫でもないよ。薫とほぼ同等の扱いだよ。お母さんが増えるんだ」
家に帰って娘の花菜香と息子の風雅にこのことを話したら、娘からこう返された。「不倫?愛人?どこでそんな言葉を覚えた?父さんは悲しいぞ」と二郎は呆れると共に悲しくなった。
「ふうん。お父さんとお母さんが納得するんだったら別に私は構わないわ」
「新しい妹か弟ができるなら僕もいいよ」
子供たちは納得してくれた。しかし、一緒に話を聞いてくれていた薫はどう思っているのだろうか?
「薫はどう思う?お前の意思が一番重要だろう?」
「私は、王女が2人ともあなたの妻になるのは異常と思うけど、貴族が第二夫人、第三夫人をもらうのは別に変なことでもないし、嫁ぎ先が無いというのも可愛そうだし、私としては、受け手もいいと思っているわよ。二郎の決定に従うわ」
「そうか。よく考えるよ」
結局は二郎の考え次第。二郎が最終決定をしなければいけない事案だ。二郎は、「廊下とかでたまに合うが、ろくに喋ったことも無いよ」と愚痴を言いながら、その日は考えながら眠るのであった。
*
翌日。空は雲一つ無い晴天であった。今日はお休みの日。久しぶりに薫の実家、バーンクリット公爵家にお呼ばれしている。麻宗家の面々は軽く朝食を食べ、キャンピングカーでバーンクリット家へと向かった。
「お義父様、お呼びいただきありがとうございます」
「お父様、遊びに来ましたわ」
「「リチャード様、ありがとうございます」」
バーンクリット公爵家は年齢に関する発言は御法度。例え孫に「じいじ、あそぼ」と言われても、その「じいじ」という言葉がアウト。どこまで不機嫌にさせるか分ったものではない。仕方がないので名前で呼ぶように子供たちには教育している。
「お前たち、よく来たな。楽しみにしておったぞ」
バーンクリット公爵家では、リチャードお義父様、ブレンナお義母様、シンロブモント叔父様、チャールズ義兄様、アヴァリン義妹様と、勢揃いで出迎えてくれた。
最初、リチャードお義父様とシンロブモント叔父様が子供たちと遊び、その後、ブレンナお義母様、チャールズ義兄様、アヴァリン義妹様が子供たちの相手をしてくれた。二郎と薫は、リチャードお義父様とシンロブモント叔父様に別室へ呼ばれた。
「二郎君、エリアリアーナ、王女様方の話はどうするのかね?」
いきなり核心を突くか!と二郎は思った。
「私は王女様方とは廊下ですれ違うときに挨拶するくらいでろくに面識がありません。受けたとしても婚約を挟んでの結婚という順序は必要だと思います」
「私も王女様方とは、小さいときはともかく、今では面識があまりありませんわ。まずは二郎がお付き合いをして、家族ともうまくやっていけるか試してからの話じゃないかしら」
薫も面識が無かったのかと思う二郎。リチャードお義父様とシンロブモント叔父様は顔を和らげた。
「そうかそうか。前向きに考えているんだな。それは良かった良かった。それでは二郎君、すぐにお付き合いしてみなさい」
「そうかそうか。アバンのヤツもこれで1つ肩の荷が下りるだろう」
麻宗家が前向きに考えていると伝えただけで、お義父様も叔父様も大層喜んだのだった。
お読み下さりありがとうございます。
地球や日本、リアルな世界とこの話での世界観は同一ではありません。また、ぷい16が理想とする世界観でもありません。フィクションとして楽しんで頂ければ幸いです。




