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消滅の光景第2回、セクター星群内で浸透するミレニアム信徒を調べるために司政官ビット大佐は、町中の宿屋にとまるが、塔に引き寄せられていた。

消滅の光景 第2回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/


「この星で何かがおこっているな」グルドは独りごちた。


セクター星軍駐屯本部宿舎に入ったグルドは、ピット大佐の個室を、夕刻、ノ

ックしていた。


「すまんが、ピット大佐、町中の宿屋を紹介してくれんか」

「ええっ、視政官、それは危険です」


「人々の中に入らなければ、視政官としての任務はできん。ミレニアム信徒

ム信徒の様子を調べたいのだ」


「そうですか。そうおっしやるなら:」


 ビットは少し考えていた。

「タルジマロ通りのキムの宿屋がいいでしょう。まだ安全でしょう」


「わかった。地図を書いてくれるかね」


「案内します、視政官」 

     

「ばかを言いたまえ。君が付いて来れば、ぶち譲してはないか」


 ミ肌アム信徒で混雑するタルジマロ通りを歩いてようやく、グル

ドはキムの宿屋を見つけた。


セクター星では博物館入りの建物だ。


 これ以上、肉のつきようがない肉のかたまりの様な男がカウンタ

ーの中にいる。


この男がキムの様だ。歩く度に重さで床がギジギシと鳴った。

不機嫌そうな顔だ。


 「お客さん、残念ながら、ミレニアム信徒ならおことわりだよ」


 グルドはキムの鼻先に銀河クレジットを押しつけていた。

 「私はミレニアム信徒ではない。泊めてもらおう」


 キムの表情がくずれだ。


「お客さんがミ‥リアム教徒だなんて誰がいいました。どうぞどうぞ。

この星で最高のお部屋にお泊めいたしましょう」


キムの口はとどまる所を知らない。


「宇宙商人の方ですか。こんな星に貿易にこられたのですか。残念

ながら、この星には何にもないですよ。そりタ、大昔には、この星

は繁栄していたらしいですが。私達はセクターから入植した人間の

子孫なんですが。祖先がもぅとましな星に入植してくれていたらと

いつも思ってますよ。


 そりタそうと、「塔」を御覧になりなさったかな.あの塔くらいしか、

この星には見所がないですよ。ほら、この寫からも見えますよ」


 塔は、夜空の中に銀色に輝いていた。針のように天空に向けそ

そり立っている。突起物はなく、均質の物質で構築されていた。


 「まあ、明日の朝早く、行かれることですね。じゃ、お休みなさい

ませ」


部屋に入った瞬間。心が浮き立つ。

 グルドの心は見えない力に引き寄せられていた。抗いようもなかった。

意識の一部では自分の意識があの塔に向かって突き進んでいるのがわかっ

ていた。


何のために私の意識は塔に向かっているのだ。グルドは自問した。


答は返ってこない。体が自分の物ではないような感じだ。


 町並が消え、塔が目の前に接近してくる。


 ただ塔のみが存在し、向こうの方に地平線が見える。あとはただ

赤茶けた荒地だけだ。

                    

 塔は宇宙から飛来し、この大地に突きささっているようにも延え

る。                               

 旧式のロボット、ガーディアンがゆっくりと近づいてくるのがグルドの視野にはい



連邦軍のビット大佐の言った言葉が耳に残っている。


消滅の光景 第2回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

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