13話 100枚UNO1 5/7
せいなが慣れない様子で戸惑いつつ、しかしはっきりと高らかに「ウ……ウノ!」と宣言した。
全員が思わず「えっ」と口から零す。他の3人はまだまだ少なくとも10枚前後のカードを持っていた。あまりにも早すぎるウノだった。
つくよはさっと場に出されていたカードに目を遣り、原因を悟る。
「そういえばさっきから、結構なドローカードの押し付け合いで白熱してたけど……せいな
だけ1度も引いてなかったですね」
「確かに、ずっとドロー4で回避してた……っ!」
あかりもはっと気づいて視線を上げる。せいなは残りの手札が10枚を切った辺りからカードを机の上に並べるのをやめて、他の3人と同様に手に持ってプレイしていた。それにより、他の3人にはせいなの手札が見えなくなり、気付けなかったのだ──彼女が異常な数のドロー4カードを所持していることに。
「ビギナーズラックというか何というか」
「運が良いなあ、せいなは」
「そういうことですね」
あかりとこゆきが次々に口に出した感想を、つくよが引き取る。UNOは、類似するカードゲームの中でもかなり運の要素が強いゲームだ。引いた手札で勝負の半分が決まると言ってもいい。ルールを知らず、途中までは手札を晒しながら遊んでいたせいなだが、彼女の生まれ持っての幸運は、こういった不利を完全にカバーして余りあるほどに、このゲームにおいての強力な武器になっていた。
「これ、1人が先に上がったら残りの3人はどうなるのかな──?」
ふと、こゆきが頭に浮かんだ疑問を口に出した。すると、それに呼応するように、天井に再び文字が浮かんだ。4人は一斉にそれを見上げる。
≪第三位までが上がって順位が確定するまで≫
「──ってことか」
「待って待って待って、今せいな1人だけが上がっても、クリアまでは遠い道のりだよ!?」
「せいなには長い時間を1人で待たせてしまうことになりますね」
「自分も、それは寂しい……」
やっとルールを覚えられたのに、とせいながしょげて肩を落としたところで、「──うん、決めた」とこゆきが呟く。
「『絶対権限』──全員が接戦になるまで3人VSせいなの三対一に、ルール変更!」




