11話 VRゲームな世界1 4/6
つくよは三人に礼を言った後、すぐさま作戦に移った。
せいなたちはつくよと別れた後、目的地の北西の渓谷にたどり着いた。
「この中に入れば戦闘が始まるんだね……」
せいなは緊張した面持ちで呟く。
「久しぶりのラージドラゴンだ! 頑張るぞ!!」
あかりはラージドラゴンのハントにやる気を満ち溢れている。
「つくよはもう狙撃ポイントに着いたかなー」
こゆきは戦闘が待ち遠しいのかムズムズし、つくよのことを心配している。
「つくよ、狙撃ポイントに着いた?……」
せいなはワイヤレスイヤホン型の通信機でつくよに連絡を取る。
『……すみません。今向かっているのですが、道に迷ってしまって』
つくよは申し訳なさそうに答える。
「つくよ、マップを開いてみて」
『はい。開きました』
「今つくよがいるところがここだから、北北西に二キロ進めば着くはずだよ……」
『分かりました。ありがとうございます』
「どういたしまして……ゆっくりで良いから焦らなくても大丈夫だからね……」
『分かりました。すぐ向かいます』
せいなは丁寧につくよに道順を教え、つくよはその通りに行動しお礼を言う。
これでつくよが狙撃ポイントに着いたら戦闘が始められる。
その時、渓谷ステージ特有の突風が吹き荒れる。
「きゃー」
こゆきは風に煽られ、間違ってラージドラゴンが出るステージの中に入る。
「あっ……」
せいなが手を伸ばすものの、時すでに遅し。案の定、ラージドラゴンがステージに顕現する。
「ごめんねつくよ。戦闘始まっちゃった……」
『分かりました。わたしもすぐに狙撃ポイントに向かうので持ちこたえてください』
「うん、分かった……」
「ごめんねー、みんなー」
「大丈夫だよこゆき……こゆきは悪くないよ……」
「そうだよ! あの突風が悪い!!」
「ありがとー、みんなー」
申し訳なさそうに謝るこゆきだが、他の三人は全く気にしていなかった。
「あかり、こゆき。つくよが狙撃ポイントに着くまで持ちこたえるよ……」
「任せて!!」
「おぉー、頑張るー」
せいなが他の二人を鼓舞し、あかりとこゆきは元気よく雄たけびを上げる。
「ぎゃるるるるるるるるるるるるるる」
ラージドラゴンもそれに呼応して雄たけびを上げる。
そしてせいなたちとラージドラゴンの戦いが始まった。




